AWC 推理小説的読書法「月光」6   永山


        
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★タイトル (AZA     )  96/11/10   4:10  (190)
推理小説的読書法「月光」6   永山
★内容
 染谷はポケットから手袋を出して手にはめ、晋太郎のそばで横
たわっている理恵の死体を触った。
 「こちらの仏さん、晋太郎君はしっているのか?」
 染谷が調べながら晋太郎への質問言う。
 「えぇ、まぁ。”あいつ”の友だちでして」
 「”あいつ”の。それは可哀相に。で、第1発見者は?」
 「”あいつ”本人です」
 晋太郎は染谷にやや暗い声で言った。
 「そうか」
 染谷は手袋をとり立ち上がった。
 「染谷さん。ちょっと気になるものを見つけたんですよ」
 晋太郎はそういうと、昨日見つけたフィルムを渡した。
 「これは?」
 「東道さんの部屋から発見したものです」
 「それと”あの女性”の検死の結果は?」
 染谷は手帳を出していった。
          ↑検死結果について、読者に知らせるべき
 「それともう一つ話しておきたいことがあるんだ」

 理恵の死体を警察がもって帰ったのは、それから30分後のこ
とである。しかし”あいつ”はその場に一行として姿を現さなか
                  ↑「一向に」だと思います
った。場合が場合のだけにと晋太郎は思い、部屋へと引き上げて
        ↑「の」不要
いった。
 晋太郎は部屋の前まで行くと後ろから声をかけてくるものがい
ることに気づいた。晋太郎は振り返るとそこには”あいつ”の姿
があった。晋太郎は”あいつ”を部屋の中にはいるように進める
                          ↑「勧める」では?
と、自分も中には行っていった。
       ↑「入って」の誤変換?
 「一つ”おまえ”にききたいことがあるんだ」
 晋太郎はあまり傷つけないように気をつけながら言った。
 「”あの女性”の死体を発見したときの皆の行動をもう1度教
えてくれないか」
 「まず、理恵が後からきて、剛が倒れていて、あとの2人は私
が行くとその場にいたわ」
 晋太郎は自分の想像が当たっていることを確認しながら次にき
いた。
 「他の皆には、”あの女性”の名前を言っていないか?」
 「うん。まだはっきりとしてないから・・」
  これは運がいいと、晋太郎は思った。そして、
     ↑木戸の名を言ってしまっていても別にかまわないと思います
 「”峰岸裕子”と言う女性をしっているか?」
   ↑重要な手がかりなのに、読者への提示が遅すぎます
 晋太郎は言うと、すぐに”あいつ”は、
 「その子は剛の彼女よ」
 晋太郎は自信に満ちあふれていた。あとはあの写真の結果次第
だった。
 晋太郎は自分の考えを全て”あいつ”に話した。
 「まさか、そんなことって・・・」
 「まだはっきりとはしないんだが、多分・・・」
 ”あいつ”は悲しみを隠せなかった。しかし、すぐに立ち直っ
て、
 「で、どうするの?」
  ↑好きな男が犯人だと知らされたにしては、立ち直りが早すぎるような……
 「まだ、結果が出ないから、もう少し黙っていてくれないか?」
 「いいわ」
 ”あいつ”はそういうと、部屋から出ていった。
 その後ろ姿は、何とも暗く悲しみをにじみ出していた。晋太郎
はこれでも結構気を使ったつもりだったが、これほどにまでショ
ックを受けるとも思わなかった。
 
 晋太郎は父親孝太郎に電話をかけた。
 「もしもし、親父か」
 「晋太郎か、何か」
 「昨日言っておいたことはどうなってる?」
 「ああ、今そっちに向かってもらっているよ」
 「ありがとう。それともう一つ頼みがあるんだけど・・・」
 晋太郎は孝太郎にその頼みを話し、自分の事件についての考え
と、理恵について話した。
 「わかった。明日までにそうしておく」
 「ありがとう」
 晋太郎はそういうと電話を切った。
 そして5分くらいたったとき部屋の電話が鳴った。
 「はい」
 「染谷さんと言う方から、電話ですが」
 「つないでください」
 晋太郎がそういうと女中の声は消え、染谷の声が聞こえてきた。
 「晋太郎君か。例のフィルムのことだけど」
 「何か写っていましたか?」
 「それがある2人とあの女性が写っているんだよ」
     ↑二人とは誰と誰なのか、明かさないと読者にはさっぱり分からな
     い。加えて、染谷は剛のことも知っていたようですが、それはどの
     ようにして知ったのでしょう?
 晋太郎はこれで事件解決だと思い、
 「”あの女性”の死体ですけど何型でした?」
 「O型だが。何か?」
  ↑身元調べの過程が完全に省かれているので、血液型を持ち出されても、
  読者には意味がありません
 「いえ、ちょっと染谷さんに相談したいことが・・・」 
 晋太郎は染谷にも、孝太郎に言ったことを言った。
 「わかった。全て、晋太郎君に任せるよ」
 「ありがとうございます」
 晋太郎は受話器の前でお辞儀をしている。
 「じゃぁ、そういうことで。しっかりやれよ」
 「はい」
 晋太郎はそういわれて受話器を置いた。
 そして、”あいつ”に電話をかけた。 
 「あぁ、”おまえ”か。明日の午前9時に、おまえ等5人を月
   「5人」は変。祥子、剛、美香、稔の四人のはず↑
光塚に集めてくれないか?」
 「どうして?」
 「事件の謎解きをするのさ」
 「謎解き?」
 「そう。この事件の犯人を暴いてやるのさ、明日、あの場所で」
   あとで出て来る証拠写真があるのなら、↑
   明日まで待たず、すぐに逮捕すべき
 ”あいつ”は驚きを隠しながら、晋太郎の言うことに相づちを
       ↑祥子の心理に立ち入っています
打っていた。
 「わかったわ、9時ね」
 「ああ、それじゃぁおやすみ」
 「お休みなさい」  
 晋太郎は電話を切って、明日のための事件整理を始めた。
 そして朝がきた。
 昨日の夜は月も姿を見せてはくれなかった。星の1つや2つは
見えたが・・・。雲の一部が少し明るくなっていただけの寂しい
夜であった。
 今朝も鳥の鳴き声は健在だった。昨日よりもうるさいと晋太郎
は感じている。朝日は晋太郎の部屋を輝かしいほどライトアップ
しいくれている。
↑「してくれて」のタイプミス?
 晋太郎はそんな清々しい雰囲気の中、目を覚ましたのである。
腕時計を見ると7時半をさしていた。晋太郎は布団から出ると顔
を洗って気持ちを引き締めた。
 そして、昨日まとめたメモにもう1度目を通すと、いすに座っ
て自分の中の事件の真相に照らし合わせて、シュミレーションし
                    ↑「シミュレーション」が正しい
てみた。
↑後ほど明らかになる証拠から言えば、こんなことをする必要は全くない
 「物的証拠も事実も全てが揃っているんだ。これで事件は解決
するんだ」と、自分に言い聞かせていた。
 そして少し早めの朝食をとることにした。
 朝食をとって少しの時間が余った。晋太郎は一足早く駅にある
人物を迎えに行った。
 その人物は”木戸真理子”である。 
      ↑ここは””でくくる必要はないと思います
 午前9時、”あいつ”は晋太郎に言われた通り月光塚に他の3
人を連れてきた。月光塚と言っても、祥子が1日目にキャンプを
した高台に集まっていた。
 晋太郎は1、2分遅れてその場に表れたのである。
                ↑「現れた」では?
 「まず、皆さんにここへ集まって貰ったのは、あの山荘で悲劇
的に起こった2つの殺人事件の謎と、皆さんがここで見つけた”
女性の死体”についてお聞きしたいことがあるのです」 
 晋太郎がそういうと、ある1人のものはあたふやとした。それ
                   ↑「あたふた」のタイプミス?
は自分に対して警告をしているようにそのものには聞こえたのか
も知れない。
↑ここでは犯人の心理に立ち入っていないのに、同じこの場面であとになると
立ち入っている
 晋太郎はそれをよそ目にさっきの続きを話した。
 「まず、カメラマン東道さん殺害事件について。これからお話
することにしましょうか」
 晋太郎はそういうと一歩また一歩と歩みながら話の続きをし始
めた。
 「何故、東道さんが殺されたのか?この疑問は真っ先に崩れま
す。それはカメラであるものを写したのです」
 祥子たちはただ黙って晋太郎の話を聞いている。”あいつ”は
この話を1度聞いている。しかし、そんな仕種も表に出さないで
晋太郎の話を聞いている。
 ほかの3人はただ漠然と立っている。手を後ろで組んでいたり、
前で手を擦り合わせたり、腕を組んで話を聞いていた。
 「それはあなたたちが発見した女性と2人の人物が争っている
所が写っていたんだよ。
 そのうちの一人は後から殺された理恵さんこと高藤理恵本人だ
 ↑手がかりの提示が遅すぎます
ったんだよ」
 「それは本当なの、おじさん」
 ”あいつ”は思わずそう言った。他の3人は思わず目を丸くし
   犯人の心理にまで立ち入ったことになる↑
た。目の前にいる刑事と自分たちの同級生の祥子が、親戚であっ
たことに。そして、それに今まで気づかなかったことに。
 「あぁ、本当だよ。引き伸ばしてみたら理恵さんだったよ。そ
こで皆さんに、1つ尋ねたいことがあるのですが、よろしいです
か?」
 祥子達はまわりの顔色をうかがって縦に小さくうなずいた。
 「この写真何ですが、見覚えありのせんか?」
      ↑「なん」とすべき ↑「ありませんか」のタイプミス?
 晋太郎はここで発見した女性の死体の顔写真を見せた。晋太郎
は始めこの女性の死体こそが”木戸真理子”だと思っていた。し
 ↑「初め」では?
かし、その後の解剖などの結果からこの女性の死体は”峰岸裕子”
のものだったのである。
 ”あの時の女性”と、祥子は写真を剛たちに渡しながら言った。
 ”剛の彼女”と答えたのは、他の3人だった。
              ↑「剛以外の者」とした方が分かり易い。まさ
              か、剛自身まで「剛の彼女」と答えるはずはな
              いのだから




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