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★タイトル (RWT ) 95/ 4/ 1 2:23 ( 24)
常陸の丘から (1)桜と梅 まるふう
★内容
2月の半ば頃だったろうか、上野の公園のなかを歩いていたら、寒桜が早々
と咲いていた。
茨城に引っ越してから、大学病院の研究室に通うのに、どうも公園口から弁天
島までお山を突っ切っていくのが一番早いルートらしく、夕方、まだ暮れ始める
前に逆方向に歩いていたら、気がついたのである。文字どおり、今年一番の桜で
ある。その後、気がついてみると、ところどころでぽつりぽつりと咲いている。
若葉と花が一緒で、これは山桜の系統のせいだろうか。
今日もその下を歩いてきたが、見つけてから雨も雪も風の日もあったはずなの
に桜には珍しくしぶとく咲いていた。まるで梅のようである。
茨城は偕楽園の名声ゆえか、県花は梅らしい。わたしも年明けてすぐ咲く梅が
好きで、結婚用にと母が作ってくれた紋付には父方の、丸に梅鉢の紋を入れても
らったくらいである。家の周りは、公団の開発したところ以外はまだ農家が残っ
ていて、栗林や畑の中にところどころ梅が2、3本植えてあるが、白梅も紅梅も
満開である。去年、家人と偕楽園に行ったけれど、あれは
丁度今ごろ、彼岸の頃だったのでないだろうか。あの時は震えながら梅を見たが、
まだほとんど咲いていなかった。去年はその前、2月の24日頃か、あの大雪だっ
たから、やはりとりわけ寒かったのだろう。この辺りも朝はすねまで積もってい
たが、東京から帰ってきた時にはほとんど雪は残ってなかったよと、その大雪で
風邪を引いた家人が言っていた。
今年、東京ではもう3回も雪が降ったが、茨城はせいぜいみぞれで、たいがい
が雨だった。
まるふう