#2161/3137 空中分解2
★タイトル (MWH ) 92/ 9/20 9:23 (132)
Eternal Promise(脚本)《2》 JING
★内容
シーン6喫茶店 霊媒師と美弥が座っていて、剛史はその辺りをウロ
ウロしている。
美 弥 霊媒師の方が、私に何の御用でしょうか。
霊媒師 あなたの彼氏、剛史さん。
美 弥 剛史は、もう死にました。
霊媒師 その剛史さんが今、あなたの後ろにいます。
美 弥 剛史が。 ウワーッ、気色悪い。
私の背中に背後霊のように、取り付いてんの?。
早く、追っ払ってよ。 あんた、霊媒師でしょう?。
霊媒師 彼、あなたの事が心配で、天国に行けないようだよ。
美 弥 そんな事、私が信じると思う?。 私、パッパラパーだと自覚して
いるけど、そんなおバカさんじゃないわ。
剛 史 愛してる。
霊媒師 愛してると言っている。 剛史さんが。
美 弥 剛史、生きていた頃はそんな事言ってくれなかったわ。 いつも、
「すいちょるねん。」としか言ってくれなかったわ。
剛 史 美弥、すいちょるねん。
霊媒師 「美弥、すいちょるねん。」だって・・・。
美 弥 もう良い加減してよ。 ひとをバカにするのも、程々にして。
帰る。
剛 史 おい、美弥。 ちょっと、待ってくれ。 俺は、ここにいるん
霊媒師 そんなに叫んでも、無駄だよ。 あのコには聞こえないんだから・
・・。
剛史は気を落とす。
ナレーター 剛史と霊媒師は店に戻り、途方に暮れていた。 剛史の強い思いに
負けた霊媒師は奥の部屋から、古ぼけた厚い本を持ち出して来た。
その本には、【他人の体を借りて蘇る方法】という文字があった。
これには、5つの条件があって、
5つの条件を満たさないと、決して蘇る事が出来なかった。
1.死後硬直が始まる前の死体であること。
2.同性であること。
3.乗り移っても、3週間経つとその体から離れなければならない。
4.午前0時以降、食事すると性格が凶暴になる。
5.その体の人生を背負わなければならない。
霊媒師は条件を剛史に言い聞かせて、乗り移る術を教えて、病院に
向かった。
シーン7病院の霊安室 剛史と霊媒師は忍び込んで来る。
霊媒師 この男はどうかな。 あんまり、格好良くないと。 これはど
どうも、イマイチ。 良い男、いないね。
剛 史 おい、ちょっと。 顔の見てくれで、決めちゃうのかよ。
霊媒師 この男、格好良い。 これにしよう。
剛 史 あれ、この男。 何処かで会ったこと、あるようなないような。
まっ、良いか。
剛史は精神統一し、乗り移る呪文を唱えて、その体に乗り移った。
霊媒師 ちょっと、あんた。 起きなさいよ。 乗り移りに成功したん
剛 史 うっ、俺は?。
霊媒師 親指に付いていた名札を見ると、名前は『河島功蔵』、弁護士みた
いだよ。
功 蔵 河島功蔵は、俺だ。
剛 史 何処にいるんだ?。 功蔵。
功 蔵 俺の体に決まってんだろ。 このバカ。
剛 史 俺の体って、俺の体?。
ナレーター 剛史が功蔵の体に乗り移ったため、離れかけていた功蔵の魂も剛史
の魂に便乗して、自分の体に戻ることが出来た。 2つの魂の入っ
た体は、二人で共有することになった。
功 蔵 つまり、そういう事。 じゃあ、ヨロシクな。
剛 史 あっ、思い出した。 俺を殺したのは、お前だな。 きさまー
功 蔵 そんな事もあったな。 そんな小さなことで、ガタガタ言うな。
一つの体を二人で共有することになったんだから、まぁ仲良くやろ
うぜ。
ナレーター 剛史と功蔵の妙な生活が始まった。 周囲の者には、河島功蔵にし
か見えないのだ。 もし正体がばれたら、その時点で剛史も功蔵も
終わってしまう。 その為、剛史も河島功蔵になりきらなくてはな
らなかった。 功蔵の魂が眠っている間も、剛史は決して自分の正
体を明かす事を許されなかった。
功蔵は何かを企んで、《マンハッタンコーポレーション》の企画部
にスーパーアドバイザーとして参加することになった。
シーン8《マンハッタンコーポレーション》のミーティングルーム
剛史の計画のミーティングを行なっている。
ナレーター 剛史の計画は美弥が引き継いで、実行にと話を進めている。
美 弥 来週にでも現地に行って、大詰めの調整を行なって来ます。
電話が鳴り、竜が出る。
竜 はい、もしもし。 カツ丼、二人前。 ここは、そば屋じゃあ
んでー。 《マンハッタンコーポレーション》です。
美 弥 間違い電話?。
竜 いや、ちゃうちゃう。 江川の親会社の《レッドスリーコーポレーシ
ョン》という香港の会社が関東に乗り込んで来て、マンハッタンを買
収しようとしているんや!。
全 員 なんだって?。
美 弥 それじゃあ、あの企画も?。
竜 どうも、あの企画が目当てらしいで。
ナレーターの間に場面が変わる。
ナレーター この状況に困った剛史は一か八か、マンハッタンと美弥を守るため、
功蔵と取り引きに出た。
功蔵の体から出て行く代わりに、功蔵の弁護士の力を利用して、
《レッドスリーコーポレーション》を業界から抹殺するように頼ん
だ。 功蔵はOKした。
功蔵の弁護士の力は大したもので、次々と《レッドスリーコーポレ
ーション》の弱点を暴いて行った。
その中で、意外な事実を発見してしまって、功蔵と剛史は大ショッ
クを受けた。 功蔵と剛史は腹違いの兄弟で、《レッドスリーコー
ポレーション》の社長、ポン・チェーンの息子だった。
剛史と功蔵は力を合せて、父の復讐に出ることにした。
シーン9《レッドスリーコーポレーション》の社長室
功蔵はポンを訪ねる。
ポン 青田功蔵君と言ったね?。 私に何の用かね。
功 蔵 あなたに、このビデオを見てもらいたいんだ。
ポン ほー、どれどれ。 私に見せたいのなら、よほど面白いんだな。
ポンは功蔵から渡されたビデオをデッキに入れ、再生ボタンを押した。
ポン 功蔵君、こんな面白いビデオ、どうやって手に入れたんだ?。
テレビから、変な喘ぎ声が聞こえて来た。
功 蔵 違った。 そのビデオは昨日、俺が借りて来たものだった。
こっちだ。 こっち。
功蔵はもう1本、ポンに渡した。
ナレーター 功蔵が渡したビデオは、ポンが山口組と麻薬の取引をしている現場
を撮ったビデオだった。 これを利用して、ポンにマンハッタンか
ら手を引かせようとした。 でも、ポンはビクともしなかった。
功 蔵 このビデオを警察に持って行けば、《レッドスリーコーポレーショ
ン》はどうなりますかね。
ポン 警察?。 さて、どうなりますかね。 我が社は警察と肌と肌との
付き合いしているから、警察に持って行っても無駄ですな。
ワッ、ハハハハ。 功蔵君、お帰りのようだ。
あっ、そうそう。 今度、《マンハッタンコーポレーション》の株
主会議に私も出席して、マンハッタンを買い占めるつもりだ。
ヨロシクな。
功 蔵 クソッタレ、覚えてろよ。
ナレーター ポンの言う通り、麻薬取引現場を撮ったビデオを警察に持って行っ
ても、警察は取り扱ってくれなかった。 逆に功蔵の事を名誉毀損
で、逮捕しようとする始末。
剛史と功蔵に残された時間は、もう1週間を切っていた。
Continaution