AWC 吉外信報 14−1            大舞 仁


        
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★タイトル (XVB     )  94/ 4/30  18:33  (112)
吉外信報 14−1            大舞 仁
★内容

 これは、未来にて起こるおそるべき出来事であるかもしれない・・・・。

『偉大な記念碑』

開催の挨拶 幹部あほんだらあより

 さてさて、今ではすべての宗教を配下に収め、その名を聞けば生まれたばかりの赤
子でさえ哭き出すという畏れ貴い宗教、便所教の幹部あほんだらあです。
  便所教の始まりは誠にお粗末なものでありました。その名を聞いただけで民衆は眉
を歪め、あたりを見る、鼻をしかめ、空気を吸うといったものでまさしく天下を揺る
がす悪き邪教そのもののように見られておりました。
 今では信じられないことですねえ。ですが、邪教と云われていたのは本当ですよ。
今ではこの神殿までめっかめっかと三日かけて行列を待つ盛況ぶりをしめしています
が、今からざっと一千年前はこんなのじゃなかったのです。
 そのころ生きていて今だに死なずに生きている我らの教祖、便所虫様に結成一千年
を記念して恐れ多くもいろいろな面白い苦労話を伺いたいと思います。
 では、我らが教祖便所虫さま、教団の清き信者が待っています。信者の皆様は口を
大きく開いて、目を大きく開いて、いつも股を大きく開いている便所虫さまに暖かい
拍手をお願いします。

教祖便所虫様のお言葉

 うっふぉん、わしは便所教の便所虫というものである。
 これこれ、死に掛けたわしの内臓を新しくするために健康な若者の臓器売買を何度
も行って一千年も生きながら得ておる生き教祖様のわしが出てきたのだぞ。おまえた
もっと暖かい拍手をせんか、拍手を。よいよい、盛大な拍手されるのは誠いい気持ち
じゃわい、他人様から褒められるのはわしの自意識をくすぐって楽しい、これでわし
は五十年は長生きできそうじゃて。ほっほほっほほっほ。
 笑いすぎてあごがはずれそうになったら笑いたいときに笑わないと健康上良くない
のはわかっておるからわしは笑う。ほっほっほっほっほ。
 笑い終わったところで講演会かのお、わしはその拍手に応えるだけのことをしなけ
ればならないのじゃな。難儀なことじゃて、わしは仕事が嫌いじゃ、どちらかと云う
とこたつの中で寝ている方が好きなんだか、ほっほっほっほ。こんなこと云っておっ
てもらちがあかぬ。
 さてさてどんな話をいたそうか、もっとも先の便所教幹部あほんだらあに云わせる
とわしがここに立っているだけで講演会の役割は八割方終わっているとぬかしておっ
たが、そんなことは間違うておる。わざわざ遠い所から一カ年収分ぜんぶ、一回の講
演会費としてこの便所教団に寄付するために来とる信者のみなさまに失礼じゃとは考
えなかったのか、幹部あほんだらあは。
 みてみい、そこで口をぱこぱこあけて何かいいたそうにしておる、幹部あほんだら
あの顔を、皆に裏の顔を見せられぬのが残念じゃ、今のあほんだらあの裏の顔をのぞ
けるのはわしだけじゃて、社交ダンスにデバガメ覗き、未来予知に浪速節、百二十年
前に寝言で呪文を唱え、不治山ぜんぶ吹っ飛ぶばしてしまったのもすべてわしがやっ
たことなのじゃ、ほっほっほっほ、わしのような偉大な生き物に、幹部あほんだらあ
の心の中を覗くのはおちゃのこさいさいじゃよ。心の中を見せまいと幹部あほんだら
あは必死になって心を閉ざしておるが、そんなものは無駄なこと。ほっほっほっほ、
無駄なあかぎを見るのは楽しいものじゃ。
 幹部あほんだらあの裏の顔はみなさまに見せた顔と違っとる。どんな顔じゃと聞き
たいのか、最前列に座っとるそこのぼんずは。そこの席は確か特等席じゃの、ぼんず
の座っている席は二カ年分の収入じゃな。実にありがたいことじゃの、じゅげむじゅ
げむごごうのすりきれかにのあしはてにはでらんがもぞうひんならてがでるべんじょ
のそこから・・・・今わしが考え、できたばかりの便所教のお祈りじゃ。お祈りなど
どんなお祈りでもいいのじゃ、ようするにありがたいように思えたのなら、そこらの
ガラス玉から、果ては黄金のつぼまでご利益があるものじゃ、人間思いこみが肝心で
思いこめば何でも効くように感じるからわしらにとっては便利なものじゃよ。ほっほ
ほっほほっほ・・・。
 隣の親がよけいなことは云ってはならんと口をふさいでおるそこのぼんずのことじ
ゃ、うむうむ正直なぼんずじゃ、だが、ぼうず親のいうことはよく聞くものじゃよ。
世の中にゃ聞いてはならんこともあるし、云ってはいかんこともそれ以上に多いのじ
ゃ、本音とたてまえの見極め方が重要ってことじゃあな。
 だが正直なぼんずに免じて、幹部あほんだらあの裏の顔をいってやろう。実は幹部
あほんだらあはこの講演会の集まった金の計算をしておったのじゃよ。真面目くさっ
た顔で、心は黒く笑いながらのお。
 わしが一寸出るだけで大金がっぽがっぽ、教団うはうは、わけまえも幹部連中に行
き渡る、魂の救済と云ってほんのひと握りの金を政府のお偉方に渡せば、税金もつか
ん、安くて土地が入る、教団の神殿が大きくなる、ハクがつく、教団を大きくすれば
するほど、信者は増える。大金がっぽがっぽ、幹部あほんだらあでもプールつきの別
荘を買うことぐらいわけないことじゃて。誠よいこと宗教、幹部あほんだらあにして
見れば笑いがとまらんのも無理はないと思わんか皆の衆。
 これこれ、ぼんずの親よ。青い顔してぼんずと逃げようとしているが無駄なことじ
ゃ。ぼんずが一寸聞いたために幹部あほんだらあの顔は丸つぶれ、あまり二枚目とは
いかんかったが更につぶれて幹部あほんだらあの顔は挽き肉ミンチよ。わしらは心を
救済するのが役目とは名ばかり、世間の金を集めるのが一番じゃ。それには一般愚民
からの信用が第一だからのお、こうまで皆の前で侮辱されちまうと人間ができかかっ
ておる幹部あほんだらあの腹の虫が治まらぬのじゃ。これで、ぼんずの帰りの夜道が
黄泉国への片道切符になったかもしれん。
 ほら見てみい、幹部あほんだらあが教団おかかえの暗殺団に電話をかけにいったよ
うじゃ・・・。これもぼんずがわしに聞いたから悪いんじゃな。きじも哭かずば射た
ればすないとはよく云ったものじゃ。
 これのきじとはよけいなことを云った乙女のことじゃ。年貢をおさめられんものは
邪魔物になる。年貢の取立は厳しかったからのお・・・

突然教祖便所虫様  笑いながら歌い腰を振ってフラダンスをする

  米は作れど、米喰えぬ 百姓作れど 米喰えず だけど百姓人間で 何か食べねば
なりませぬ 食べねば死ぬぞ 死んでは困ると お役人 ヒエアワ与え 囲炉裏の火
には 炭燃えて 上の鍋には ヒエアワだけじゃ アワヒエいいが 栄養つかん 小
さな子どもは 栄養足りん 栄養なければ 病気になって 病気になれば 気もなえ
て 病気の子どもは 親に甘えてだだをこね ヒエアワ喰わんと だだをこね 親は
腹を痛めた 我が子が可愛い 可愛いけれど 米なくて 泣いても米は出でこない
米を作れど 米なくて 米を買う金もなし 何をするかと云われれば 米のあるとこ
知っている 長者の倉には米がある 濡れてにアワの米がある 子ども愛する親心
悪いこととは思えども 少し盗ってもわかるまい 夜の夜中に忍び込み 少しの米を
盗みだす そのころ丁度 橋づくり いくら立てても 壊れる橋を 近所の拝む屋読
んで えいやこらやと掛け声かけて 神を祈って祈祷を続け 七日八日九日立って
出ました  答が 人柱 それはいい考えと 皆首縦にうなずいた それでは誰かなり
ますか ところが誰もでてこない これは困ったことと 長者どん てんてんてまり
の鞠をつき  元気な子どもが鞠をつく まことおいしや おいしやお米 初めて食べ
たが アワヒエ違う 白いお米をたらふく食べて 病気で死ぬとこ助かった おっと
う おっかあ ありがとう おかげで鞠をついてます それを聞いてた 長者どん
これはおかしい 白い米 百姓ごときに 食べれるはずが ないものと まりをつい
てた子どもを呼んで アメを食べさせ 話を聞くと 子どもはにっこり笑って こう
応え おらの腹は米の腹 いついつごろに米食べた 子どもが歌った まりつきの
少しの米盗み 少しのお米を食べたこと 歌で歌えば 皆聞こえ あの親悪い盗人よ
 村のものにも見せしめと 村の掟を守るため おっとう おっかあ 人柱 魂こめ
た強い橋 大雨 洪水 雷雨 地震に強く どんなものより強いもの 生身の人間ち
ょうどよし  乙女がまりつき きじ哭いて、よけいなことを 云ったこと 今も昔も
 かわりなし

                                                 教祖様のお話はまだまだ続き
                                                 がある




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