#606/1336 短編
★タイトル (KXE ) 96/ 7/16 9: 2 ( 94)
CAN NOT FLOAT(2/2) (C)Kazuhide Kirita
★内容
2度と浮かび上がれない(その2)
1996年7月14日 切田 和秀
960714D0.NET
【「嫌がらせ」の例】
京橋の「アクト警備保障」では、連日仕事があり、事務所では仕事後にジュ
ースやコーヒーなど気をつかってもらい、場所もダイエーの近くで、しばらく
お世話になりたいと思ったのだが、昨日7月13日の話だ。
契約先は、NTTの一次下請けの日本コムシス(株)関西支店。 現場は、
神戸市兵庫区西橘通り1丁目の東南角の「ポーラ」神戸支店のビル前の交差点。
交差点での工事に伴う交通誘導だが、通常では考えられない事が起こった。
この交差点の東西の道路は、西向きの一方通行であり、交差点に立ち、工事
現場付近の交通を円滑に保ち、安全を確保するのが私の仕事だった。
ところが、西側の別の現場からダンプや、トレーラーが、一方通行を無視し
て、逆走してくる。 誘導するガードマンも無く、常時、何度も、一方通行を
逆走してくる。 当然、交差点は混乱した。 ある大型トレーラーは、逆走し
て、信号機の支柱に接触し、前から来る自家用車にはさまれ、中央分離帯の歩
行者用の部分に進入して、南行き車線へ突破した。
私は、交通安全・法律遵守の為では無く、自己の業務遂行と責任回避の当然
の措置として「2度とここで逆走するな」と、そのドライバーを怒鳴りつけた。
その場に居た日本コムシス(株)関西支店の現場監督と、アクト警備保障の隊
長に事情を話し「トレーラーのナンバーと会社名をひかえましょうか?」と聞
いたところ、やめろとの事。 彼らは、その後もダンプ等が、一方通行を逆走
してくる事実をふまえ「よその現場のダンプ等の逆走は無視しろ」と私に指示
し、私は了解した。 また「ダンプのナンバーや社名をメモするのはやめろ」
と隊長から指令があった。
ところが、その後、交差点西からトレーラーが逆走して、突っ込んできて、
工事表示の立て看板を踏みつぶした。 「バリバリバリ」という音に気付いた
私は、看板がつぶされた事を大声で知らせた。 しかし、不思議なことに現場
監督も下請けの作業員も騒がず、逆に「看板が潰されたのは、お前が悪い」と
私に責任を押しつけるのだ。 そのトレーラーは、不思議な事に目の前での破
壊行為に対して何一つ文句も言われず、何の責任も負わず悠々と逃げ去った。
そこに至り、私は切れた。 意識して切れまくった。 その時点で職場を放
棄した。 負う必要の無い責任を回避する為には当然である。
さらに後から来たアクト警備保障の隊長は、私に「無視しろ」と言った指令を、
「真に受けるのが悪い」と事故後に言い、私に責任を押しつけるのだ。
切れて分かったが、一方通行を何度も逆走してきた「宮川建設」「桶高組」
との表示のダンプの運転手が「たかがガードマンが文句を言うな。 田村建設
の社長とは親しいんや」とわめいた。 田村建設とは、日本コムシス(株)関
西支店の下請けで、ここの実際の工事をしている。 初回の「ダンプの一方通
行の逆走」の時から「どうせ、今回もそんなこっちゃろう」と仕組まれた嫌が
らせを予想していた私は、この言葉で「案の定、仕組まれた!」と納得した。
【もう、たくさんだ!】
1994年の暴行事件いらい、この手の露骨な嫌がらせにより、私の意志で
職場から離れるように仕向けられる例は、まだまだある。 仕事を変えると、
最初は、有る程度仕事を回してくれる。 しかし「そろそろ釜崎脱出の貯金を
始めよう」と考える程度に金銭的にゆとりが出れば、嫌がらせで職場追放。
いつまでたっても、浮き上がれない。
歯はボロボロだ。 しかし歯医者にいくゆとりもない。 まじめに働き、節
約し、現場にはぺットボトルに入れた水道水を持参し、夏以外は手作りの弁当
持参するのが通例で、穴の開いた靴下で、履ける靴は作業用の安全靴だけで、
服も買わない。 酒は弱く、タバコもバクチも女もやらない。
こんな生活が2年も続いているのに、生活は苦しいままだ。 いや、さらに
苦しい。 先月は死ぬ思いで死守した電子ネットワークへの通信回線を失うの
も時間の問題だ。 いつまでたっても、浮き上がれない。
もう、たくさんだ! もう、うんざりだ! みんな不幸になれ!
【悲惨すぎる】
1994年の暴行事件以後、私は「体制(=公安と商売人たち)に好きなよ
うに嬲られている」と認識している。
しかし「嫌がらせを受けている」と認識するのは、まだいい。 私の場合、
20歳以後からこの暴行事件までの20年間も、同様な嫌がらせを受けていた。
今日の私の忍耐強さは「この20年来の嫌がらせ」に由来している。
ところが悲惨な事に私は、1994年の暴行事件以前は、職場追放のための
嫌がらせや、その他の嫌がらせに対して「現実はこんなもんだ」「人生とはこ
んなもんだ」と納得して受け入れてしまった。 「政治団体に所属さえしてな
いアルバイター」の私が公安にマークされる等とは考えさえしなかった。
会社の管理職に私のプライバシーが筒抜けで、外出先での出来事が両親に筒
抜けだという事は、たびたびあった。 突然、勤務先からいろいろな理由で、
退職を強いられた事も有り、職場で辛い立場にされるなんて日常茶飯事である。
特に30歳台の頃に、パソコンに入力した内容が、当時の勤務先に筒抜けだ
った事があった。 それは会社に知られては困る内容で誰にも話したことが無
いのに、会社には筒抜けで、みるみるうちに会社での私の立場は悪くなった。
これが、きっかけで私は、悲しみ、苦しみ抜き絶望して手首を切り淀川に飛
び込んだ。 人生で一番悲しい、人生で一番苦しい時だった。
なぜパソコンの情報が会社に漏れたのか? 当時、私は泣きながら両親に問
い詰めたが、父はニコニコ笑いながら「何のことか解らない」と言う。 結局、
当時はウヤムヤになったが、1994年の暴行事件で両親が公安の手先として、
私の学生時代からプライバシー侵害をしていたと知った。 つまり、私が手首
を切り、死を選ぶほど苦しみ抜いた事件の原因には、両親・身内も公安のため
に加担していたのだ。 まさに「鬼」だ。 「人殺し」だ。
【あなたには無関係か?】
サラ金では、無人でも初対面のあなたの信用を判断できる。 銀行口座開設
も携帯電話利用も身分証明書が必要だ。 アパート借りるのに補償金と連帯保
証人が必要だ。 昔と違い、窒息する程プライバシーを管理されている。 体
制から管理され嬲られる私の悲惨は、あなたにとって他人の妄言か?