#4493/5495 長編
★タイトル (NKG ) 98/ 5/24 22: 1 ( 96)
【しすてむAI】 〜あとがき〜 らいと・ひる
★内容
【あとがき 1】
藍色と茜色の空。
夕色のグラデーションに魅入られるようになったのは、もう何十年も昔の話です。
私の実家は団地です。しかも西向きの6階あたりに住んでいたために、幼い頃か
ら夕焼けの鮮やかな空をぼんやりと眺めているのが好きでした。
幼い頃ってのは、東京なんかに住んでると遅くまで遊んでられるなんてことはな
いじゃないですか。日が沈む前には家には帰されて、普通は夕陽をじっくり見られ
ることがない。だけど、うちはベランダに出てしまえば真っ赤にそまった夕空がた
っぷりと堪能できます。誰にも文句を言われないで、ほんのひとときなんだけど、
ゆったりとした自分だけの時間をある。私の創作性が育まれてきたのは、そんな環
境からかなと、最近思うようになってきました。
なんだか、本編とは関係のないような話ですが、私の作品の根本的な部分のこだ
わりはこんなところからきているわけなんです。
さて、話は変わりますが、このシリーズのテーマである『魂の否定』は、作品中
でも書かれているF・クリックの著書『DNAに魂はあるか』に影響されて書き始
めたものです。宣伝文句に「驚異の仮説」などとあって、見た目はアヤシイ感じの
本ですが、クリック自体はかなり有名な人で、DNAの二重螺旋を発見してノーベ
ル賞をとった一人でもあります。(二重螺旋の構造の発見は、クリックともう一人、
ワトソンによるもの)
内容としては、半盲、色盲、相貌失認などの視覚のシステムを例にあげながら、
脳の構造にメスを入れています。よくも悪くも彼なりの主調が込められており、仮
説の領域は出ていませんが、とても興味深い内容ではあります。
本編の主人公の一人、藍はこの本を基本として自分なりの論理を展開させていま
すが、作者自身が彼女と同じ考えとは限りません。彼女は彼女なりに悩みながら、
自分の道を進んでいくはずです。
そういえば、この本の主題である仮説が、瀬名秀明(パラサイト・イヴの作者と
いったほうがわかりやすいか)の『Brain Valley』のエピグラフで使われていて、
「先を越された!」などと思ったりしたこともありました。
EPISODE 0 は、いわばキャラクターの顔見せ編というような感じで、物語らしい
展開を期待した人には物足りない内容だったかもしれません。次回から徐々にドラ
マ性を重視した内容にしていきたいと思っております。
そんなわけで、少しだけ次回の内容に触れておきます。
サブタイトルは「嘘と疑似恋愛とキモチイイコト(仮)」かなりきわどい内容に
なりそうな感じです。
もちろん、テーマは「H(交尾)」かな?
今回の恋愛システムをさらに発展させて藍に語ってもらいます。彼女の過去のこ
とも少しずつ明らかにされるはず。新キャラクターも何人か登場する予定です。
【あとがき 2】
ここからは、読み終えた人のためのあとがき……っていっても、本編読了後に読
んでくれる人が何人いることやら(苦笑)
さてさて、この作品、いかがでしたでしょうか?(笑)
感想なんかいただければ、作者としては嬉しいものです。それが、たとえ辛口の
批評であっても。
理解できないのであれば、どこがそうなのか書いていただければ次回作の参考に
なると思います。
んー……主人公たちが気に入らないという人がたくさん出てきそうな予感がする
なぁ。
はっきり言って、魅力的なキャラクターではないでしょう。藍は偏屈、茜はいい
子ちゃんで、読者は感情移入しづらいかもしれません。
でも、彼女たちの感情をほんの少しでも理解していただければ、という願いが込め
られた作品ではあります。
自分事ではありますが、この物語ってのは、今水面下で進めている企画Xを真っ向
から否定しかねない内容なので、両方を同時に書いている作者としては、かなり精神
的な負担がかかっていました。
でも、どちらの感情も心の中では複雑に絡み合っていて、そんなに簡単に答えが出
せないのが人間というものじゃないかと私は思っています。
最後に、この物語を書くにあたって参考にした本をあげておきます。本編では意図
的に、本で調べたものとはまったく違った部分もありますが、これは登場人物の性格
を考慮したものです。
では。
【参考文献】
『DNAに魂はあるか』 F・クリック 著 講談社
『あなたの中のDNA』 中村桂子 著 ハヤカワ文庫
『からだのしくみ事典』 安藤幸夫 監修 日本実業出版社
『知の最先端』 VALIS DEUX 編 日本実業出版社
『科学・謎?なぜ?読本』 別冊宝島362 宝島社
『空の名前』 高橋健司 写真・文 光琳社出版
【今後の予定】
EPISODE 1 嘘と疑似恋愛とキモチイイコト
EPISODE 2 天使と神様とココロノウサギ
EPISODE 3 偶然と必然とジブンノイバショ
EPISODE 4 AIvs反AI
EPISODE5 涙と寂しさとヌクモリ
すべて仮題です。サブタイトルは変更する可能性あり。