AWC 雑談日記(5)  みのうら


        
#4235/7701 連載
★タイトル (ARJ     )  95/ 5/29  19:44  ( 72)
雑談日記(5)  みのうら
★内容

 今回のテーマは「研究所を逃げ出そう」。

 研究所逃げだしものといえばまず仮面ライダー。子供の頃はおっかなくって見ら
れなかったが、高校生の時に仮面ライダーBLACKが放映された。その1、2話のか
っこよかったこと。バトルホッパーの再生シーンとか、ライダー誕生とかもうげろ
げろで、その1年前頃、東映の大泉撮影所に通い詰めていた私は、撮影見に行きた
い気持ちを抑えるのに苦労したものである。主役の倉田てつをがあんなに大根じゃ
なかったら、きっと見に行っただろう。仮面ライダーガムラムネは、子供から奪い
取って買い込んだ。でも出るのは芋虫怪人やノミ怪人様だった。南光太郎は出なか
ったな。
 同時期やっていたスケバン刑事路線の番組「少女コマンドーいずみ」も前半はか
っこよかった。後半は残念ながらつまらんかった。「マインドコントロール。戦う
意志が、お前を変える」という台詞が今ではちょっと危ない。無表情でバズーカぶ
っぱなす様は、おお、これぞ研究所脱出少女!って感じですばらしかった。
 少し戻って「ジャッカー電撃隊」。正義のヒーローに勧誘された男が改造手術を
断り、家に帰る途中に事故。結局改造されてしまう。これは研究所の陰謀以外の何
者でもあるまいが、残念ながらかれは研究所に取り込まれ、ジャッカーのリーダー
になってしまう。

 漫画ではまず「バオー来訪者」。最高に面白い研究所脱出ものである。この作品
に学ぶ所は非常に多い。スリルとサスペンスと悲哀。この絶妙なバランスよ。この
3つがなければ研究所脱出ものは成り立たない。
 現在連載中の「ジョジョの奇妙な冒険」を読むと、本当に2巻で終わってくれて
良かったと思う。頼むから再開しないでくれえ。
 未完の帝王神崎将臣「ヘルダイバー・ゼノン」。少年ビックコミック終了と同時
に終わらせられた漫画の一つ。エリア88もこの時終わった。東京探偵団はこの後。
まったく小学館って会社は……。ヒロインの園子がめちゃめちゃ嫌いだった。が、
敵を倒すごとに刻まれる終幕への予感。この描き方が絶妙であった。
 終わったのか?な「赤い牙−狼少女ラン」シリーズ。ヒロインを作り出した博士
が赤ん坊の彼女を抱いて逃亡。飛行機が落ちて赤ん坊は狼に育てられるという二段
構えな設定。「ブルーソネット」は途中で読むの止めたが、この手のものに珍しく
追いかける側の悲哀を上手く描いている。最高級サイボーグのソネットがテニスを
やっててぶっこわれるなど、リアルなエピソードが良かった。
 サイボーグったら「サイボーグ009」。やはり石森なのか?キカイダーもノリ
は一緒だし。カラーアニメの「戦士の休息編」は泣けた。やっぱ004がいいよな
ー。「宇宙樹編」は改めてみるといまいちである。
 研究所脱出テーマの基本である。悪の組織に改造されたヒーローは強い。

 研究所を逃げ出す。私にとって、物語を志したときからべたりとくっついて離れ
ないテーマだ。何度も書いては、没にしている。その中から生まれた心得である。

研究所脱出の心得>

・主人公は研究所を脱出する。
・主人公は改造されている。もしくは組織によって作り出された超人間だ。
・とりあえずコップを握りつぶして非人間の悲哀をアピールする。
・主人公の改造には一部欠陥がある。それは諸刃の剣だ。
・なのに追手の雑魚キャラより強い。
・主人公の全てを知り尽くしているはずの研究所が追手に雑魚を出す。
・たまに主人公と過去に確執のある奴も追ってくる。
・主人公に理解ある仲間が出来るが、死ぬ。
・研究所には、明確な個人の敵がいる。悪人だ。
・主人公の生命に限界がある場合がある。何故か元祖石森にはない。
 バオー、ゼノン、ランには何らかのタイムリミットがもうけられている。
・ラストで主人公の生死が不明だったりする。
・最後に悪の組織が壊滅するわけではない。

 最後のは、このテーマを扱う作品がなぜか、中途で打ち切られる、路線変更される、
ま
たは作者の都合で中途半端に終わる場合が多いためである。

 長編だと見てる側のカタルシスもあるし、最終回に向かって仲間は死ぬわ、自分
ちは爆破されるわと盛り上がったあげく敵の首領を倒しておしまいとなるわけだが
、打ち切りものには独特の悲哀がある。所詮無駄なあがき。一つ研究所を破壊した
だけで、組織の大勢に影響なし。一人の改造人間で、巨大な悪の組織が壊滅するわ
けがないのだ。
 このあたりのバランス関係で傑作にも駄作にもなる。
 幸い傑作が多いのと、描かれ得なかった最終回への憧憬で読者は気も狂わんばか
りになるのだが、再開は難しい。
 最近書かれてないし。あああ、研究所脱出ものが読みたいなあ。
 つうことで、今年の夏こそ研究所脱出ものを書くのだ。




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