#2360/3137 空中分解2
★タイトル (VHD ) 92/11/15 12:47 ( 31)
真昼の風景2 晶
★内容
駅の伝言板前が俺達の約束の場所。
今日も先に来て待っているのは彼女のほうだった。
「もぉ、やっと来た!」
俺に気付いた彼女は意地悪く笑って言った。
「ごめんごめん」
つられて笑い、彼女のほうへ向かった俺の動きは一瞬とまった。
彼女が立っている場所のすぐそばにある伝言板に、見るからにふてぶてしい
兎の絵が描かれているのだ!
(……あの兎は彼女が描いたのか……? いや、まさか……)
人間、1度疑うとどうしてもその考えを拭い去れないものである。
俺もそんな1人だ。
彼女が心配顔で俺の顔を覗きこむ。
「どーしたの?」
「い、いや、なんでもない」
「ふーん。ならいいけど……。ねっ、どこいこーか?」
彼女は微笑んで言った。
(可愛い顔して描く絵はあんなにふてぶてしいのか……。この二重人格が!
はっ! 俺って奴はなんてことを考えてるんだ。彼女があんなものを描くわけ
ないじゃないか。しかしあの絵を他人が描いたという証拠もない……)
つきあって3年目。
それは彼女にいだく初めての疑惑だった……。
End.