AWC のぞいてみれば 9                観代祐司


        
#3074/5495 長編
★タイトル (ZBM     )  95/ 5/ 6  10:53  (160)
のぞいてみれば 9                観代祐司
★内容

【49】

実験室入り口

観代がバールを手に走ってくる。ドアの所まで来ると。
ドアをおもいっきり叩く。
「朋子!!」
そして時計を見る。

【50】

実験室・内

外から敏夫の声が聞こえる。
「敏夫?・・・」
off「朋子!!」
「敏夫!!」
「おや、前の彼氏のお出ましだね」
ドアの方へ走っていく朋子。ドアを叩く。
「敏夫」
off「待ってろ、今助けるから」
「なんか映画みたいだね」
平然としているありさ。
「卒業だね。このシュチエイションは。でもわたしはエレーンもベンも逃がさないよ」
お父さん。朋子に近づき。朋子の腕を取り引き寄せる。
「先生。今ここから出ないほうが、得策ですよ。今逃げれば命を落とすかも
 知れません。ここに残れば命は助かります。わたしと一緒に楽しく過ごしましょう」
朋子、お父さんの腕を払い除ける。
「としお!!」
ドアを叩く朋子。
「あらあら」

【51】

実験室・外
時計を見る。
「よし」
その瞬間。辺りが真っ暗になる。
観代、懐中電灯の明かりをつけ。ドアの隙間にバールを押し込むと力一杯押す。
少しずつ開いていくドア。

【52】

実験室・内

お父さんの声。
「あら、どうしたんでしょう」
「お父さん」
「機械の電源まで切れてるじゃないですか。おかしいですね。実験器材は自家発電
 に切り変わるはずなんですが、このままでは実験台が死んでしまいます」
「え?」

なんとか観代が通れるだけの隙間が開く。無理して入ってくる。
観代が実験室に入ったところで、電気がつき。ドアが勢いよく閉まる。
「敏夫」
抱き合う。朋子と観代。
「大丈夫か」
「敏夫、ごめん」
「おいおい、人のお嫁さんに何するんだい」
「なんだと、この人殺しの変態じじい、うらの古い倉庫で、死体見つけたよ」
「遊びじゃないんだよ。実験をしているんだ。失敗することだってある」
「てめー」
「やるって言うんなら受けますよ」
観代ゆっくりとお父さんに近づいていく。
「わたしはね。高校から大学まで空手をやってまして、」
じりじりと間合いをつめる観代。そしてそっとポケットに手を忍ばす。
何かポケットの中でつかむのが見える。
それを遠巻きに見ていたありさ。観代の後からいきなりジャンピングニーパッド
観代、よろよろとするとうつぶせに倒れ、隠していた物が転がりお父さんの足元へ。
転がってきたスタンガンを見て、
「こんなおもちゃじゃなく、どうせならこう言う物を使いなよ」
観代が顔を上げると、お父さんがトカレフを構えている。
後退りする観代。
「あなたたち頭が悪すぎますよ、わたしの忠告を聞いていれば、こんな
 結末を迎えなくてすんだのに」

「ありさ君。二人を縛って」
ありさ、引き出しの下からロープを取り出すと。
朋子の手を後ろ手に縛りはじめる。
「やめろ」
「おっと、少しでも動くと、頭に穴が開きますよ。倉庫にあった容器に入りたく
 ないでしょ」
「先生ごめんね。本当はこんなことしたくないのよ」
朋子の足と手を縛ると。今度は観代の番だ。
観代なすすべなく後ろに手を回される。
が、その時通気孔から花火が投げ込まれる。
「なんだ!!」
次に煙幕花火が実験室に 通気孔から転がってくる。
「誰だ」
お父さんがひるんだ隙をみて、観代お父さんの両足にタックル。
足が動かせないお父さん、両手をばたつかせながら後ろに倒れていく。
そして机の角に頭を痛打、気絶する。
観代、銃を奪うとお父さんに銃口を向ける。
足で蹴って気絶してるのを確認すると、ありさに。
ありさ。手を上げる。

天窓が割られる。そしてそこから下山顔を出す。
「間に合ったみたいですね」

【53】

同・実験室。

ロープで縛られた。お父さんとありさ。
観代写真を撮りまくっている。
下山珍しそうに機械類を触っている。
朋子、ありさを見つめている。
「水城さん、あなた病気よ」
「・・・」
お父さん目覚める。
「こっ、これはいったいどうしたことだ!」
観代、お父さんが目覚めたのを知ると、つかつかとやってきて。
お父さんの顔をぶん殴る。
そしてまた写真を撮りはじめる。
おとうさん。観代に向かって。
「こんなことして無事でいられると思うのか?」
「大丈夫さ、俺は人間の良心を信じているから」
「・・・」
「裏の世界であんた等が何をやっていたのか、マスコミを使ってみんなに知らせる。
 人間には知る権利があるんだからな。後の判断は、市民が決めるさ」
うつむくありさ。
遣瀬ない朋子。
下山。机の下にスタンガンを見つける。
電源を入れてみる。
「あんた等が・・・」
お父さんに向かって話し掛けている観代の首筋に無造作にあてる。
観代、
「うっ」
と言うとその場に倒れる。
驚く朋子。
「探偵さん・・・あなた・・・」
笑っている下山。

【54】

炎えている水城の家。
走りだすハイエース。

同・ハイエースの中。
手足をロープで縛られ猿ぐつわをはめられたお父さん、ありさ、朋子、観代、
ハイエースの荷台に転がされている。朋子は意識があるが、他の3人は気絶している。
運転席に私服の刑事の一人。助手席に下山が座っている。
「内部の様子が漏れているらしいって本部から聞いて来てみたら、
 間に合って良かったよ」
「まっ、いずれはあの親子も処分する予定だったから。一石二鳥ってとこかな」
「マスコミの方にはなんて言っておく」
「水城親子は、逃げ遅れて焼死。原因は煙草の火の不始末ってところかな。
「先生と男の方は、いつも通り行方不明で捜索願いがでたら適当に濁しておけ」
「ハイ。で、この4体はこれから?」
「筑波だ。健康な臓器が欲しいっていってたからな。そっちへまわす」
朋子「!」
「しかしこっちの先生と男は馬鹿だよな何もこんなことに首を突っ込まなくても
 いいのに」
「好奇心が仇になったな、・・・ 知らないほうが良い事もあるのにな」
消防車がすれちがう。
ハイエース夕暮の道を走っていく。


END




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