AWC 掲示板(BBS)最高傑作集86


        
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★タイトル (KCF     )  94/ 7/23   8:30  (196)
掲示板(BBS)最高傑作集86
★内容

(「掲示板(BBS)最高傑作集85」からの続き)

 司会者と解説者は、将棋の解説と共に、以下のような解説も行います。
「さて、山下名人がトイレに入ってから既に3分が経過いたしました。解説の岡
田さん。まだ、出したことを示す音は聞こえてきませんね」
「そうですねえ。おかしいですね、もう3分もたっているのですから」
「山下名人が席を立った直後に対戦者の佐々木九段が駒を動かしたので、今は山
下名人の番です。早く会場に戻ってささないと名人の持ち時間がどんどん減って
しまいます」
「山下名人は便秘なんじゃないですか」
「そうですかね」
「そうとしか考えられません」

   ”シュー”

「おっと、岡田さん。いま、『シュー』という音がしましたね。とうとう排便が
開始されたのですね」
「いいえ、違います。あの音は固体ではなく、ガスが放出された音です。ですか
ら、まだ、始まったわけではありません」
「山下名人は、やる気がないのでしょうか」
「いや、ガスが発射されたということは、出そうとする意志が示されたのです。
ですから、少なくとも『やる気』はあるのではないでしょうか」
「おや、山下名人のの対戦相手である佐々木九段もトイレにやってきましたね。
佐々木九段ももよおしてきたのでしょうか」
「そうですね。佐々木九段は5時間ほど前にトイレに行った後、一度も将棋盤か
ら離れませんでしたからね。その間、冷たい飲物をかなりとっていらっしゃって
いましたからね」
「あれ、佐々木九段の額から汗が出ていますね。ここはそれほど暑くないのに変
ですね」
「いや、佐々木九段は暑くて汗をかいているんじゃないですね。あれは、冷汗で
す」
「それは変ですよ。今さしている将棋では佐々木九段は、山下名人に対して、か
なり優勢なわけですから、冷汗なんてかくわけがないはずですよ」
「佐々木九段を見たまえ」
「あれ! 体をよじってますね。大極拳でもやっているのでしょうか」
「いや、違う。佐々木九段はカンフーはできるが、大極拳はできない。佐々木九
段は、トイレを我慢しているのだ。体をよじっているのは、生理現象を必死に堪
えているのだ!」
「そうですかね。私には大極拳をしているとしか見えませんけど」
「佐々木九段の股間を見たまえ!」
「あれ! 液体が染み出てる! そうか! 岡田さんの言うとおり、山下九段は
排尿を堪えていたんだな」
「ちょっと待ちたまえ。そう考えるのはちょっと早計じゃないのか。山下九段の
股間から染み出した液体は本当に『小』なのだろうか?」
「山下九段のはいている海パンの色が紺なので、わかりづらいのですが、そうい
えば、尿にしては色が濃すぎますね」
「あの液体は『小』ではなく『大』のものだ!」
「つまり、液体状の『大』ということですか?」
「そうだ。山下九段は下痢をしているのだ」
「ははーん。だから、山下九段は冷汗をかいていたのか」
 とまあ、司会者と解説者のこのような解説を聞くことができます。

  それでは次の項目に進みます。

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原因4:「覇気」だとか「闘争心」といったものが感じられない
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  プロの棋士というのは、まったくの無表情で将棋を最後までさし続けます。喜
怒哀楽といったものを完全に抑え続けます。
 中には、「この人は死んでいるのでは?」と思ってしまうほど無表情な棋士も
います。指でつっ突いてみて、初めて生きていることがわかるのです。
 また、これとは逆に、将棋盤に身を乗り出しながら必死に考え込んでいると思
ったら、実は死んでたというケースもけっこうあるみたいです。そういうときは、
自分の持ち時間が切れても駒を動かさないので、周りのみんながおかしいなと思
って首筋に手を当て、やっと死んでいるのが確認されるそうです。
  とまあ、これほどまでに棋士達は無表情なのです。どうして、彼らはこれほど
までにポーカーフェースでいられるのでしょうか。我々には信じられないことで
す。
 普通の人でしたら、勝負を決する素晴らしい一手をさしたとき、あるいは実際
に相手を負かした瞬間など、思わず将棋盤の上に立ちあがり、右手の拳を天井に
向かって突き出すという豪快なガッツポーズをしてしまうのではないでしょうか。
また、接戦をものにすることができずに惜しくも負けてしまった場合、「くそ!」
だとか「畜生!」といった罵り言葉を発し、将棋盤を両手で叩いて悔しがること
でしょう。
 ところが、将棋番組で見るプロ棋士は、勝敗が決した後ですら、勝者、敗者を
問わず、平然としています。ですから、将棋番組の終了間際だけを見ただけでは、
どっちが勝ってどっちが負けたなどということはまったくわかりません。対局を
終えた棋士は二人とも、まるで何もなかったような素振りをしているのですから。
 これでは、見ているほうもまったく面白くありません。ですから、将棋番組の
視聴率は下がる一方なのです。
 将棋の人気下落に歯止めをかけるためには、棋士達はもっと感情をあらわにす
べきでしょう。でないと、誰からも相手にされなくなる可能性があります。
 たとえば、棋士は一手さすごとに、卓球の選手のようなオーバーなガッツポー
ズをするのはどうでしょう。もちろん、テレビカメラに向かって豪快にやるので
す。
 言うまでもないことですが、ガッツポーズをするのは、いい手をさしたときだ
けです。やる手に困って端(はし)歩を突いたときには拳を突き出す必要はあり
ません。また、「王手飛車取り」を食らい、しかたなく王を動かして逃げたとき
にガッツポーズをしてはいけません。当り前ですが、詰まれた(負けた)瞬間も
同じです。こんなときにガッツポーズをすると本当の馬鹿だと思われてしまいま
す。
 その代わり、素晴らしい手をさしたときには、バレーボールの選手のように、
喜び勇んで室内を駆け回るべきです。あの「サーブ権を取ったくらいで、何がそ
んなに嬉しいんだろう?」という疑問が湧いてくるほどの喜びのパフォーマンス
を行うのです。
 嬉しいときに飛び上がって喜ぶなんてことをするのは、今では子供とバレーボ
ールの選手だけです。一流大学の入試発表掲示板の前で飛び上がって喜んでいる
高校生(あるいは浪人生)を見たことありますが、その人はみんなから馬鹿にさ
れ、すぐにやめていました。
  子供だって、3回もジャンプすれば飽きます。でも、バレーボールの選手は試
合中、何ども、飛び上がって喜び、コート内を駆けずり回っているのです。
  それで、最後に必ず試合に勝てばいいんですが、負けるときもあるのです。負
けたときには、「試合中のあの喜び方はいったい何だったんだ」と思ってしまい
ます。バレーボールとはよくわからないスポーツです。
 そんなことどうでもいいのです。将棋でも、とにかく喜びを体いっぱいで表現
すべきです。
 将棋盤の脇に座っている二人の女性も、ただ単に、棋士のさした手や残り時間
を読み上げているだけでいけません。どちらかの棋士が絶妙の手をさしたときに
は、「ウエーブ(スタジアム内で、観客が端から順々に立ち上がっては座るパフ
ォーマンス。観客席に波(WAVE)が起こっているように見えることからこう言わ
れている)」を行うべきです。二人では、盛り上がらないというのでしたら、対
局中の棋士も加わり、4人で行うといいでしょう。
  それでは最後の将棋の特徴に進みます。

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原因5:反則が少ない
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  サッカーには、「ハンド(手でボールを触ること)」「オフサイド(一番前に
いる味方の選手と相手ゴールラインとの間に、相手の選手がひとりしかいないと
きにボールを前にいる見方にパスすること)」「キッキング(相手の選手を蹴る
こと)」など数え上げたらきりがないほどたくさんの反則があり、試合中、何度
も見ることができます。水球やハンドボールの場合は、もっと頻繁に反則が犯さ
れます。
  水球やハンドボールは日本ではあまり馴染みがないため、よく知らないという
人も多いと思われます。しかし、これらのスポーツの試合では、サッカーなどよ
りもはるかにエキサイトします。もう、皆さんはなぜだかわかりますね。そうで
す。反則が多いからなのです。つまり、反則がビシバシとあったほうが見ていて
面白く、エキサイトできるのです。プロレスなどは最もいい例ではないでしょう
か。
 私は、テレビの将棋番組で棋士が反則を犯したのを見たことがありません。私
の友人は「プロ同士の将棋で二歩(同じ列に歩があるのにもうひとつ歩を置くこ
と=反則)を見たことがある」と言っていましたが本当かどうかわかりません。
かなりの嘘つきですから。
 将棋で二歩をした場合は、すぐに反則負けになります。しかし、少し変じゃあ
りませんか。ちょっとばかし、手が滑り、誤った場所に駒を置いてしまっただけ
で、即刻反則負けになるのですから。
 誰だって厳しすぎるのではないかと思うはずです。こんな過ちは、サッカーで
いえば、キックをミスしてボールがタッチラインから外へ出てしまったようなも
のです。これで反則負けになるんだったら、サッカーの試合はすべて開始1分以
内に終了してしまいます。これでは、面白くもなんともないでしょう。
 サッカーではよほどのことがない限り、反則負けにはなりません。かつて、判
定を不服として選手が審判に殴る蹴るの暴行をはたらいたケースがありましたが、
それでも暴力をふるった人が退場になっただけで、試合は続行され、結局は、退
場者が出たチームが勝ちました。
  以上のことからわかるとおり、将棋のルールをもう少し反則に寛大なものに変
えるべきなのです。そうしないと、ますます人気がなくなってしまいます。
 では、どのようなルール改正を行えばいいでしょうか。反則に関する厳しさは
野球くらいが適当でしょうか。それとも、サッカーくらいにするのがいいでしょ
うか。
 私の考えとしては、将棋の自体がかなり地味なので、反則に対しては最も寛大
なスポーツであるプロレスのレベルに合わせるべきだと思います。
 近年、プロレスブームが沸き起こっております。どうしてプロレスがここまで
人気を得たのかは明白です。反則に寛大だからです。なにしろ、サーベルで相手
を殴っても反則負けにならないのですから。こんなスポーツはプロレス以外に絶
対にありません。野球だって、サーベルをベンチから持ちだして相手を殴ったら
即退場です。サッカーの場合は、そのような悪党にイエローカード(警告)を出
すというわけのわからない審判もいるかも知れませんが、まともな審判ならすぐ
にレッドカード(退場)でしょう。というより、サーベルで相手を殴ったら、日
本サッカー連盟からすぐに除名され、一生サッカーができなくなるはずです。
  それでは、規則改正後の将棋がどのようなものになるのかを予想していきます。
 序盤は、プロレス同様、静かにゲームが進められます。棋士は行儀正しく、ル
ールに従って駒を動かします。
 そして、中盤に入る頃から変化が現れます。これまたプロレス同様、不利なほ
うが反則をして相手を撹乱しにかかるのです。
  まずは、相手の棋士の目に指を突っ込む「目つぶし攻撃」から行います。プロ
レスの場合は、目をやられると大変な痛手ですが、将棋の場合は、その比ではあ
りません。何しろ、将棋盤が見えなくなりますので、この反則を受けてからしば
らくは駒を動かすことができません。持ち時間がまだたっぷりと残っている場合
はいいのですが、少なかった場合は、30秒以内に次の手を指さないと負けてし
まいます。この「目つぶし攻撃」の反則は2回も3回もやると反則負けになって
しまいますので、最後の手段として終盤に残しておくべきでしょう。
 同じような攻撃として、「顔面かきむしり」という技があります。この反則は、
読んで字のごとく、相手の顔面を手の爪で引っ掻きむしることです。この反則技
を生かすには、棋士は爪を伸ばしたほうがいいのです。深爪では効果がないので
すから。
 手の平が馬鹿デカイ棋士の場合は、相手の頭を手で掴んで締めあげる「アイア
ンクロー」が使えます。ただし、これはプロレス同様、将棋においても反則では
ありませんので、何度でも好きなだけ行えます。相手は脳味噌を締め付けられ、
まともに考えることなど到底できないので、いい加減な手をさしてくるはずです。
  さらに効き目がありそうな技としては、「相手の顔面の将棋盤への叩きつけ」
があります。これはかなりの効果があるでしょう。プロレスの場合は、下がマッ
トですので、どんなにおもいっきり叩きつけたとしても、ある程度の衝撃は和ら
げられますが、将棋盤の場合は、厚くて固い木の板ですので、相手に与えるダメ
ージは計り知れません。それに、将棋の上には、角の尖った駒が並べられている
ので、当たりどころが悪かった場合は、大流血、さらには失神という事態にまで
発展しかねません。それでも、相手の棋士がタフな場合は、その程度の攻撃では、
びくともせず、顔面を血だらけにしながらも相変わらず冷静に将棋をさし続ける
可能性があります。こういう場合は、仕方がないので将棋盤の角に相手の額を叩
きつけます。これなら、棋士はおろか、プロレスラーだって病院送り(つまり、
途中棄権=勝利)となるのではないでしょうか。

(「掲示板(BBS)最高傑作集87」に続く)





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