AWC JETBOY第3話(2)


        
#2723/5495 長編
★タイトル (EXM     )  94/ 7/31   9:51  ( 84)
JETBOY第3話(2)
★内容

                 2

 井上誠の復帰戦は志村の乱入劇で幕を閉じた。
 疲労感が未だ奥底に残る試合内容だった。
 ごめんなさい………
 渚はひとり、彼女専用のロッカールームの椅子の上でうつむいている。
 夕日の色は消え、次第に闇夜の頃となる。ロッカールームは暗闇のまま放置さ
れ、電灯の明かりの姿はない。
 涙がぽろりと。
 キャプテンマークに落ちては染み込んでいく。
 試合内容が殺伐としていた事や敵味方関係無く大量に怪我人が出てしまった事
とか誠の殴打された場面など思い出したくもない出来事ばかりが頭を巡る。
 渚は責任を取った。誠がグラウンドから消えたあと、観客やセレソンの選手達、
そして屋敷オーナー等に謝罪し、姉の不徳を詫びたのである。勿論、渚を責める
ことは誰もしない。唯一ルイスが、選手の体力面での不備を罵った程度である。
 涙は枯れなかった。ごめんなさいという呟きの度に瞳から溢れ出す嘆きの泉。
沖縄シーサーズ初代チームキャプテンとしての渚の苦難であった。
 光明を求めたかった。
 バタン!……
 ロッカールームの扉が激しく鳴り響いた。
 通路の蛍光灯の光がロッカールームの暗闇の中に染みこんできた。
 誰かが、このロッカールームに入って来たのだ。
 「渚、泣かないで」と、扉を開けた人物は言った。
 「誠! 」
 渚の目の前に誠の姿が現れた。
 今回の騒動の実質的な張本人である。渚の厳しい、憂いを帯びた視線を感じて、
身を竦める仕種をした。
 「私が、悪かった」
 拳を固く握りしめ、謝罪する。
 「志村とかいう記者には悪いことをした。後で加茂さんにお灸を据えられたし、
私も、振り返ってみて、乱暴すぎると思って」
 しかし、渚の傷は尋常じゃない。
 身内であるだけに、厳しく追求はなされた。
 「みんなに謝ったの! 志村さん、田宮さん、校長先生、国頭君や今帰仁君、
みんなに! 」
 時々声を詰まらせて、激しく責めたてる。
 「…… 。」
 誠は俯いたまま硬直して、一言も発しない。誠の性質を熟知している人物なら、
彼女が自ら他人に頭を下げる道を選ぶ人物か否かは判るだろう。
 そういうものの、後悔していることだけは確かだ。だから、詫びの為に此処に
現れたのだろう。
 いつものことだ。
 渚はこれ以上、誠のたった一人の友達として、自分の事だけを慕ってくれる友
達の事を責め続けるほど厳格な態度を取ることは出来なかった。
 ぼんやりとした、誠の為の微笑みが暗闇の中に浮かんだ。
 「明日、頑張ろ」
 渚の唇からその言葉が漏れた後だった。
 唇は、唇によって塞がれた。
 渚の目の前には、誠がいる。唇を、放さなかった。
 ユニホーム姿のままの渚の体をそっと撫でた。瞳から、脅えの色が消え、よう
やく唇を放した。
 「また、飲んでたの」
 口許から酒気を帯びた匂いが溢れた。気まずそうな顔をして、少しだけだと弁
解する。
 「酒で、悔しかったから、呑んで、憂さを晴らした。いけないね、いつもの事
ながら」
 今日は立場が逆だった。
 「渚、好きにして」
 制服のボタンをすべて外して、素肌を捧げた。渚ほどの重量感はないものの、
豊かな乳房を誠は持っていた。
 誠は、この体を渚への生贄にした。
 「好きにして」
 渚は何も言わなかった。
 ただ無言で、誠の豊かな所に手を延ばしただけだ。
 渚は容赦しなかった。
 「ああっ…… 痺れる」
 何時もよりも強く、抱き締めた。
 そして重ねあった。
 抱き合う二人は、そのまま次のプロセスへと進んでいく。
 誠が渚の秘密の部分をそろりと触った。
 「ねぇ」
 「な、なに」
 「渚のを、飲ませて」
 誠はトレパンの中から、大事な物を取り出した。
 「ああっ。なんて、雄々しい」
 渚は、外見は殆ど普通の女の子である。しかし一つだけ、違う部分があった。
 我慢出来なかった。
 誠の右手が、渚の大切な物を握りしめた。
 「おいしい」
 丁寧に、渚を味わった。
 ロッカールームの窓の隙間から、生暖かい風が入り込む。この時間、クラブハ
ウスに残っているのはこの二人だけであった。
 渚が、誠の体を支配する。誠の、おんなの部分が昇り詰めていった。




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