AWC 三宮晴樹とその友人達(14)           ハロルド


        
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★タイトル (GSA     )  98/ 4/18   1:51  ( 25)
三宮晴樹とその友人達(14)           ハロルド
★内容
「ELTの曲で、何か凄く面白い歌があるのよ」和世は晴樹に皆世がオーディショ
ンで歌う歌のことについて話していた。
「ふうん」晴樹は怪訝そうに従姉妹を見た。<和世ちゃんって、おっとりしてるの
はいいんだけど、何か時々訳の分からないこというなあ>
「でも嘉門達夫じゃあるまいし、ELTの曲で『いい』曲はあっても『面白い』曲
なんて聞いたことないよ」
「だって普通、『信じ合えて悲しむ』人っていないでしょう?」和世は笑った。
 晴樹は少し考えたが、やがてそれが何を意味するのかに気付いた。
「それは、やっぱり和世ちゃんが歌詞を聞き間違えてるんだよ」
「ホントに?」晴樹の意外な指摘に和世は驚いた。
「大体、普通の人なら『信じ合えたら喜ぶ』もんだし、『傷つけ合ったら悲しむ』
もんでしょ? マゾヒストじゃあるまいし、ELTが、そんなアブノーマルな曲を
歌うわけないじゃない」
 今度は晴樹が笑う番だった。和世は頬を赤く染め、信じられないといった表情で
晴樹に反論した。
「そんなはずないわよ。だって皆世は、その『喜び』と『悲しみ』の部分を入れ替
えて練習してたんだから」
 晴樹の表情から笑みが消えた。
「じゃあ皆世ちゃんのオーディションの日までに教えてやらなきゃ」
「今日がそのオーディションの日よ」

 オーディション会場にて皆世は甲高い声で「傷つけ合う喜びも」と歌っていた。
やがて会場全体が失笑の渦に包まれた。
                                                           (98/04/16)





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