AWC 三宮晴樹とその友人達(12)           ハロルド


        
#6324/7701 連載
★タイトル (GSA     )  98/ 4/17   6:25  ( 18)
三宮晴樹とその友人達(12)           ハロルド
★内容
「いや、別に何でもないよ」郁太郎は慌てて取り繕った。
「それより見ろよ。吉住が雨で帰れないでいるだろ?」郁太郎は雨のせいで校舎の
入り口で佇んでいる響子を指差した。「そこへ俺が傘を貸してやるって言ったら、
相合い傘になって、そこからラブラブが始まるってわけだよ」
「本当にやるの?」善三は怪訝そうな目で見た。
「まあ見てなって」
 郁太郎は響子の方へ歩み寄った。そして響子に傘を差し出して言った。
「よかったら入ってきなよ」
 響子は振り返って郁太郎の方を見ると言った。
「これ、私がこの前なくした傘・・・」
 郁太郎は、自分が差し出した女物の赤い傘が、数日前の雨の日に傘立てから無断
で拝借した他人のものであることに気付いた。
「これを見つけたとき、きっと吉住のだと思って渡しに来たんだよ」
「あ、そうだったの。ありがとう」響子は傘を受け取ると雨の中を去っていった。
 郁太郎と善三は相合い傘で下校した。
                                (98/04/14) 






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