AWC 『BRACK・LIST(2)』北埜 轍


        
#677/1336 短編
★タイトル (CNM     )  96/10/26  13:11  ( 58)
『BRACK・LIST(2)』北埜 轍
★内容
『BRACK・LIST』
Writed By Kitaya Wadachi

「ツバキガイト・シゲミツ(人名)」

広田:おい、もしかして今日って体育あるんとちゃうん?
北野:もしかせんでも、あるやろ?
佐川:ほなら、ツバキガイト来るんちゃうか?!
北野:そう言えば、体育の白木先生が講習会あるとか何とかで、今日は代理の筈やな
   ぁ。
広田:げーっ、どないしよ・・・やっぱしツバキ来るやん。
佐川:どうしたん、ひろちん。
広田:体操服、忘れた・・・
北野:嘘やん、どうすんねん。お前、奴に殺されるぞ。
佐川:あいつ、怒ったらめちゃめちゃ怖いもんなぁ。そうや、ひろちん。今から借り
   に行け!
広田:・・・そうするわ。
北野:でもな、名前ちゃうかったらバレたりせーへん?
広田・佐川:え?

        キーンコーンカーンコーン・・・・

広田:うわーっ、チャイム鳴ったぁっ。
北野:しゃーないなぁ。とりあえずジャージでやれ。
佐川:二人とも何やってんねんっ。はよ体育館行くぞっ。
         ・・・・授業開始・・・・
ツバキガイト:広田、お前、体操服はどうしたんだ?
広田:あの・・・あのう。忘れ、ました・・・。
ツバキガイト:何やとぉっ、忘れたやとぉ?おい、広田っ、前に出ろっ!
北野:あちゃー。
佐川:大丈夫かな、ひろちん・・・。
ツバキガイト:貴様のその腐った根性、叩き直してやるっ。目ぇつぶれっ!歯ぁ食い
       しばれっ!
広田(心の声):もうあかんー。
ツバキガイト:覚悟はええなっ?
広田:は・・・はいっ・・・。
ツバキガイト:(ホッペに)チュッ!


ブラック・リストより「ツバキガイト・シゲミツ(人名)」

今回はちょいとばかし気分を変えて対話形式で書いてみました。(しかも関西弁)お
口に合うかどうか分かりませんが、
どうかご賞味下さい。

「こんな奴、おらへんでー」とお思いでしょうが、その通り!
嘘です。しかし、ツバキガイト先生は実在の人物でした。敢えて過去形にしたのは、
小学校の時に見たっきりだからです。
かれは産休代理の先生でした。赤いタンパロンにパーマ掛かった長髪、下駄こそ履い
てはいませんでしたが、いつもイボイボの付いた健康スリッパを履いていました。ま
さに「こんな奴、おらへんでー」の世界が彼の中にありました。いじめをやる男子生
徒の胸ぐらを掴んで振り回し、私達の度肝を抜いた事もありました。私にとって、彼
は脅威でした。彼は今ごろどうしているのでしょうか?私の友人で彼の事を覚えてい
る人はほとんど居ません。ひょっとしたら・・・彼は実在していなかったのでは?最
近はそうも思うようになりました。
だって、こんな世の中で彼は生きてはいけないでしょう?
作品と関連なくってすいません。ちょっとしんみりしてしまいました。      
                            (後記:北埜 轍)




前のメッセージ 次のメッセージ 
「短編」一覧 北埜轍の作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE