AWC 《主は飲んで鼻垂れて》(3)             カ


        
#2533/3137 空中分解2
★タイトル (JHM     )  92/12/12   9:29  ( 98)
《主は飲んで鼻垂れて》(3)             カ
★内容


         ● act 4 ネバーランドの日も暮れて ●

● 艶っぽい女の声がする。

 「 辛い浮世のウサ一つでも 忘れられたら それで 良いさね 」

● 葛西行徳と元森昭男の2人、やたらフケ込んだ姿にて登場。

  あたかも「これからゲートボール」という感じ。女の声、さらに一つ。
 「 あれから30年経ったのだぇ 30年とって25才さねぇ〜、2人とも 」

● 2人とも、やけにハシャいでいる。

行徳 「 う〜ん、えがった〜、えがった〜 」
昭男 「 また行こうな〜 若い女はえぇのぉ〜 」
行徳 「 まぁな、同じ『仮想現実マシン』でも、ウチのじゃ迫力ないから・・ 」
昭男 「 うっひっひ、あの香り・・・たまんねぇーす 」
行徳 「 香り付きってのは、高くて手が出ないもんな〜 」
昭男 「 歯形もつけてもらったしね・・・ 」
行徳 「 う〜みゅ、芸が細かいな〜 」

● 街角の立体TVの電源が入り、アナウンサーが身ぶり手振りで話し始める。
  「・・・高齢者の生きがい対策として、『仮想現実マシン』の税制優遇措置・
   購入の際の補助金の交付などが検討事項として、厚生大臣の諮問機関である
   QOL向上推進協議会の答申として提出されたのを受け、・・・・・ 」

昭男 「 検討事項ってたって実現しそうもないからな〜
     それにしても、俺達サラリーマンには税金が凍みるぜ! 」

行徳 「 何でも経費、経費って 自由業は良いな〜 」

昭男 「 まぁ『仮想現実マシン』も似たようなもんさ。昔は、南極行く時に
     どうだ、とかで『南極なんとか』って名前だったけど、今は宇宙に
     行く時に、とかで『軌道戦士』とかいう名前がついてんのよな 」

行徳 「 TVのニュースってのは、肌に合わないな (カチャ) 」

● 立体TV、仮面を被った主人公の活劇へと代わる。

    「 ジジババ ジジババ ジジババ ジッジー バッバー ジッジー
    非行老年バッドマンとオジン君は、楢山シティを駆け抜ける・・」

昭男 「 年頃の婆ちゃんにだって、縁が無いんだぜ、俺達 」
行徳 「 グッ、グレてやる〜 」
昭男 「 ジンジンジンジン 腰ジンジン すぐ肩腰に響きます〜 」
行徳 「 あなたも婆ちゃん 私も爺ちゃん 婆〜ジン・ブルース 」
昭男 「 ほほぉ〜 往年の名曲だがや 」
行徳 「 歌番組やっとらんかな 」

● 立体TV、歌番組になる。太った黒縁眼鏡の男が、首には荒縄を巻き付けたまま、
 両の腕をまっすぐ前に出し、掌をダラリとぶら下げ、つっ立っている。似た様な汚い
 身なりのオジサンも同様に首に荒縄を巻き付けて、同じ様につっ立っている。その
 うち、妙なる調べ流れ出し、二人ともが、猫又に操られているかの如くに舞踊る。

 ・・・・・・Never Ending Story〜・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・Never Wedding Story〜・・・・・・・・・・
 ・・・・・・Never 縁談 Story〜・・・・・・・・・・・・・・・

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● 葛西行徳・元森昭男の2人もつられて踊りだす。
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  ・・・・・・Never Ending Story〜・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・Never Wedding Story〜・・・・・・・・・・
  ・・・・・・Never 縁談 Story〜・・・・・・・・・・・・・・・

● 二人ともが、まるで猫又にでも操られているかの如くに舞踊る。

● 不思議にも花びら舞散る。あたりは次第に暗くなり、音楽消え、首に荒縄の男達
  も何処かへ消えていった。葛西行徳と元森昭男は果てる事なく踊り続ける。その
  うち、立体TVの中には一匹の毛並の美しい三毛猫が「稟」として座っていた。

 「 ニャン 」

 と一哭きして、そして

 「 ニヤリ 」

 と笑って手招きすると、2人は画面の中にいた。ゴロゴロとジャレ合う様にしばし
 歩いたかと思うと、画面は

 「 プッツン 」

 と切れて、あたりは闇に包まれた。





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