#1821/3137 空中分解2
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リレーQ>ブッシュ大統領殺人事件(28) ゐんば
★内容
いきなりFEPの話になって恐縮だが、巷ではATOKのことをバカだアホだ
ポンポコピーだと言っているが、私の見るところどうしてどうしてなかなかの記
憶力である。その証拠に二人ブッシュの会話なんぞを書いていたものだから、あ
れ以来打つ文打つ文みんなカタカナに変換してしまって書きにくいことおびただ
しい。
女は病院への道を歩いていた。
話はいつもこのように唐突に続くのである。あの女、そう、最初のシーンで新
聞を読んでいて、喫茶店でテーブルを蹴飛ばしてカップをぶち割り、地下鉄で寝
ていた、例の女である。
(ああ、どこにいるの私のクーパー、私はこんなに愛しているのに。あなたのこ
とを思うと胸がはりさけそう。いてて)
痛む胸を押さえながらJTの角を曲がった。
病院はなかった。
確かに虎ノ門病院のあったはずの所には、うずたかく瓦礫の山が積み重なって
いる。
女は呆然と立ち尽くしたがやがて無性に腹が立ってきた。
(……なんてことなの。クーパーはいないし、病院はないし、名前はつかないし)
「お嬢さん、お悩みですね」
見ると瓦礫の山がむくむくっと盛り上がり、中からサングラスの男が這い出し
てきて愛想笑いを浮かべた。
「いい名前の掘り出し物があるんですけど、お一ついかがで」
「……名前」
「うぷぷ、これからストーリーに食い込んでいこうというのなら今のうちに揃え
ておかないと」
「うーん」
「ね、これからあんたとクーパーが運命の出会いをするかもしれないじゃん。そ
んなときに、『私のクーパー』『おお、最初のシーンで新聞を読んでいて、喫茶
店でテーブルを蹴飛ばしてカップをぶち割り、地下鉄で寝ていたひと』じゃしゃ
れになりませんよ」
「そうねえ……」
「もしかするとこの先、ベッドシーンだってあるかもしれない。それがあーた
『ああ、クーパー、もっと、クーパー、来て、』『あっ、最初のシーンで、うん、
新聞を読んでいて、喫茶店で、はあ、テーブルを、おお、蹴飛ばして、うっ、カ
ップをぶち割り、いい、地下鉄で、んっ、寝ていたひと』じゃ金星力士インタビ
ューですよ」
「……ねえ、どんな名前」
「お任せあれ。とっておきのを用意しました」
「見せて見せて」
「これです」
「……『神林平介』?……外務省欧米局次長53歳……?」
「いやあ私どもも困ってるんですこの人、名前だけは出てきたんですけどね、そ
うなんです虎ノ門病院に通院するはずだったんですけど、結局出番の無いままに
病院はぶっこわれちゃうし、ね、今なら名前が空いてんです、こんなチャンスな
いですよ、お安くできまっせ、どーでしょ、そんなあーた外務省欧米局次長なん
てなろうとしてなれるもんじゃないんだから、ね、いかがです」
男の股間にけりがはいった。
「ふん」
(ストーリーはなんら進展しないまま続く)