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★タイトル (BKX ) 97/ 1/24 18:36 ( 24)
イノセントなもの、失われゆくもの #2−2 なつめまこと
★内容
イノセントなもの、失われゆくもの #2−2 なつめまこと
一九九六年初夏。季節の変わり目の体調不良に登山が効果があると気づいた
私は、死ぬまでに日本百名山を登ろうと目標を立て、最初の山として筑波山に
登った。帰路、ふとハナエを思い出して、駅のロッカーに荷物を預け、彼女の
いた風俗店に行ってみた。写真を見せられると、その中に風俗情報誌によく顔
見せするロリータ風の娘が含まれていた。ふつういわゆる看板娘は常に予約で
埋まっていて、フリーではなかなか出会えないのだが、訊いてみると待ち時間
も三十分と言うので彼女を指名した。自分の番号を呼ばれて廊下を進むと、小
柄な身体に腰あたりまで髪を伸ばした娘が待っていた。
「こんにちは、レイナは初めてですか? よろしく。」と舌足らずな声。二
十歳と案内されていたが、まだティーンエイジャーではないかと疑う。
「お客さん、お仕事は何ですか?」「中学校の先生。」
「えー、本当? 何を教えているんですか?」「何だと思う?」
「国語!」「ピンポーン」
「やっぱり! レイナ、国語は得意だったんだ。他はさっぱりだったけど。」
あどけない会話が続く。ルックスや接客態度が良いのに、なぜ予約が殺到しな
いのか、いぶかっていると、彼女が裸になったとたんその疑問は氷解した。臍
の下から恥毛の生え際まで帝王切開の手術跡がくっきりと残っていた。この傷
跡がリピーターを呼び込めないのだろうと私はシャワーを浴びながら思い、彼女をハ
グした。
ベッドに移った後、その傷跡に沿って指先を動かしながら私は癒気を送り、
自我を溶解させていった…。
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