#2531/3137 空中分解2
★タイトル (JHM ) 92/12/12 9:25 (146)
《主は飲んで鼻垂れて》(1) カ
★内容
( PROLOGUE )
寒風吹きすさぶ並木道。不思議にも花びら舞散る。ズボン、ワイシャツ、ネクタイに
赤い花柄のエプロンをした禿頭の中年男。三味線を抱え、珍妙なる歌を歌いながら舞い
踊っては、高笑い。
禿男「 酒好き 小太り 血圧高い (ベンベン)
コレステロールも また 高い (ベンベン)
それは 何故だと 尋ねたら (べんべんべんべんべん)
ふぉっ ふぉっ ふぉっ ・・・・・・・・・」
そんな事にも全く気に止めない風にコートの衿を立てて二人の若い男がボーッとして
立っている。一人は元森昭男。今一人は葛西行徳。禿男、二人の近くを通り過ぎ、何処
へか消えていった。元森が口を開いた。
昭男「 この3月に ゆかり 結婚するんだってさ・・ 」
行徳「 へぇー、あの子が・・・・・(と少し引き吊る)」
昭男「 ベンツなんか乗っちゃってさ、エラク羽振りが良いみたいだぜ 」
行徳「 ああいう業界って、公共事業の波だとか大きくて、
賄賂やら接待が大変みたいだけどさ 」
昭男「 そだね でも 生命保険うん億円入ってるって言うぜ あの歳で 」
行徳「 あの歳って 幾つなんだい 」
昭男「 28だとか 」
行徳「 金持ちのボンボンには 良くあるパターンだな 」
昭男「 そだそだ 」
行徳「 今さえ良ければ〜 今幸せなら〜・・いざとなったらトリカブトってか? 」
昭男「 ダメだよ 生保会社とか警察のチェック厳しいから 」
行徳「 そうだな ある朝 ベンツのシートの上にゴムホースが置いてあって・・ 」
昭男「 ゴムホースがどうかしたか? 」
行徳「 いやね その上に走り書きのメモが置いてあるんだ
『今日は国産車の方を使ってねっ!』と可愛い字でね 」
昭男「 なんやそれ? 」
行徳「 ベンツの室内が 排気ガス臭くなったら 高く売れないから・・・ 」
昭男「 そだな 若く美しい未亡人に 鯨ベンツは似合わない
彼女には豪邸 そして 大粒のダイヤモンドが指に輝くって訳ね 」
行徳「 ダイヤ? 」
昭男「 そそ 500万円のダ・イ・ヤ さりげなくプレゼントってトコが憎いね 」
ナレーション
「 行徳が、なけなしの貯金をはたき200万円のダイヤを、ゆかりにプレゼント
したのは、先々週の土曜日であった 」
行徳「 やっぱ、チョコレートじゃ 不足だよね 」
昭男「 チョコじゃ甘すぎるぜ プライムレートより格安のチョコレートって処だ 」
^^^^^^ ^^^^^^
行徳「 なはははは、そうだな。酒でも飲みにゆくかい? 」
昭男「 酒好き 小太り 血圧高い (ベンベン)
コレステロールも また 高い (ベンベン)
それは 何故だと 尋ねたら (べんべんべんべんべん)
ふぉっ ふぉっ ふぉっ・・・・・・・・・」
行徳もつられて、同じ歌を歌いながら、珍妙なる振りにて舞い踊る。沈む夕日の中に
二人ともが消えて、夜となる。
禿男「 こんなに寒いと 鼻水も出ようぞ なぁ〜 」
● act 1 スードラ伝説 ●
元森昭男、葛西行徳の二人は、全国チェーンの安飲み屋でしこたま飲んだ。ふらふら
と酔っぱらって、千鳥足で歩く二人。さんざんぱら、女どもの悪口を垂れる。高歌放吟
を始める。
・・・・・・・・・心配ないからねっ、信じる事さ〜・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・必ずっ、最後に愛は勝つ〜〜っ!・・・・・・・・・
昭男 「 愛って何だ?おひおひ?・・」
行徳 「 給料3カ月分の指輪? 」
昭男 「 これで3カ月分って言ってみろよ・・・ハイ、それまで〜よ〜 」
行徳 「 必ず 最後に 銭は勝つ〜 KANE 」
昭男 「 ダイヤモンド に目は眩み とは言っても ものによりけりとね 」
行徳 「 ふざけやがって、ふざけやがって、ふざけやがって、このやろ〜 」
二人 「 酔睡スードラだった すらすらすいすいすい〜 っと・・・ 」
調子に乗って手拍子をはじめ、ついには二人は、掛合でラップを始める。
・・・・・・・・・ワンレン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワンレン・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ボディコン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ボディコン・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・レンコンブス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ブスブスブッス・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ブスブスブッス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・レンコンブス・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・どこを切っても・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・金太郎飴で・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・穴だらけの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スッカスカ・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・スッカスカの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・穴だらけ・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・穴だらけの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スッカスカ・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・スッカスカの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・穴だらけ・・・・・・・・・・・・
M.C.ハマーばりに処狭しと踊りまくる。
● ナレーション(女性の声)
インドのカーストには4段階ある。バラモン・バイシャ・クシャトリア・スードラ。
そして、その下にさらに「不可触賎民:アンタッチャブル」という層もある。資産格差
のさほどについた時代。「東京カースト」という言葉もある。社長の坊ちゃま、ヤング
エグゼクティブ。若くして役員。略して「ヤンエグ」。三高一流企業勤めの「キープ」
、貢ぐ資力は持っている「貢君」。車を買ったら、後は何も残らない「アッシー君」。
そして、女性と接触する事も不可能なアンタッチャブル。古文風にいえば、つまりは、
「 よし よろし わろし アシ 」
そして最後は、言わぬが花。
ムーミン
ねぇ貧民!あっち行って!わかるでしょ!男の子でしょ!だからねー!あっち行って! ● act.2 日々の演習 ●
女 「 いずれのあはんうふんのときにかにょうぼうこういおまたさぼらいけるなかに
いとひめごとなるきわものにはあらねどきわめてときめきたるありけり・・」
男 「 マンネリの明け暮れの中、掘り出し物のAVをみつけ・・・・さりとて・・・
中東へ、中東へ、と『大国の責務』として何十億ドルと言う金が・・・・・」
女 「 ノーブレス・オブリジェ: NOBLESSE OBLIGE 高い身分に伴う義務 よね!
男 「 ノーブラス・ネグリジェ の方が気持ち良かろう・・・ 」
女 「 ふ〜ん チャイナ・シンドロームの次はそれ? ランジェリーの本なんか
買い込んで ニタニタ笑って フェティッシュ〜 変態〜!!! 」
男 「 女だっておんなじだがや〜 じゅるじゅるなるままにひぐらし こころに
うかぶいやらしごとを じゅるじゅるなるままにやりつければ だがや!」
女 「 そんな事してないわ! 」
男 「 俺をほったらかして スキー行ったじゃにゃ〜か〜? 」
女 「 苗場にスキー行ったくらい どうだって言うのよ! 」
男 「 苗場・・・ なえる前には立っとる・・ なえる直前気持ちえぇ〜・・」
女 「 何言ってるの? ヤラシーんだから 私はせいぜいキス・マーク付ける位で
あっ いけない・・・ 」
男 「 それみろおみゃ〜だって 同じ事やっとるがや! 俺が 歯形付けて朝帰り
したって どうって事ないがや! いい加減にしてちょ〜! 」
女 「 なに? 歯形って ちょっと あんた 脱いでみなさいよ〜 こら! 」
男 「 焼いとるのか〜? 」
女 「 あだしののつゆ と消える時には焼いてやるから楽しみに待ってなさいね 」
男 「 おぉ、こわゃ〜 裏庭にトリカブトにゃ〜だろうな〜 」
女 「 タブン サリン ソマン って神経ガスは各種取り揃えておりますが・・」
男 「 タブン ソマン って おみゃ〜の事か? 」
女 「 人の事 言えた義理? 保険金の増額勧められてるんだけど・・・ 」
男 「 サミュエル・ウルマンの『青春の詩』 」
女 「 都合悪くなると すぐ 話をそらす 」
男 珍妙なる歌を歌いだす
" Gobo in the Pacific , Pacific , Pacific ・・・・・・・・・・・・・・・・ "
すぐさま 女に蹴りを入れられて 倒れる。