AWC エティ<GティーャGティーマン 第2話


        
#2759/5495 長編
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エティ<GティーャGティーマン 第2話
★内容

第2話 チャチャベンチの恐怖・・前編・・

 山口県熊毛郡のとある町の廃墟と化した工場にある事務所。そこは、異
元空間から舞い戻った電魔王サーバ率いる電魔一族の本拠地となっていた。
壊れたパソコンのモニターに電魔王サーバが映し出され、その回りを無数の
人魂が取り囲んでいた。
「余が媒体となっているパソコンと同じ機種が多ければ多いほど、その力を
同調させ余の力は大きくなる。だが、人間世界ではこの機種の数は多くない
ようだ。もっと数を増やさねば余はここから出ることもできぬ」
 電魔王サーバがそう話すと、人魂の一つがモニターの前に進み出て電魔の
姿に変わり、電魔王サーバの前に跪き頭を下げた。彼の名はメディア将軍エ
ーエヌン、人間界攻略の最高司令官である。
「このエーエヌンにお任せください電魔王サーバ様、すでに作戦を考えてお
ります。ついでに、裏切り者のファーも始末してご覧に入れましょう」
「うむ、任せたぞメディア将軍エーエヌン」
「ははーっ」
 メディア将軍エーエヌンはそう返事すると、再び頭を下げた。モニターに
写っていた電魔王サーバは、そう言い残すと姿を消した。
「い出よ、ベンチ魔獣ブイエムーン」
 メディア将軍エーエヌンがそう叫ぶと、また無数の人魂の中から魂が進み
出て電魔の姿に変わると、跪いて頭を下げる。
「ここに控えております、メディア将軍エーエヌン様」
 立ち上がったメディア将軍エーエヌンは、後ろに振り向くとブイエムーン
に向かって口を開いた。
「電魔空間を作り出すお前の能力を使って、裏切り者のファー・・・いやエ
ティーマンをおびき寄せ、必ず抹殺しろ」
 顔を上げたブイエムーンは、自信に満ちた表情で答える。
「お安いご用です。必ずやエーエヌン様のご期待に添えてご覧に入れます」
 そう言い残し、ベンチ魔獣ブイエムーンは姿を消した。

 その日を境に、鬼堂明の住む町ではプログラマやパソコンユーザーなど
が、神隠しに遭う事件が頻繁に起きるようになった。原因不明の事件に、警
察も手がかりが全くつかめずお手上げの状態であった。
 鬼堂明は自宅でDOS/Vマシンを操作していたが、事件が起きた日に併
せるかのようにマシン正常に作動せず、ハングアップばかりしていた。
「おかしいぞ、神隠し事件が起こり出してから、タイミングを合わせたかの
ようにパソコンが正常に作動しなくなった。もしかしたら電魔一族の仕業か
・・・・」
 一瞬そう考えた鬼堂明だったが、軽く溜息を漏らすと首を左右に振った。
「いかんいかん、単なる偶然かも知れないじゃないか・・・しかし、神隠し
事件は気になるな、警察も手がかりを全く掴めていないというし・・・」
 ぶつぶつと独り言を言いながら、またパソコンの操作を始めた。その時、
廊下から母の声が聞こえてきた。
「明、美紀ちゃんから電話よー」
「美紀ちゃんから・・分かった、すぐ行くよお母さん」
 鬼堂明はそう返事すると、パソコンの電源を切り部屋を出た。
 鹿島美紀。マックユーザーであり、鬼堂明と同じ学校に通う幼なじみで、
まだ本人には打ち明けていないが、鬼堂明は鹿島美紀に思いを寄せている。
 廊下に降り受話器を取ると、取り乱したような美紀の声が聞こえてきた。
「明くん、明くんなのね」
「どうしたんだ美紀ちゃん」
「マックが・・・私のマックが動かなくなってしまったの」
「マックが・・・分かった。すぐそっちへ行くよ」
「ありがとう明くん、もう私の手には負えなくて困っていたのよ」
 受話器を置いた鬼堂明は、自分のパソコンばかりではなく、鹿島美紀のマ
ックまでおかしくなっているとは、単なる偶然ではないのかも知れないと思
い始めていた。
 家を出た鬼堂明は、自転車に乗って鹿島美紀の家に向かった。

 鹿島美紀の家に着いた鬼堂明は美紀の部屋に入った。机にはマックの電源
が入っており、モニターには爆弾マークが映し出されている。
「明くん・・・」
 期待に満ちた眼差しで鬼堂明を見つめる鹿島美紀。
「すぐ原因を突き止めるよ」
 鬼堂明はマックの電源を切ったり、キーボードを操作したり、考えられる
全ての方法を取っても爆弾マークしか映し出されなかった。
「美紀ちゃん、いつからこんな状態になったんだい」
「3日ほど前からよ、最初は操作を間違ったのかなって思って、インストー
ルをし直そうとしたんだけどフロッピーも読まないし・・・私のマックが壊
れてしまったのかなってそう思ったけど、こんな事初めてだから修理に出す
前に明くんに見てもらおうと思ったの」
「これは偶然ではないな」
「えっ、何のこと?」
「実は俺のマシンも原因不明の故障をしているんだ。美紀ちゃんと同じ3日
前からだよ、それがちょうど神隠し事件が起きた日と重なっているなんて、
パソコンが故障した原因と何らかの関係があるような気がする」
 鬼堂明が突拍子もないことを言ったので、鹿島美紀は少し唖然とした。
「まさか・・・いくらなんでも飛躍しすぎよ」
 鹿島美紀の反応は、ある意味では当然といえた。彼女は電魔一族の存在を
知らないのだ。鬼堂明も電魔に乗り移られていなければ、二人のパソコンが
同時に故障し、しかもそれが神隠しが起きた日と重なっていたとしても、単
なる偶然だと思ったであろう。
「きゃーっ、明くん」
 突然モニターが光輝いたかと思うと、その光が鹿島美紀の身体を取り込ん
だ。鹿島美紀は悲鳴を上げ、その光から逃れようとしたがモニターに引きず
り寄せられていく。
「美紀ーーーっ」
 鬼堂明が助けようと手を伸ばしたが、光に包まれた鹿島美紀はモニターの
中に取り込まれてしまった。一瞬の出来事に、鬼堂明はなすすべがなかった。
「くそーっ、やはり電魔の仕業かっ」
 悔しがる鬼堂明。モニターの光が消えると、マックのスピーカーから不気
味な声が聞こえてきた。
「クックックックッ、鬼堂明・・・いや、エティーマン。鹿島美紀は預かっ
た、取り返したければ、我が電魔空間まで来い」
「その声は・・・ベンチ魔獣ブイエムーン。そうか、神隠し事件は全て貴様
の仕業だったのか」
「その通りだ鬼堂明、この町にあるパソコンに入り込み、使用者を電魔空間
に取り込んでいたのさ」
「何を企んでいる」
「クックックックッ、知れたこと。この町いるパソコンユーザーをすべてP
C98ユーザーに変えるためさ。それと裏切り者である貴様を殺す命令も受
けている」
「何だと」
「貴様も我が能力は知っているだろう、それでも電魔空間に飛び込む勇気が
あるかね、もっとも貴様が来なければ、鹿島美紀はチャチャベンチの餌食に
なるがな」
「そのために美紀ちゃんをさらったのか」
 怒りを露にするが、鬼堂明は全く手も足も出せない状態だった。
「クックックックッ、待っているぞ鬼堂明」
 その言葉を最後に、スピーカーの声は消えた。
 電魔空間は、ベンチ魔獣ブイエムーンが作り出したテリトリーなのだ。そ
の中では鬼堂明ことエティーマンの能力が殆ど封じられてしまう。だか、行
かねば美紀がチャチャベンチの餌食となって、魂を犯されブイエムーンの操
り人形にされてしまうのだ。
「美紀・・・必ず助けるからな、待っていろよ」
 意を決した鬼堂明はマックのモニターに飛び込んだ。

 電魔空間は見渡す限りの砂漠が広がっていた。空は不気味なほどどす黒い
色に染まっており、ブイエムーンの邪悪な心を映し出しているかのようだ。
「よく来た鬼堂明、果たしておれ様のいる場所にこれるかな」
 何処からともなく不気味な声が聞こえてくる。
「何処だブイエムーン、姿を現せ」
 鬼堂明は叫ぶように言った。
「そんな事をしなくても、お前がエティーマンに変身すれば俺の場所などす
ぐ掴めるではないか」
「き・・・貴様ーっ」
「まぁ、それは出来ないだろうな。我ら電魔一族はパソコンを媒体としてこ
の夜に存在している以上、ウイルスに犯されBIOSを破壊されることが一
番の致命傷になる。それは貴様とて同じ事、我がテリトリーである電魔空間
には、私の作ったウイルスが充満しているのだからね、まさしく飛んで日に
いる夏の虫って奴だな」
「お前ごときに負ける俺ではない、必ず美紀を助け出し貴様を殺してやる」
「クックックックッ、死ぬのは貴様の方だよ」
 声が消えると、突然鬼堂明の身体が砂の中に沈んでいく。
「なにっ」
 何とか脱出しようともがくが、体の自由を砂によって奪われもがけばもが
くほど身体が沈んでいった。この世界がベンチ魔獣ブイエムーンのテリトリ
ーである以上、世界の隅々まで奴の意のままになるのだ。果たして鬼堂明は
砂地獄から脱出できるのか・・・・・後編に続く。
・・・・・・次回予告・・・・・
 鬼堂明はエティーマンに変身し砂地獄を脱出した。だがウイルスに犯され
能力と体力が少しずつ失われていく、何とかベンチ魔獣ブイエムーンの居所
を突き止め、美紀を助けようとするが、エブイエムーンに操られた人たちが
立ちはだかり彼の行く手を阻止する。ウイルスに犯されエティーマンの力を
失った鬼堂明の目に飛び込んだ光景は、鹿島美紀がブイエムーンによってチ
ャチャベンチにかけられようとしている場面だった。果たして美紀の運命は
・・・次回、チャチャベンチの恐怖・・後編・・、お楽しみに。





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