#479/1336 短編
★タイトル (XVB ) 95/ 7/16 15:43 ( 37)
白い石 $フィン
★内容
昔、人は地底に住んでいました。そこには太陽のない世界でしたが、人はそこで
とても平和な暮らしをしていました。人に混じって一人の少年がおりました。その
少年には親も兄弟もいません。少年はたった一人で長い間暮らしておりました。
地底の人が少しずつ増えていき、少しずつ食料が減っていき、みんな満足に食べ
れないようになっていきました。人は先を争って食料を探しに出かけ、そして見つ
かった食料は先を争って食べるようになっていきました。
やがて、人はどんなに一生懸命探しても見つからないようになっていきました。
人は食料を求めて騒ぎ出しました。人の間で小さな争いが幾つもの起こり始めまし
た。
少年は食料がたくさんあった時代に、少しずつ食料をため込んでいましたので、
争いが起こっている間もお腹が減ることはありませんでした。しかし、人は少年が
持っていた食料を見つけるとみんな食べてしまいました。少年は大事な食料を人に
取られても文句を言いませんでした。少年はたった一人であまりに弱かったので人
には何も言えなかったのです。少年は哀しそうな眼をして、争いを起こしている人
を見、少年の食料を食べた人を黙って見つめるだけだったのです。
それから時間がたっていきました。少年の食料をとった人は、少年がまだ食料を
持っているのだろうと少年の家を隅々まで探しましたが、見つかったのは、痩せ衰
えた一人の少年だけでした。
人は食料を求めました。地底の中で食料を求め、幾日も続く争いが起こりました。
少年は人の争いには加わりませんでした。人が争っている間、少年は、黙々と地上
へと抜ける穴を掘っていたのです。
人の争う声を聞きながら、少年は地をえぐり、手からは血を流し続けました。人
は少年のやっていることを知らず争っていました。
やがて、人は今まで見たことないまぶしい光に驚き、争いをやめました。少年が
堀り続けた穴が完成して、太陽の光が、地底に届いたのです。
争いをやめた人が恐る恐る地上に出てきます。そこは今まで見たこともない美し
い世界でした。人が明るい太陽の下、喜んでいるそばで、少年がうっすらと微笑み
を浮かべたまま地面に横たわっていました。少年は、持てる力を振り絞り、地上へ
抜ける穴を掘ったので、疲れ果ててしまったのです。
地上に出た人は、しばらくたってから、穴を開けた少年のことを思い出し探しま
した。少年がいたところには、白い美しい石が残っているだけでした。
めでたし、めでたし
$フィン
こんなのしか書けなくなっちゃた。ごめん