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★タイトル (KCF ) 93/ 5/23 23:39 (193)
掲示板(BBS)最高傑作集51
★内容
(「掲示板(BBS)最高傑作集50」か驍轤フ続き)
・3枚目のカード
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| 最終希望カード |
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| 第 1 希 望 |
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| あなたの番号 相手の番号 あなたの連絡先 |
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| −−−−|ト− −−−−− −−−−−−−− |
| 相手へのメッセージ |
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| −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |
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| 第 2 希 望 |
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| あなたの番号 相手の番号 あなたの連絡先 |
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| −−−−−− −−−−− −−−−−−−− |
| 相手へのメッセージ |
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| −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |
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| 第 3 希 望 |
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| あなたの番号 相手の番号 あなたの連絡先 |
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| 相手へのメッセージ |
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| −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |
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上記の3枚のカードとも、ねるとんパーティーでスタッフに渡したか、あるい
はごみ箱に捨ててしまったため、現在、私の手元にはありません。ですから、一
字一句この通りとは言えませんが、私の記憶している限りでは、およそこのよう
なことが書かれていたと思います。(特に2枚目のカードの最後の方の質問は、
あまりよく見なかったのではっきりと覚えていません。もしかするとかなり違う
かもしれません。)3枚目のカードは、横に点線の切り込みが入っていて、3つ
を切り離せるようになっていました。
しばらくすると、司会者らしい男と女がマイクで話し始めました。この男女と
いうのが、参加者に勝るとも劣らない醜男と醜女でした。
「みなさん、ようこそいらっしゃいました!」
友人とおしゃべりをしていた参加者達はみんな話すのをやめ、2人の方へ顔を
向けました。
「ようこそ、ねるとんパーティーへ!」
「私たちが本日のねるとんパーティーの司会をさせていただく△△と、」
「○○です。」
「今日は是非とも素敵な恋人を見つけて帰ってください。」
「みなさん、がんばってくださいね。」
「それではまず最初に、本日のパーティーの進め方について話しておきます。み
なさんは受付で3枚のカードと番号札をもらいましたね?」
「本日の参加者は、男女それぞれ26名です。ですから、みなさんの番号札には
1以上26以下の番号が1つ書かれていると思います。」
「1以上26以下の番号です。みなさん、ちょっと確認してください。カードが
3枚ない方、あるいは札番号が28番などという方がいましたら、すぐにスタッ
フに申し出てください。」
参加者はみんな、自分の手元にあるカードと番号札を確認しました。
「ない方はいらっしゃいませんね?」
「みなさん、ありますね?」
司会者の男女は参加者全員を見回しました。
「みなさん、あるようですね。」
「大丈夫のようですね。」
「それでは、みなさん。番号札のほうは、他の人によく見えるよう、胸につけて
ください。」
「番号札に書かれた数字が、本日のねるとんパーティーを通してのあなたの番号
になります。」
参加者は全員、自分の胸に番号札を取り付けました。
「ではこれからパーティーの進め方について説明いたします。このねるとんパー
ティーでは、3回のフリータイムを設けてあります。そのフリータイムの時に、
異性とおしゃべりをしていただくわけですが、いきなり初対面の人とは話しがし
づらいと思われます。そこで我々は『質問カード』というものを用意しました。
みなさんのお手元にある3枚のカードの中で一番大きなカードです。そこにはい
ろいろな質問が10個書かれています。フリータイムでは異性の人にカードに書
かれた質問を1つしてください。そして、その人に、答えがイエスの場合は「Y」、
ノーの場合は「N」の所に○印をつけてもらい、その横に名前を書いてもらいま
す。こうすることにより、異性に話しかけるきっかけができます。」
「これなら恥ずかしがり屋の人でも異性に気軽に声を掛けることができますね。」
「さて、先ほど、フリータイムは3回あると申しましたが、それぞれに異なった
趣向をこらしております。1回目のフリータイムは約10分間です。その間に
『質問カード』を使い、なるべく多くの異性と話をしていただきます。そして1
0分たったら、みなさん全員に、3枚の中の一番小さいカードである『第1印象
カード』に記入していただきます。このカードには、1回目のフリータイムが終
わった地点で一番気に入っている異性の番号を記入します。」
「みなさん、『第1印象カード』をご覧になってください。左上の『あなたの番
号』の下にはあなた自身の番号を、右上の『相手の番号』の下には気に入った異
性の番号を書いてください。左右逆に記入してしまうと、関係ない人同士がカッ
プルになってしまう可能性がありますので、間違えないでください。そして、そ
の下の『気に入った理由』の下には、どうしてその人を気に入ったかを書いてく
ださい。理由はどんなことでもかまいませんので、必ず相手を指名した理由を記
入してください。」
「全員がこのカードに記入しましたら、スタッフが集めます。続いて、すぐに2
回目のフリータイムに入ります。この2回目のフリータイム中は、食事をしなが
ら誰とでも自由に会話をしてください。その間に、スタッフが、先ほど集めた
『第1印象カード』を照合し、結果がわかりしだい、『第1印象』でお互いに気
に入っていた人が何組いたかを私どもで発表いたします。みなさんから集めた
『第1印象カード』は、マッチングしなくても、スタッフがこのフリータイム中
に、指名した相手にこっそりと渡します。こうすることにより、みなさんは、ど
の異性が自分のことを『第1印象』で気に入ってくれたかがわかります。このカ
ードをもらった場合は、必ず自分を指名してくれた異性に話しかけてください。」
「自分を気に入ってくれている異性が誰だか分かりますので話がしやすいですね。」
「この2回目のフリータイムの時間は約40分です。」
「みなさんはその間、お食事と会話を存分に楽しんでください。」
「2回目のフリータイムが終わったら、次にゲーム大会を行います。」
「これがけっこう楽しいんですよね。」
「そうなんです。毎回、参加者から大好評をいただいております。このゲーム大
会についての説明は、実際にゲームを行う前にお話しいたします。」
「みなさん、楽しみにしてくださいね。」
「ゲーム大会の次には、3回目のフリータイムに入ります。このフリータイムは
前の2回のフリータイムとは、かなり異なります。ここでは、スタッフのほうで
みなさんの席を指定させてもらいます。このフリータイムでは、まず、男性、女
性が番号順に向かい合う形で座っていただきます。そして、ある程度の時間がた
ったら男性に席をどんどんずれていただきます。こうすることにより、多くの異
性の人と話をすることができます。」
「これで、2回目のフリータイムまでに知り合えなかった異性とも話をすること
ができますね。」
「そうです。それがこのフリータイムの目的です。」
「ねるとんパーティーに参加したのですから、なるべく多くの異性と話をしない
と損ですからね。」
「3回目のフリータイムが終わりましたら、次はクイズ大会です。」
「優勝者には素敵なプレゼントが用意されています。」
「このクイズの進め方に関しましても、クイズを始める直前に説明します。」
「優勝者に与えられるプレゼントは本当に素晴らしいものですので、みなさん期
待していてくださいね。」
「クイズ大会が終了しましたら、みなさんには、3枚目のカードである『最終希
望カード』に記入していただきます。このカードには、3回のフリータイム、ゲ
ーム大会、クイズ大会を終えて、最終的に気に入った異性の番号をみなさんに記
入していただきます。このカードでは、1人しか指名できなかった『第1印象カ
ード』と異なり、第3希望まで記入することができます。」
「好きな異性を3人まで指名できますから、カップルになれる可能性が非常に高
くなります。」
「この『最終希望カード』も、みなさんに記入していただきしだいスタッフが集
めます。そしてスタッフがすぐに照合し、何組のカップルが誕生したかをみなさ
んに発表します。」
「今日もたくさんのカップルが誕生するといいですね。」
「以上でパーティーはすべて終わりとなりますが、カップルになれなかった方も
まだ諦めないでください。みなさんに記入していただいた『最終希望カード』は
3枚に切り離してそれぞれの相手にお渡しします。ですから、そのカードの右側
の『あなたの連絡先』という欄に自分の電話番号を書いておけば、相手から連絡
がある可能性があります。また、異性の誰かが『最終希望カード』で自分を指名
してくれていた場合は、そのカードをスタッフからもらえますので、電話番号が
書かれていたらその人に連絡することができます。」
「ですから、今日のパーティーでカップルになれなくても、まだ望みが十分に残
っているというわけです。」
「以上で、これから行うねるとんパーティーの大まかな説明は終わりにします。
詳しいことについては、その都度説明いたします。それでは早速、1回目のフリ
ータイムに入ります。」
「1回目のフリータイムの時間はたったの10分ですので、急いでください。」
「それでは、1回目のフリータイム、開始!」
司会者は1回目のフリータイムの開始を宣言したのですが、しばらくは誰も異
性には話しかけず、みんなもじもじしていました。そこで司会者は、みんなに向
かって話をするよう促し始めました。
「どうしたんですか、みなさん。話を始めてください。」
「1回目のフリータイムは10分しかありませんよ。」
この言葉に触発されたのか、司会者の脇にいた1人の醜男がすぐ側の醜女に話
しかけました。
「あなたは芸能人に似ていると言われたことがありますか?」
すると、他の男達も一斉に女達に話しかけ始めました。女達は男達から話しか
けられてやっと重い口を開き始めました。このねるとんパーティーに参加してい
た人達は、まったくもって典型的な日本人だらけでした。
これで参加者の男女全員が話を始めたかというと、そうではありません。よく
見ると、男が女に話しかけているだけで、女から男に話しかけているという場面
はまったく見られません。そんなわけですので、醜女だらけのこのパーティーに
おいては「美人」に見えてしまう女は、代わる代わる男達から話しかけられてい
たのですが、そうではない「醜女の中の醜女」は、誰からも相手にされず、ただ
ぼけーと立っているだけでした。
私は、参加者の日本人的な行動様式を眺めているのが楽しかったので、しばら
くは誰にも話しかけずに黙って他人をじっくりと観察していました。しかし、6
千5百円も払ってそんなものを観察しているだけでは非常にもったいないので、
すぐ側にいた醜女に話しかけてみました。
「あなたは上半身と下半身、どっちが好きですか?」
その醜女はびっくりした様子で言いました。
「え? そんな質問は『質問カード』にないわ!」
典型的な日本人女です。確かに司会者は「質問カード」に書かれた質問を異性
にしてくださいと言っていました。しかし、これは、異性に話しかけられないと
いう人のためにこのような質問カードをスタッフが用意したのであって、カード
に書かれた質問をしなくてはならない、というわけでは必ずしもないはずです。
しかし、そんなレベルの低いことをいちいち説明してやるのも馬鹿らしかったの
で、私はその醜女から逃げ、別の醜女の所へ行き、再び質問をしてみました。
「あなたは下半身の、上半分と下半分では、どっちが好きですか?」
その醜女も不機嫌な顔をして私に言いました。
「あなたの『質問カード』を見せてください。」
私は自分の「質問カード」をその醜女に見せました。
「このカードのどこにそんな質問があるのですか?」
私はあきれてしまい、もうそれ以上、どの醜女とも話をするのはやめました。
(「掲示板(BBS)最高傑作集52」に続く)