AWC 吉外信報29               大舞 仁


        
#4008/7701 連載
★タイトル (XVB     )  95/ 2/ 4   1:21  ( 46)
吉外信報29               大舞 仁
★内容

  天災(地震も含まれる)が発生すると被災者、非被災者を問わず、その不安感と
情報不足からデマが飛び回りますね。
 かつての関東大震災(阪神大震災ではない)で、井戸に毒を投げ込んだとか噂が
流れて、朝鮮人が大量虐殺されてしまったことが、情報不足から大衆が流す口コミ
デマと差別心(差別の持つ優越感と劣等感はある意味で裏返し)の恐ろしさなんで
す。
 人間は、足場があるうちは、劣等なものを裏では馬鹿にしても、そのまま放って
おくことができますが、足場がなくなったときには、その劣等なものを攻撃するこ
とがあると思います。

 いじめっ子といじめられっ子の間でもそういったものがあらわれます。いじめら
れっ子の場合は大抵一人で、いじめる方は四,五人であると思われます。一人対大
勢、いじめられっ子の力が強くても、徒党を組んだいじめっ子の方が強くなってし
まうのは当り前の論理ですよね。では、もしこの徒党が何らかの理由で崩れ去り、
一つの世界にいじめっ子といじめられっ子だけが暮すようになるとどうなるでしょ
う。その場合は今までいじめていた方が、悪いことをしていたのをわかっているだ
けに、報復の恐れをいだくようになります。恐れを抱いた、いじめっ子がすること
は何か?
           「やられる」前に「やれ」です

 あの関東大震災にでもいじめっ子といじめられっ子の論理が当てはまります。当
時、朝鮮人は非人道的に奴隷のように扱われていました。そこへ、地震が来て、日
常的な足場が崩れる。被災者はいろいろな困難な不安が走る。さまざまなデマが飛
ぶ。井戸の中に朝鮮人が毒を投げ込んだというデマが走る。
 ここからが大事です。日本人と朝鮮人が平等に暮らしていたのならそんな馬鹿な
ことって簡単にのってこなかったでしょうね。ところが奴隷扱いにしていたのがわ
かっていたからこそ、あいつら朝鮮人はこの騒動に乗じて、日本人に復讐、つまり
毒を投げ込むんだと受け入れてしまったのです(このところ説明が難しい)。
 どこかの井戸に朝鮮人が毒を投げ込んだらしいぞ、もしかしたらうちの裏の井戸
にも毒を投げ込むかもしれない。毒を投げ込むのなら、隣でいつも奴隷扱いして馬
鹿にしている朝鮮人夫婦がおれのところに毒を凪げるかもしれないな。毒を投げ込
まれる前に始末しよう。なあに、どうせ奴隷だ。一人や二人いなくなってもかまわ
ないだろうってことになります。
 ところで、さらに一歩深く考えてみると、水は日本人、朝鮮人関係なく人間なら
ば(アンドロイドなら別だが)必要です。自分たちの飲み水がなくなることがわか
っていて、自分で自分の首を絞めるような物好きがいると思います?

 次に、今回の阪神大震災(ところで、いつからあの泥臭い名前の兵庫県南部地震
から阪神大震災になったのでしょう。誰か知っている人おります?)で、デマが飛
んでいましたよね。外国人が火事場泥棒をしたとか、これも一種の脅えから来たも
のだとは思いませんか?

     こうやって考えてみれば、地震より人間の方が恐ろしいですね。

                                 大舞 仁




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