AWC 「続・ティアフルガール(迷子少女)」 No11 大二郎


        
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★タイトル (AWJ     )  97/ 8/ 3  22: 6  ( 64)
「続・ティアフルガール(迷子少女)」 No11 大二郎
★内容


 もともとこの孤児院・・・・いやそれより前にお城だった時代から、ここはこの星(知
ってる人は知ってるようにスペースコロニー)を管理しているPDF・・・・惑星警備隊
の派出所としてかなり昔からここにあった訳で・・・・今日まで入れ替わり立ち代わり、
担当者が城主となって周辺の治安などの環境の保全にあたってきた。
 で、フレイアさんが担当に回されたのがいまからこの中の時間でおよそ500年前
のこと。
 普通なら担当者は一人で十分だったのだが、互いに親子想いだったのか強引に母と
子の二人でこの地域を担当することにしたらしい。
 やがて、お城というのも時代遅れになってきたからという理由で、フレイアさんは
早々と孤児院に切り換えたのだが、そうなるとカイの存在をあまりおおっぴらに出来
なくなって、彼はあたかもいまのシュンリーのように謎な正義の味方として陰からフ
レイアさんのお手伝いをするようになった。
 こうして、いつまでも外見の変わらないフレイアさんと、どこの誰かは知らないけ
れど、誰もがみんな知っている○○仮面のおじさんのことは、学園の七不思議のごと
く語り継がれはしたが結局誰も深くは追求しなかったので、謎のままである・・・・とい
うのはフレイアさんの記憶をコピーしたにせフレイアさんのお話。
「へーえ」
 とファズタ先生、さして驚いたふうでもない。どうやらあまり細かいことは気にし
ないタイプらしい。シュンリーと同じで。
「・・・・それで、わたくし達のことですけど」
 にせフレイアさんが話を変えた。
「わたくしはこの星の外から来た、まぁいわゆる宇宙生命体なんですけど・・・・この中
の時間で大体5年前に、息子と一緒にここへ来ました。
 わたくし達はそこで生活するほかの生物が発散する感情をエネルギーに成長するも
のですから、必然的にこの辺りで最も強い感情を発していたあの二人と同じ姿になり
ました」
「ふーん、それがドッペルゲンガーっていうものなんだ」
 こんな時でも冷静に情報を整理するファズタ先生だったが、
「あれっ? それじゃ、その息子さんはどちらに? 話からするとあのフレイア様の
息子さんと同じ姿をなさってるようですけど」
 するとにせフレイアさん、大きくため息をついた。
「普通に・・・・控えめに暮らせば、なにも問題なんて起きないんですよ。本人に出会う
ことなんて滅多にありませんし、それ以外の方達でしたら本物のフリをすれば誰も疑
うことはありませんから」
 そんなものか、とほかの一同は思った。
「ですが、わたくし達親子は・・・・」
 言葉を続けたと思ったらまたすぐに切って、そしてまたにせフレイアさんは続けた。
「あの二人の仲の良さだけはどうしても・・・・真似出来ませんでした」
「はぁ・・・・」
 と、思わず本物のほうを見やるファズタ先生。そこではフレイアさんがとどめとば
かりにフロントフェイスロックをカイにかけていた。
「・・・・まぁ、ケンカするほど仲がいい、って言いますもんね」
 うんうんとうなずく一同。
「どうすればあんなふうになれるのか、ただそれが知りたくて! あの二人の前に自
分達から姿を見せ立というのに! なんの話もなしに、息子は強制連行されてしまっ
たんです!」
「はい、みなさんどうもお待たせして・・・・あーっ! みんなだけで楽しそうにお茶し
ちゃってずるいわぁ。わたくしも仲間に入れてくださいな」
 というフレイアさんの言葉はもちろん、見事に外れてしまったので、
「あ、あら? みなさんどうかなさいました?」
 と不思議そうにフレイアさん。
「と、とにかく、策はしくじってしまいましたが、いまこそ3年前の息子の無念を晴
らさせていただきます!」
 と、立ち上がって仇討ち口上を叫ぶにせフレイアさん。
「ああ、やっぱりそのことだったんですね」
 解っているのかいないのか、フレイアさんはあっさりそう受けとめた。
「そういえばあの時もこんな夜でしたねぇ・・・・」
「そう、あの夜、目の前で息子を奪われた悲しみ・・・・忘れられるものですか!」
「・・・・フレイア様、そんなひどいことなさったんですかぁ?」
 思わずジト目でフレイアさんを見るファズタ先生に、
「いえ、その・・・・ですからあなたもご一緒されればよろしかったんですけれど・・・・」





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