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★タイトル (AZA ) 96/11/10 4: 7 (187)
推理小説的読書法「月光」5 永山
★内容
晋太郎はそんな中、さっきの出来事で1つだけ気にかかること
があった。それはあの写真のことである。あの写真は何のために
東道が持っていたのか?あの3つの影は何なんだろうか?そんな
ことが頭の中をグルグルと駆け巡っていた。
晋太郎は孝太郎の所に電話をかけた。
「もしもし、お父さんですか?」
「ああ、晋太郎か。また何か,起こったのか?」
↑読点の誤変換?
幸いにも孝太郎は非番だったらしく家にいた。
「ええ、東道と言うカメラマンが今さっき死体になって発見さ
れたんです」
「東道?どこかで聞いたことがあるような気がするが」
「思い出したぞ。東道喜一。俺の大学のときの同級生だ」
晋太郎はまずい事をしたと思った。
「同級生ですか、そうとも知らず・・・」
「いや、いいんだよ。それで、どういう状況なんだ?」
「僕の推測だと、他殺だと思うんです。
ただ、実際の状況からだと、自殺の線がとても濃いような気がし
↑改行位置が変 ↑どういう根拠で、自殺の線が濃いのですか
ます」
「そうか、まぁ後々わかっていくことだから、あまり詳しくな
くてもいいんだが」
「じゃぁ、詳しいことがわかったらまた、電話するから」
「ああ、わかった」
晋太郎はそういわれると電話を切った。何となくだが、いつも
の親父ではない口調だった。
そして、”あいつ”をこの部屋に呼んだ。
「コンコン」
ドアがノックされた。晋太郎は自らドアを開けて、”あいつ”
を部屋の中に入れた。
「一昨日のことなんだが、もう1度詳しく説明してほしんだが
・・・」
”あいつ”は眠い目をこすりながら首を立てに振った。
「まず、死体を発見したときのことを」
「私と剛が、パットの後を追って草むらに入っていくと、足元
に何か、硬いものがあって、光を当ててみたらその”木戸”さん
て言う人だったの」
「それからどうしたんだ?」
「それから、剛がその場に残って、私が皆を連れに行ったの」
「そのあとは?」
「たき火の場所まで戻ると、稔と美香が起きていたの。で、少
し経ってから残りの1人がその場に戻ってきて剛のいる場所へ行
ったわ」
「”木戸”の死体がある場所まで戻ると?」
「剛がその場に倒れていて、側にあったはずの”木戸”さんの
死体が無くなっていたの。
地面には、何かを引きずった跡がついていて、死体は崖下に落
ちたんだと思ったわ」
「そうか、わかった。朝早くにすまんなぁ」
「いいえ。また何か会ったら、いつでもどうぞ。
↑「あったら」の誤変換?
でも何かあったの、今日朝早くにサイレンの音がしたけど」
「ああ。この山荘に泊まっていた東道という人が死んでいたん
だ」
”あいつ”はそう聞くと静かに部屋を出た。何かを考えている
↑ここに至って、まだ”あいつ”と表現する必然性が感じられません
雰囲気だった。
晋太郎も”あいつ”が部屋を出た後、東道の部屋を調べるため
東道殺し担当の刑事でもないのに↑こんなことをするのはやりすぎ
に席を立った。
晋太郎はロビーに立ち寄ると、訳を話してスペアキーを借りて
きた。東道の部屋はちょうど晋太郎の部屋の真上にあたる。
東道の部屋には1度ロビーに出て、それからでないと上がれな
いようになっている。2階のどの部屋に行くにも、同じ経路をわ
たらなければならない。
晋太郎は東道の部屋の前まできた。そして、一息入れてからス
ペアキーを入れカギを外し、ドアのノブに手をかけた。静かにノ
ブを廻しドアを開けた。
中は荒らされてはおらず、綺麗に片づけられていた。晋太郎は
中には入りドアを閉めた。
↑誤変換?
晋太郎はまず、カメラを探した。しかし、肝心のカメラはどこ
にもなかった。晋太郎は東道のカバンを開けて、ネガを探した。
ネガはカバンの奥底に眠っていた。晋太郎はそれを太陽の光に
照らしながら覗いた。そこには、山々や森、この山荘などの風景
が写されていた。
晋太郎はそのネガをあったようにしまい、今度は写真を探した。
写真として現像されていたものには、さっき見た影は映ってい
なかった。晋太郎はそろそろ東道の部屋を出ようとしてドアに歩
み寄ったとき、1つの入れ物を発見した。
それは取り立てのフィルムだった。晋太郎はそれをポケットの
中にしまいこんで部屋を後にした。
↑違法。あとで、証拠能力がなくなりかねません
晋太郎が部屋を出ていった後、東道の部屋の押し入れがそっと
開いた。中からは1人の人物が出てきた。そして、畳を「ドン」
と殴りつけて窓から外へと出ていった。
↑晋太郎から「侵入者」へ、突如として視点が移っている
祥子はその時、晋太郎から聞いたことを考えていた。カメラマ
ンの東道が何かをとったために殺された。祥子の脳裏にはそんな
原因が考えられた。
しかし、何をとったのだろうか。祥子にはわからなかった。し
かし、木戸と東道には何かつながりがあるのかもしれないと思っ
た。
祥子は頭の中を空っぽにするために温泉に入ることにし、その
支度をし始めた。
「プルルルル、プルルルル」
↑電話の呼び出し音を括弧でくくることはないと思いますが……
晋太郎の電話が鳴り響いた。
「もしもし」
「ああ、晋太郎か」
「親父、何かあったのか」
「”木戸”の周辺を捜査していると妙なことがわかったんだよ」
晋太郎は孝太郎からその話を聞いた。そして電話をきって部屋
↑話の内容を明かさないのは読者に対してアンフェア
に入った。
そして晋太郎は”あいつ”たちの部屋へと向かった。
祥子は準備が整うと、部屋を出て温泉に向かった。
女性用に温泉は、晋太郎が入った温泉の向かい側にある。大き
↑「女性用の」のタイプミス?
さなどは全て同じで、何1つ変わりが無い。
祥子が温泉につくと、何かいやな匂いが漂ってきた。それは前
にも1度嗅いだことのあるいやな匂いだった。
祥子は温泉内をそっと覗いた。
そこには水全体が真っ赤に染まっていて、水の中心には見るも
無残な理恵の姿が浮かんでいた。
真っ赤に染まった水の中心に浮かぶ理恵は服を着ていた。昨日
着ていた服の姿のままで。
理恵の周りの血の色は、他の場所に比べると濃かった。
祥子はすぐにその場をはなれ、山荘内の晋太郎の所へと向かっ
た。
「おじさん。ねぇ、おじさん」
”あいつ”は「どんどん」とドアをたたく。
そして、ドアがゆっくりと開いた。
「どうしたんだ。こんなに早く」
「りっ、理恵が死んでるの」
「ほっ、本当か」
↑台詞を追う限り、この時点で晋太郎は理恵の名前を聞かされていないはず
「うん。温泉の仲に浮かんでいて、水が赤く染まっていたの」
↑「中」の誤変換?
晋太郎はそれをきくと、祥子をおいて現場に向かった。
”あいつ”は自分たちの部屋に戻り他の皆を呼んでから殺人現
場に向かった。額には小さなしずくが何粒も付いていた。それは
暑いのではなく、冷や汗である。
晋太郎は浴衣姿のままで走っていた。浴衣の裾は大分はだけて
いて、何か生き物のような動きをしていた。”あいつ”は普段着
ているようなラフな格好で晋太郎の後を追っていく。まるで、パ
チンコ玉が次から次へと押し出されている情景の一部のようであ
る。
外は徐々に陽が高い位置に昇っていく最中で、眩しい7色の光
線が2人の目を晦ましていた。昨日までの風も今はなくなってい
る。そして、鳥達のさえずりが朝をかもち出している。
↑「かもし出して」では?
”あいつ”以外の3人は、まだ起きたばかりで直ぐには来なか
った。
現場となった温泉に着いたのは、”あいつ”が発見してから5
分後だった。
水はさっきよりも明度を増し、逆に黒々となっていた。そこに
↑黒々となったのに明度を増すとは、どういう状況ですか?
陽が当たり、鮮やかな赤い血の水の表面が銀色に輝いている。血
の匂いはあまりせず、ただ目の前に見える理恵の死体だけが、吐
き気を作り出す原因となっていた。
「”おまえ”。ちょっと手伝え」
↑知り合いとは言え、一般市民、しかも若い女性にこんなこ
とをさせるのは不自然。山荘の男の従業員に頼む方がまだ納
得できます
晋太郎は”あいつ”にそういうと、浴衣の裾を上げ、水の中に
入っていった。”あいつ”もその動作を見ると、ズボンの裾を折
り曲げて入った。
「足をもって、外にだすんだ」
「わかったわ」
晋太郎は理恵の脇に手をかけて持ち上げ、もう一方を”あいつ”
が持ち、外へと運んだ。
死体となった理恵は、温泉につかっていたせいもあってかまだ、
生暖かかった。
「”おまえ”。警察を」
そういわれて”あいつ”はロビーへと走った。
晋太郎は理恵の体を観察していた。死因は多分、出血多量であ
ろう。刺し傷が背中に2カ所ある。服は昨日のものだろうか、白
地なので血の鮮明さがよくわる。
↑「わかる」のタイプミス?
お湯につかっていたせいで死亡推定時刻に誤差が少し出るであ
↑お湯につかっていたことを計算に入れて死亡推定時刻を出すから、さほど
誤差は出ないはずです
ろう。晋太郎は理恵の手に何かがあるのを見つけた。それをハン
↑「何か」について早く読者に提示すべき
カチでとってしまった。
↑違法捜査
警察が着いたのはそれから10分後のことであった。
「やぁ、染谷さん。また、こんな所で」
晋太郎は立ち上がって染谷に言う。
「まぁ、職業柄、こんな所で会うのが多いからねぇ」