AWC ●楽戦楽勝ごりら男●その19 知人Rの敗北の巻 ワクロー3


        
#3126/3137 空中分解2
★タイトル (AKM     )  93/ 4/21   4: 6  ( 63)
●楽戦楽勝ごりら男●その19 知人Rの敗北の巻 ワクロー3
★内容

 ◆楽戦楽勝ごりら男◆19 知人Rの敗北

 2ラウンド目。知人Rは『ごりら男』に防御姿勢を取らせ、相手
の出方を見ます。1ラウンド目を完敗してしまったので相手の力量
がどの程度なのか測れませんでした。小学生ゲーマーは『サガット』
を前進。この間1秒もない間合い。知人Rは、飛び込み。緒戦の一
撃をものにしようとしました。

 小学生は『サガット』を手早く後退させて、登りげり。1ラウン
ド目開始のときと同じパターンです。着地する『ごりら男』の顔面
に蹴りがヒットします。ダメージ。

 さっきはここから電撃にいって返し技を食ったので今度はすばや
く引いて自重です。

 両者防御姿勢で動きが止まりました。この小学生。『サガット』
を操っての『ごりら男』の料理の仕方にかなり手慣れています。
『ごりら男』が飛び込んでくる間合いを承知していて、待ち受けて
いるようです。うかつには動けません。

 他の大技ではどうか。ポイントを先取されているので試すわけに
いきません。的確な返し技を受けると致命傷になってしまいます。
仕掛を誘う両者。相手に技をかけさせて返し技を狙おうという考え
で一致しているようでした。それにしても老練な小学生です。

 にらみあいの時間が過ぎました。このままでは、最初にポイント
を失っている知人Rの時間切れ判定負けになってしまいます。ゲー
ム機械の前に再び見物人が集まってきました。

 『ひょっとしたら。。』
 誰もが知人Rの敗北を期待しているようでした。面接の時間に迫
られ、同時にゲームのタイムオーバーに追い詰められた知人Rは、
ついに仕掛けました。ローリングアタック。 とみせかけての飛び
込みです。間合いを詰めての攻撃に反撃の活路を見いだそうと肉薄。
裏をかかれた小学生は、返し技を出し損なって後退。人間の心理と
して次は突撃したくなるところです。

 これを予測して『ごりら男』に電気びりびり防御をとって待ち受
ける知人R。

 完全な頭脳戦です。技量に差がないもの同士がはじめて行える高
度な予測戦術。正確なレバー操作での技の保持。隙あらば間違いな
く相手の死命を制するボタン操作。なんという素晴らしい試合なの
か。TVで全国中継してもいいぞー

 小学生は、知人Rの裏の裏をかきました。電撃にはまるとみせか
けて、大足払いで『ごりら男』の電撃を覆しました。転がされた
『ごりら男』に容赦なく襲いかかる小学生の集中攻撃。

 あっけない幕切れでした。10人抜きの勇者の最後が、こんな形
でやってこようとは。『ごりら男』は敗れました。

 小学生に再戦を挑む時間はありませんでした。面接までの時間が
無いので、まるで敗北を恥じるかのように、ものも言わずに、ゲー
ムセンターを出ていかねばならなかった知人R。

 次回は、その後の知人Rを追いながら、この物語の結末としたい
と思います。


         (以下次回)





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