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★タイトル (GSA ) 98/ 6/25 0:55 ( 35)
三宮晴樹とその友人達(47) ハロルド
★内容
授業の休み時間中の教室にて、晴樹と善三と譲治が並んで椅子に座り、その三人
の前で郁太郎が立ちながら演説をしていた。
「結局日本代表はレゲエ・ボーイズの根性無しどものせいで決勝トーナメントに進
出することが出来なくなった」郁太郎は半ば怒りながら言った。「後はジャマイカ
と消化試合を行ってF組最下位決定戦を行うのみとなった!」
善三が晴樹に耳打ちした。「どうでもいいけど何で僕達、郁太郎の前に並ばされ
てるの?」
「さあね」晴樹はうんざりしながら言った。
「今、岡田監督を始め、日本敗退の戦犯が誰かを選定する議論がマスコミの間で始
まっている」郁太郎は机を拳で叩いた。「そこで我々も自分達の応援不足が原因で
二連敗になったものとみなし、この四人の中から『日本代表を真剣に応援しなかっ
たA級戦犯』を選定することにする!」
「何でそんなことしなきゃいけねえんだよ!」譲治が不平を言った。
「うっせえ! おめ黙って聞け! おらあ!」郁太郎が有無を言わさない大声で怒
鳴った。
譲治は、郁太郎の形相に恐れおののき、晴樹にしがみついた。
「怖えよ。こいつマジで怖えよう!」
「フーリガンといい勝負だったかもな」晴樹は譲治に耳打ちした。
「いいか」郁太郎は言った。「今から行われる正当な議論によって『日本代表を真
剣に応援しなかった戦犯』に選ばれた者は厳しい罰を受けてもらう」
「よし、わかった。じゃこうしよう」晴樹が立ち上がった。「議論とかそういう面
倒くさいことはとばして、僕が東条英樹みたいにその戦犯に選ばれて甘んじて罰を
受けてやるよ。それでもうこの話はいいだろ?」
「じゃあ俺がこれから言う罰を受けるんだな?」
「まあ、その罰にもよるけど」晴樹はたじろいだ。「かなり痛い目に会わされるの
かい?」
「いや、暴力とかそういうことは一切無い」郁太郎は保証した。
「なんだ、それだったら余裕じゃん。どんな罰だい?」
「次の昼休みになったら校庭の朝礼台に上がって、みんなが見てる前でモーニング
娘の『モーニングコーヒー』をシャズナのイザムの声色で『だっちゅーの』ポーズ
をしながら歌うだけでいい。歌詞カードもちゃんと用意してある」
郁太郎は、歌詞カードを差し出した。
「じゃあこの四人の中から誰が戦犯なのか今から早く決めようよ」晴樹は言った。
(98/06/24)