#3067/5495 長編
★タイトル (ZBM ) 95/ 5/ 6 10:13 (155)
のぞいてみれば 2 観代祐司
★内容
【8】
職員室。
「いいえ」
ありさ首を振る。
朋子、その隣に立っている西尾に、
「優子ちゃんの所には、あれからなにか連絡なかった」
「(首を振る)」
「そう・・・。ねえ、昨日話していたこともう少し詳しく教えてくれる」
優子、スカートのポケットからブローチを取り出して朋子にわたす。
「これが道に落ちてたんです」
ありさ気になり覗き込む。
「昨日一緒に買物にいったときにつけてたもので、もう一つと対になってるんです。
普通に歩いてて落ちる物でもないし、それにその時、すごいスピードで走ってきた
白い車があるんです。人にぶつかりそうになって謝りもしないで行っちゃったもん
だから、なんかそれも気になって・・・」
「どんな車だったの」
「オリンピックの様なマークがついてたと思ったけど」
ありさ眉をしかめる。
「他には?何か変わったところとか」
「べつに・・・」
「そう、ありがとう。これ、先生があずかってていいかな」
「はい」
「じゃ、なにか、他の人から聞いたりしたら、先生に教えてね」
「わかりました」
「失礼します」
職員室から出てきた2人。
「本当にどこに行っちゃったんだろうね」とありさ。
【9】
校門、生徒が帰っていく。
夕暮。
職員室からそれを見ている朋子
学年主任の横山
「来ませんでしたね」
「・・・」
「どこに行っちゃったんですかね。捜索願い出されたら大変ですね。
不祥事ですからね」
「・・・」
生活指導の中山が来る。
「学校の方の連絡は学年主任の横山先生に頼むとして、担任として心配なのは
わかりますが、きみのアパートの近くの工場から生徒に関する苦情が来たの
で、そちらの方に寄っていってもらえませんか」
「・・・」
【10】
アルミ工場、
工場長が激怒している。
「困るんだよね。最近変な事件も多いし」
「すみません」
「先生は学校でどんなこと教えてるんですか、変なもの入れられると焼却炉が
壊れちゃうんだよ。それに不法投棄や不法侵入は犯罪ですよ」
「はあ」
「とにかく今度同じような事があったらそれなりの対処をさせてもらいますよ」
「どうもすみませんでした」
「とにかく、持って帰ってよ」
終始謝り続ける朋子
【11】
朋子のアパート
部屋に入ってくるなりポリ袋を投げ付けて、
「もう、なんで私があんなに怒られなきゃいけないのよ。頭きちゃうな。あのハゲ」
ドタドタとあがるとゴムでできた八つ当り人形を当たり散らす。
首を引っ張り手を伸ばし丸めて叩きつける。
「もう!!」
肩で大きく息をする。
ふと見ると留守伝に何か入っている。
駆け寄り内容を確認するためにボタンを押す。
「ハーイ。観代だよおん。今日は取材で電話できないから留守伝に入れとくよん。
お仕事頑張れよ。愛してるよおん。んじゃね」
と、馬鹿らしいメッセージが。
苦笑する朋子。少し落ち着きを取り戻す。
部屋の隅に何やら光るものを発見。
「ん?」
手に取ってみてみれば、あの、美穂がしていたブローチである。
興奮して暴れて落としちゃったのか、いかんいかんととバックにしまおうとすると
バックの中にはちゃんとブローチが入っている。
「おっ?」
2つを見比べると、なんと2つで対になっている。
「これは?」
玄関のポリ袋を見ると白い衣服のようなものがはみ出している。
慌ててポリ袋を取ると中の物を空ける。
西尾の言ってた美穂の着ていたものと同じ白い衣服。そして、東急ハンズの袋。
女物の下着もある。
「!!」
思いついたように本を探し出す。
手に取ったのは、高校の全部の生徒の顔がのっている文集。
【12】
朝、アルミ工場
朋子が押し掛けている。
工場長煙たそうに
「いいよもう。これから二度とこんなことが無いように注意してくれれば、それに
後ろ姿見ただけだし」
「おねがいます。大事なことなんです」
「ええっ?そんなこと」
「どんな女の子でした。髪の毛とか」
「髪の毛、髪の毛はねえ、長かったな腰まであったんじゃないか」
「腰まで・・・」
朋子文集をめくり髪の長い女の子を探しながら
「背はどうでした」
「んー。女にしちゃ高かったんじゃないか」
「高い・・・」
「この子でした」
と、文集を工場長に広げてみせる。
工場長首をひねって、
「どうかなあ。違うと思うが」
そのページを端を折るとページをめくる。
「何か他には・・・」
「ええ、?そういえば、どこかで見たことあるような気もするなぁ」
「どこかで・・・」
「このこは?」
首を振る工場長
また端を折って、次に進み。
あるところを開くと手が止まる。
「!」
そこにはありさの姿がある。
息を飲む朋子。何かを振り払うように首を振り、
「このこは?」
文集を工場長に見せる。
工場長、覗き込み。
文集を引き寄せる。
心配そうな顔の朋子。
「似てるなあ」
朋子の顔が曇る。
【13】
何かを考えながら
左手に文集を持って朋子が道を歩いて来る。
そして立ち止まり、顔を上げる。
そこには水城の父が経営している医院。道路脇に白いカローラが停まっている。
そしてその裏にありさの家が見える。ありさの家は真っ暗だ。
医院はすでに閉まっている。が奥の方にまだ明かりが点いている。
朋子ありさの家がよく見えるように移動していくと、
そこの駐車場に白い車を発見。
オリンピックのようなマークが付いている。
【14】
職員室。
応接ソファーで、学年主任が二人の背広を着た男と話をしている。私服警官である。
それを気にしている、先生達。
3につづく。