AWC 『荻窪で1.3kgのカレーに惨敗した』  とてちてた


        
#2813/3137 空中分解2
★タイトル (STA     )  93/ 2/ 7   0:44  (155)
『荻窪で1.3kgのカレーに惨敗した』  とてちてた
★内容

 とてちてた実話シリーズ【1】 『荻窪で1.3kgのカレーに惨敗した』

                                 とてちてた


   その日、カレーなど食べる気は全然無かったのだが、
  匿名希望のH君と、あるてんぷら屋の洗い場のバイトの面接で、
  荻窪までやってきたのだが、無惨にも断られてしまい
  余りにも納得がいかなっかたので、とりあえずぶらぶらと放浪の旅に
  でたのだが、さすが荻窪。始めてきたせいか、何もないのである。とりあえず
  少し腹が減っていたので、タコ焼きが一箱10個入で200円だったので、
  1箱ずつ買ってどっかで食う事にした。
  「おじさん。タコ焼き1箱。」「はい2箱ねー。毎度ー。」
   ん? なんだなんだ!? あっけにとられてしまった。俺は確かに「1箱」
  と言ったのに「2箱」なのである。
  H君はすぐに気づいたらしく、注文をしなかった。
  「ねぇねぇ、俺は確かに1箱っていたよね。」
  「うんうん。あーやって有無を言わさず、倍売ってるんじゃないの。」
  あーこわいこわい。これがタコ焼きだからいいものの、これが
  「味噌煮込み定食ご飯大盛りねー。あ、ビールもね。」
  だったらどうするのであろうか。果ては、
  「おやじさん! テンプラそば定食に、コロッケと肉入れた奴一人前ねー。」
  「はい毎度!23人前ねー。」なんて事になったらどうすればいいのだろうか。
  バルタン星人になって、分身して全部食べなくてはいけないのだろうか。
  でも、そんなことはできない。嗚呼。どうすれば…どうすれば…。

                *****

   まあいいや。タコ焼きは買った。そーしたら、やっぱりドリンクは必需品。
  僕は、午後ティーミルクティー。H君は、デカビタC。
   デカビタCといったらあのサッカー選手がCMの最後に「ばぼらー」ってさ
  けんでるやつである。あの「ばぼらー」と聞こえる言葉はいったい何といって
  いるのであろうか。「ばぼらー」なのか「だばだー」なのか、はたまた「びび
  でばびでぶー」なのか。それとも…、やめよう。キリがない。
   そんな事はどうだっていいのである。とにかくそのタコ焼きを食う場所を探
  し歩いていると、その商店街通りの名前が「教会通り」だったので、
  「これは、教会でタコ焼きを食うしかない!」
   と、H君が言った。別に反対する理由はないので、
  とにかくその通りを歩いて行けば教会に着くだろうから、
  ひたすら歩いたのである
  ところが何という事であろうか、いつのまにか「教会通り」は、
  ぱったりと無くなってしまったのである。どこにもない。
  辺りを見回しても民家民家民家。教会などどこにもないのである。
  途方に暮れて歩いていると、神の救いか、
  公園があったのでそこで食う事にした。
   この公園には、主がいるらしい。あ、別に危ない人がいるわけじゃない。
  この公園に犬を連れ込んだり野球をしたりすると、
  馬場さんがおこるよおこるよーと看板に書いてあるのだ。
  どうやら飯は食ってもいいらしいので、ブランコで食う事にした。
   さあ食い終わった。え? 味? 感想?
  グルメ本じゃないのだ。そんなことはいい。

                *****

   さて、駅の方へ歩く事にした。その途中で何とまぁ。
  私の入りたい会社の1つでもある「東亜プラン」があるではないですか。
  もう、感謝感激無病息災天下太平色即是空って感じである。
   東亜プランが、自社ビルを持っていると言うのは聞いていたが、まさか1階
  がスーパーになっているとは思わなかった。ちょっとスーパーの看板が、
  木などで死角ゾーンになっていたので、
  「ん? スーパー ダイヤ?」
  「いや、スーパー ダイキ?」
  「あぁ、スーパー ダイキチ!」
   と、H君は、2回も間違っていたので、めちゃめちゃくやしがっていたのだが、
  僕はそのとき感動の嵐だったのでほとんど気に止めていなかった。
  感動の余り近づいて、中には「伊東園」の自販機がある事を確認し、おもわず
  「あぁ。このごみ箱は、社員の人が…」と言いながら、
  ごみ箱に触って、また新たな感動でいっぱいになってしまったのである。


                *****

   さて、前置きが長くなってしまった。
  問題のカレー屋である。店の名を言っておこう。
  「カレーならココ一番や! カレーハウスCoCo壱番屋」
   とても恥ずかしい名前である。はじめ、ここを通りかかったときに目につい
  たのが「納豆カレー  ¥550」である。
  「おおっ。何と気持ち悪そうでマズそうなのだろうか。」
  こういった物は、食べないでまずいなんて言ってはいけないのだが、
  これだけは別だ。何てったって、辛くて茶色い物が粘つくのである。
  おまけに玉ねぎや、ニンジンなどが一緒にネバネバと…うおぉぉぅ!!。
  やめておこう。気持ち悪い。
  「あっ。この下にある、挑戦者求むってなんだ。」
  「このカレーを全部食えば、タダだって。」
  「おおーっ!!」
  やるしかない。
  いや、やらなくてはならない。これは天からの使命なのだ。
   こういった大喰い物のコツを聞いた事がある。
  人間は、満腹感を味わうまでにとても時間がかかるそうなのだ。
  だからゆっくり食べてると少ししか食べていなくても
  満腹になってしまうそうである。だから急いで食べた方が良いそうなのである。
   さて、注文である。
  「この、1300g。お願いします。」
  冷静に言った。
  「1300g挑戦しまーす。」
  大声で叫ぶのである。周りの客がみんな見ている。あー、みないでみないで。
  H君は、ビーフカレーを注文していた。
  「それではルールを説明します。」
  うすら笑いを浮かべながら、店員が説明し始めた。
  「20分以内に全部食べてください、途中で席を立ったり、一粒でも残したら
  失格となります。ルーは、いくらでもおかわりができますので、お声をかけて
  ください。」
  説明が終わると、うすら笑いの店員は去っていった。
  「本当に全部食えるの?」
  と、H君がいった。
  「大丈夫。絶対食べれる。」

                *****

  とか何とかいっているうちに、問題のカレーがやってきた。
   すごいすごい。ご飯が山脈のように高く盛ってある。
  中森明菜もびっくりである。
   はたして本当に食えるのだろうか。いや食わなかったら1400円も払わな
  くてはいけないのである。でも、1300gもある。
  ピンとこないかもしれないが普通のカレーは300gで、
  大盛りでも400gである。つまり、普通盛り3杯分と
  大盛り1杯分のカレーなのだ。ちなみにこの量はご飯の量の事である。
  「それでは、スタートです。」
  うすら笑いの店員は、タイマーをそばに置いて去っていった。
   おーおー。食える食える。とりあえず順調に半分ぐらいまで進んだ。
  時計を見る。
  「よーし。まだ6分しか経っていない。このペースでいけば15分以内
  で食える!。」
  「すごいすごい!」
  そこで僕は、確信したのであった。絶対食える!。
   4分の3ほど食べた頃であろうか。男(私) の体に異変が現れた。
  その男(私)にとんでもないほど急激に、
  満腹感が襲ってきたのであった。何という事か、
  あと一杯分ぐらい残っているのだ。男に許された時間は10分である。
  なんとかなるだろうか。ひとすじの冷汗が男の額に流れる。
  9.8.7...4.3分前になった。
   残すところ、スプーン4杯分ぐらいであろうか。だが、もうその男は、
  この19年半の人生で最高値に達するほどの
  胃の負担を味わってしまっているのである。
  「そんぐらい食っちまえよ。あとちょっとだ」
  H君が言った。まさに人ごとである。
  そのとき思ったのである。
  ああ、あのときタコ焼きさえ食わなければ...。

   ピピピピピピピピピ...

  無情にもタイマーが鳴り響いた。
  時間切れである。
  「ハイ、  残念でした。」
  うすら笑いの店員はそー言ってタイマーと引換に
  1400円と書かれた伝票を置いてったのであった。
  「あーくやしー!」
  「もーちょっとだったのにね。」
   その日、家に帰ってからもゲップがカレー風味していて気持ち悪かった。
  でも、いずれ絶対に再挑戦するのだ。その時、また書こうとおもう。


                                 とてちてた





前のメッセージ 次のメッセージ 
「空中分解2」一覧 とてちてたの作品
修正・削除する         


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE