AWC 推理小説的読書法「月光」3   永山


        
#4802/7701 連載
★タイトル (AZA     )  96/11/10   4: 2  (189)
推理小説的読書法「月光」3   永山
★内容
 部下は自分の手帳に書いてきたことを、ただ棒読みしていた。
なにせ、目の前にいるのは、新人狩りの晋太郎だからだ。ただ、
    ↑この一文、部下の心理に立ち入っています
新人狩りをしているのではなく、訓練として行っているのである。
 新人狩りとは「いらないものは捨てる、いるものだけを採用す
る。努力無いものは必要ない」という考えをもとに、捜査一課に
配属されてきた新人を1人前に仕立て上げる影の努力者に与えら
れた称号らしきものである。
 「月光山か、で、そこには何があるんだ」
 「ええ、(赤月光荘)という山荘がありまして、木戸真理子さ
んはよく、その山荘を利用していたということです」
 「赤月光荘」 どこかで聞いたことがあるように思えたが、ど
こで聞いたか思い出せなかった。晋太郎はどこで聞いたかを思い
出そうとしていた。何か、重要なことのように思えたからである。
 ↑この辺りは晋太郎の心理に立ち入っています。視点が乱れています
 そして、
 「プルルルル、プルルルル」
 捜査一課の電話が鳴った。部下の一人が受話器を取った。
 「はい、捜査一課。手塚警部ですか?はい、いますが、少々お
待ち下さい」 
 部下は電話を保留にして、
 「警部。所長から電話です」
     ↑「署長」では?(以下同)
 晋太郎にそう言った。
 晋太郎はまたかと思って受話器を取る。
 「はい。手塚ですが。はい、わかりました。では、後ほど」
 晋太郎はそういうと受話器を置いた。机の上に広げていた、今
回の事件の書類を片づけた。それをカバンに入れると、晋太郎は
足早に部屋を出て所長室を目指した。
 
 「コンコン」 
  ↑ノックの音まで括弧でくくらなくていいと思うんですが……(以下同)
 晋太郎は所長室のドアをノックする。
 「どうぞ」
 中から聞きなれた声が返ってきた。
 「失礼します」
 晋太郎は所長室の中へとは言っていった。
            ↑「入って」の誤変換?
 「まぁ、そんなにかしこまるな、晋太郎。今は誰も入ってこな
いから」
 所長はそう言った。晋太郎と所長は親子なのである。
 「そうだけどな、親父。これも一応形式だろ。守らないでいい
のかよ」
 「形式か。昔はそんな堅苦しいもの、あまりなかったからな」
 「で、話の内容は」
 「おまえはこの事件の担当だろ、ちょっと現地に行って、捜査
をしてきてくれないか」
 所長の手塚孝太郎が、タバコをふかしながら言った。
 「いいけど、また何で急に・・・」
 「それは、”あいつ”があそこに行っているんだよ。今日から」
      ↑祥子が行方不明事件の現場近くに行っているからと言って、ど
      うして晋太郎が現地に行かなければならないのでしょうか。そん
      な理由を持ち出すより先に、捜査を担当する者として当然行かな
      ければならないと思うのですが
 晋太郎は今まで引っかかっていたものが取れた。そういえば、
確かに”あいつ”が言っていた。頭は良いくせにこういうときに
限って何回も念を押すように言うのだ。
 「今すぐ行けって言うだろ?」
 「我が息子、わかっているなぁ」
 「親父が言うことくらいはな。それで、捜査報告は、どうすれ
ばいいんだ」
 「そうだな、実家に電話でかけてこい。それと、あっちで”あ
いつ”に会ったら、やたらに声をかけるなよ。事件にかかわって
でも見ろ、余計大変になるからな」
 「わかってる。そんなのは」
 晋太郎ずく警視庁を出て、車で山梨を目指した。        
    ↑「はすぐ」のタイプミス?
    
 晋太郎が山梨県についたのは、夜中の4時だった。「月光山」
まではまだ少し距離があるようである。
 「向こうで、あいつに会わなければいいんだが・・・」
 晋太郎はそう思いながらハンドルを握っていた。”あいつ”
がいるとややこしくなる。でも、”あいつ”のずば抜けた能力は、
    ↑最後まで読んだ限りでは、ややこしくなったとは思えません
晋太郎も認めていた。
 東京を出てから何時間経ったかわからなかったが、ようやく目
的地の「赤月光」が見えてきた。まだ、建物の姿ではなく、建物
の照明だけだった。
 「赤月光」の玄関先に着いたのは6時だった。晋太郎は腕時計
を見てから車を降りた。
 「いらっしゃいませ」
 奥から女中が声をかけてきた。まだ朝早いというのに、せっせ
と働いていた。刑事が忙しい忙しいと言っていても、ここの女中
を見ると何も言えなくなるなと、晋太郎は思えた。
 晋太郎は今日からここに泊まるための手続きをして、女中の後
について歩いていった。 
 はっきりと言って、山荘と言うよりもホテルに近かい造りだっ
                      ↑「近い」の誤変換?
た。
 「あのー、一つ聞きたいことがあるのですが・・・」
 女中の後ろから晋太郎が言った。
 「何ですか?」
 晋太郎は胸ポケットから1枚の写真を取り出した。
 「この女性なのですが、ここに来ていませんか?」 
 女中はその写真をじっくりと見て言った。
 「ええ、この人なら今ここに泊まっていますよ。だけど、昨日
から返ってこないんですよ。
  ↑「帰って」とすべき
 いつもなら、どこに行くからって言うのに、今回は何も言わな
かったんですよ。おかしくありません?」
 「そうですか・・・。それと、月光山ってどこの辺りにあるの
ですか?」
↑どうして泊まっている女性の名前を確かめないのでしょう?
 「月光山なら、ここから10分もしませんよ。あそこは秋にな
ると、いつもより景色が綺麗になるんですよ。」
                    ↑ミス? 句点不要
 「そうですか」
 晋太郎がそう話しているといつの間にか部屋の前に来ていた。
 「ここです。結構な眺めですよ、この部屋」
 女中はそういって部屋のドアを開けた。女中と晋太郎はそこで、
少し立ち話をしていた。そして、来た道を返っていった。
                   ↑「帰って」
 晋太郎は荷物を置くと「月光山」へ向かうことにした。
 晋太郎が「月光山」についたのは8時を少し過ぎていた。荷物
の整理やその他色々な事をしていたせいで、こんな時間になって
しまったのである。
 車を降り、辺りの情景を頭の中に入れた。「月光塚」という看
板を見つけた。そして晋太郎は、思うがまま歩いていた。
 晋太郎は「月光塚」の辺りをグルグルと歩き回った。そして、
        次の文と「そして」が連続しています↑
ふと下を見た瞬間、地面に血痕がついていることに気がついた。
そして、何かを引きずったあとのような跡もついていた。
            ↑「あと」と↑「跡」が重複しています
 晋太郎はその跡をたどって歩いていった。すると、その先は崖
になっていた。晋太郎は上から下を覗いた。森になっているらし
く、仮に死体が捨てられていたとしても、まだ、あの森の中にあ
る可能性もあると、晋太郎は考え、車で下に広がる森に移動した。
↑「ある」↑が重複
 その森は想像以上に茂っていた。到底一人で捜すのは無理だと
わかっていた。しかし晋太郎は丹念にゆっくりと捜し始めた。
 時間だけが刻一刻と過ぎていく。今まで朝日だった太陽が、今
際すっかり夕日に変わっていた。晋太郎は汗だくになりながらも、
 ↑朝の八時過ぎから夕方まで、飲まず食わずで捜索したのですか?
”木戸真理子”かもしれない死体を捜していた。
 陽が水平線に沈もうとしているときに、晋太郎は死体を発見し
   ↑地平線では? 大きな湖でもあったのでしょうか
た。写真から判断して、”木戸真理子”に間違いないと晋太郎は
判断した。
 晋太郎はその死体を背負って森を出て、もっていた携帯電話で
          ↑遺体を勝手に動かしてはだめ。刑事がこんな基本を知
          らないはずがない
山梨県警に電話した。県警がこの現場に着いたのは、それから1
5分ほど後のことである。晋太郎は事細かに死体発見の状況を説
明したうえで、
 「警視庁には、貴方が発見したと言ってください」
 と、頼み込んだ。
 「ええ、いいですが」
 そういうと晋太郎は名刺を出して、 
 「何かあったら、ここに書いてある携帯に電話を下さい。万が
一つながらなかったら「赤月光」に電話を下さい」
          ↑括弧内の括弧は『』を使うのが一般的です(以下同)
 「わかりました」
 晋太郎は死体を県警に引き渡すと、車に乗り込んで「赤月光」
へと戻っていった。
 晋太郎は「赤月光」に着き次第、孝太郎の元へ電話をかけた。
 「もしもし、親父か。たった今、”木戸真理子”の死体を発見
したよ。状況から見て、死んで間もないと見ているんだけど」
 「そうか。わかった。おまえは少しばかり、そっちでの”木戸”
の動きを調べてくれ」
 「わかった」
 そういって晋太郎は電話を切った。
 廊下から聞きなれた声が聞こえてきた。
 「まさか、女中が言っていた団体って、”あいつ”のことだっ
たのか・・・」
 晋太郎は恐る恐るドアを開けたようとした。
 晋太郎はドアを少し開けた。そこから外を覗いた。そこからは、
聞こえてくる声の主はわからなかったし、姿すら見えなかった。
 女中たちが、夕食の準備のため、山荘内を忙しそうに行き来す
る。晋太郎の目にはそんな風景が、警視庁内の言葉のやり取りに、
どことなく似ていると思った。
 そして、晋太郎は部屋を出て、ゆっくりと温泉にでもつかろう
と、廊下を歩き始めた。心の中では、「”あいつ”と会いません
ように」と、神にも祈るような気持ちになっていた。
 部屋を出て数分後の出来事である。案の定、”あいつ”と、出
会ってしまったのだ。晋太郎は孝太郎との約束で、他人の振りを
して声をかけなかった。”あいつ”も、声をかけてこなかった。
 晋太郎はやっとの思いで、ふろ場の入り口についた。そして、
ドアを開けると、まだ先に道が伸びていた。そこは、この山荘の
              ↑「延びて」だと思います
ちょうど真後ろに当たる場所である。邪魔するもののない、見晴
らしのよい場所だった。
 晋太郎が温泉につくと先客がいた。晋太郎は静かに服を脱ぎ、
音を立てずにお湯につかった。
 「こんばんは。初めまして」
 先客が振り向いて言った。
 「こんばんは。とてもいい眺めですね」
 晋太郎はぎこちなさそうに言った。
     ↑この場面は晋太郎の視点で描いているのだから、「ぎこちなく」
     とすべき




前のメッセージ 次のメッセージ 
「連載」一覧 永山の作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE