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★タイトル (AZA ) 96/12/ 7 21:36 (199)
推理小説的読書法「魔術師」3 永山
★内容
和巳はそう言って、自分を落ち着かせていた。
「ちょっと外に行ってくる」
伊集院はそう言って、部屋を出ていった。
行き着いた場所は、つり橋があった場所だった。伊集院はどうしても引っかか
ることがあったのだ。それを確かめるためにここに来たのである。
伊集院は切られたつり橋を少しずつ引き上げた。切り口が見えてきたのは、引
き上げ初めてから10分後だった。
↑「始めて」では
「これは……!?」
伊集院は切り口を見て言葉が出た。自然に切れた跡があるのだが、その上に、
明らかに刃物で切った後がついていたのである。伊集院はあの赤の物体が、人物
だったのではないかと、思い始めた。すると、あれが誰なのか、と言う新たな疑
問が伊集院の頭に現れた。
「もともと、このつり橋を壊すために切れ目を入れていた? と言うことは、誰
が死んでもおかしくなかったのでは? あの赤い人物は、無差別殺人を装ったの
装ったと推測する理由がどこにあるのでしょうか↑
か?」
伊集院はボソボソっと言った。
そして、部屋へと戻っていった。
「何処行ってたの?」
「つり橋を見に」
伊集院が手を洗いながら答えた。
「何かあったの?」
和巳が尋ねた。
伊集院は答えるべきか悩んだ。そして、
「なにもなかった」
伊集院はとっさにそう答えた。
「そう。夕食まで大分時間があるから、何かしない?」
和巳は質問の方向を変えてきた。
「そうだね、で、何するの」
伊集院がそう言うと、和巳は考え込んだ。
↑和巳の心理に立ち入っている
考え込んだすえ、
「やる事ないね」
伊集院は和巳がそう答えると窓際によって、大声で笑った。
和巳はふてくされていた。
↑和巳の心理に立ち入っている
夕食が始まったのは昨日と同じ7時だった。食事中、皆不安に思いながら食べ
ているようだった。それでも、沈黙という厚い壁はなく、ある程度だが、言葉が
飛び交っていた。その言葉の中には、昼間のことについては何1つ出てこなかっ
た。
「先生? 小説の方は進んでます?」
陽子が誠治に尋ねる。と、
「えぇ、まあまあと言うところですか……」
「もし良かったら、この本にサイン貰えます?」
陽子はそう言って、バックの中から1冊の文庫本を出した。
「えぇ、いいですよ」
誠治はそう言うと、陽子から本を取り、サインを書いて返した。
それから、陽子と誠治は、その本やその他の作品について話し合っていた。そ
の他の人は、食事が終わると部屋へと帰っていった。伊集院も例外ではなく、部
屋へと帰っていった。
伊集院はそのままの格好でベッドの上に寝そべって、窓の外を眺めていた。和
巳は伊集院の部屋にはいなく。自分の部屋へと帰っていったみたいである。伊集
↑何故、句点なんですか? タイプミス?
院は、いつの間にか眠りについていた。
月はこうこうと照っている。風はなく、窓を開けていると涼しい空気が流れ込
んでくる。音は何も聞こえず、静かな夜を楽しめる。
↑伊集院が楽しんでいるのですか?
彼はつり橋の一件を殺人だと考えて
いるはずだから、とても楽しむ気持
ちにはなれないはずですが
4
昨日と同じように、太陽の光で目を覚ました。伊集院は自分の隣にもう1つの
↑これはおかしい。伊集院は昨日、和巳に揺り起こされたはず
気配を感じた。伊集院は起こさないようにベッドから出て、その気配の正体を確
かめた。
「なんだ……和巳か……」
伊集院は足音1つたてずに部屋を出て、風呂に入りに行った。そして、また、
静かに部屋に戻って、いすに座って朝の空に見とれていた。
「うん? もう朝か……」
和巳はそう言いながらベッドから起き上がった。
「おはよう」
伊集院は和巳にそう言った。
「おはようー」
和巳はそう言うと伊集院の部屋を出ていった。和巳が部屋に戻ってきたのは3
0分以上経ってからだった。髪の毛を潤いを帯びていて、シャンプーの香りが部
屋中に充満した。
「そういえば、翔君。部屋の前に手紙が置いてあったよ」
和巳はそう言うと、伊集院に紅(あか)色の封筒を渡した。
伊集院はその封筒を和巳から渡されたとき、昨日見た赤いマントの人物の姿を
思い出した。伊集院は封筒を開けると、中から便せんを出して、文字に目をやっ
た。
***************************
魔術師が 赤い服着た魔術師が 一歩一歩歩みよる
夜深し 月光輝く部屋の中 人を殺しにやってくる
白い壁 赤い液体振りまいて 座り込んで動かない
魔術師は 壁の絵を見て真似をする そして闇へと去りて行く
***************************
伊集院は読み終わると和巳に、
「この館に、絵って置いてある?」
「うん、何枚か置いてあるけど……」
「白い壁が描かれているものってある?」
↑手紙を素直に読む限り、「白い壁の描かれた絵」を思い付くのは不自然。
普通、「壁に掛かった絵」を真っ先に想起すると思います
「うん。あるけど……。それがどうかしたの?」
和巳か不思議そうに聞く。が、伊集院は和巳のそんな言葉を聞いてはいなかっ
た。今、頭の中では便せんに書かれた4行の文についてで頭が一杯だったからで
ある。
「何処にその絵はある?」
「確か、西部の2階の部屋だったと思うわ……」
和巳はそう答えた。
「正確な位置はわかる?」
「うん。真ん中の部屋よ。でも、今は菊子さんがあそこの部屋を使っているけど」
和巳のその言葉を聞いて、伊集院はまた、便せんに目をやった。<壁の絵を見
て真似をする>という1文が、妙に伊集院の頭か離れなかった。
「もしかすると……」
伊集院はそう口に出すと、急いで部屋を出た。階段をかけ降りて、西部の2階
へと上がっていった。真ん中の部屋の前に立つと、伊集院はドアをノックした。
「菊子さん。菊子さん」
伊集院はそう言いながら、ドンドンとドアをたたいた。しかし、一向として、
「一向に」がよいと思います↑
中からは返事は返って来なかった。伊集院は急いで自分の部屋に戻って、和巳に、
「部屋の合いカギあるか?」
「うん。叔父さまの所に行けば」
↑叔父なのか伯父なのか、はっきりしてください
「急いでそれを取ってきて、菊子さんの部屋に持ってきてほしいんだ」
「わかったわ」
和巳はそう言うと部屋を出ていった。伊集院もその後を追って、部屋を出て、
↑和巳の後を追ってたら
菊子の部屋には行けません
菊子の部屋を目指した。
伊集院は菊子の部屋の前に来ると、再びドアをノックした。どれだけドアをノ
ックしても、中からの応答はなかった。それでも、伊集院はドアを、壊れるくら
い叩いた。和巳はまだ、その場には現れなかった。
和巳が合いカギを持って、菊子の部屋の前に来たのは、7分も後のことだった。
「早くカギを」
伊集院はそう言う。
和巳は急いで手に持っている合いカギを渡した。
伊集院はその合いカギを1本ずつ、かぎ穴に差し込んでいった。閉ざされたド
アが開いたのは9本目のカギを回したときだった。伊集院はカギが外れると、ド
アを勢いよく開けた。窓の近くに赤いマントを羽織った人物がいた。
↑
こいつが犯人だとして、先ほど激しくドアをノックされたにも関わらず、
何をぐずぐずしていたのでしょう?
「あの時の……」
伊集院はその人物に向かって言う。
その時、その人物は窓の外へと消えていった。
「ヤローーー」
伊集院はそう言うと、その窓へと走り寄った。伊集院は窓の外を覗いた。そこ
にはもう、その姿が無く、しかも2階である。ここの建物の高さは、一般的なも
のと違い、ここの2階は一般の3階に相当する高さである。
「菊子さんは」
伊集院がそう言うと、和巳は部屋を見渡した。しかし、その部屋には菊子の姿
はなかった。
「絵は何処に?」
伊集院は尋ねる。
「隣の部屋よ」
↑菊子の部屋にあると言っていたのに? 部屋の中がまたいくつかの部屋に
仕切られているんでしょうか?
和巳がそう答えると伊集院は、
「壁紙の色は?」
↑何故、いきなり壁紙の色を言い出すんですか。さっきは壁の描かれた絵を
気にしていたのに
「白よ」
「まさか……」
伊集院はそう言うと隣の部屋へと向かった。
「和巳は来るな!!」
そう言って伊集院は、部屋のドアを開けた。
そこには、白い壁紙が赤く染まっていて、その下には変わり果てた菊子の姿が
あった。絵は、その姿の直ぐ横に、象徴するかのように飾られていた。菊子は息
をしている気配は感じられなかった。
「どうしたの?」
和巳が部屋へ、入ってこようとした。
↑和巳の心理に立ち入っている
「和巳、入るな! 時夫さんやその他の男の人をこの部屋に呼んでくれ」
「わかったわ」
和美はそう言うと部屋を出ていった。伊集院も和美が部屋を出た後、その部屋
↑「和巳」の誤変換
を出て、リビングルームに行った。
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「どうしたんです、伊集院さん」
時夫はそう言って、菊子の部屋に入ってきた。それは、和巳が皆を呼びに言っ
「行った」の誤変換?↑
た10分後のことである。時夫の後に隼人が、そして、幸助と慎治、誠治に幸夫
の順に部屋に入ってきた。その6人は、何でこの部屋に呼ばれたか、わからない
と言う顔をしていた。多分、和巳は6人に何も言わないでここに連れてきたから
である。
↑文頭に「多分」とあるのだから、末尾は「だろう」辺りが適当では
「こんな手紙が、僕の部屋の前にあったんですよ」
伊集院はそういうと6人に手紙を見せた。その手紙を見たものは血の気が無く
なったかのように顔を青くした。手紙を持った手が震え出したり、額に汗をかい
たり、体全身の力が抜けたようになったりと、人それぞれだったが、皆一様に恐
怖を感じているようだった。
「なんなんだね、これは?」
幸夫が伊集院に尋ねた。
「予告状でしょう」
伊集院はそう答えた。
「予告状?」
慎治が聞く。
「気が小さい方は見ないほうがいいですが、となりの寝室を見てください」
↑隣が寝室だとは一言も触れてな
かったはずですけど