AWC Q星の科学調査団             遊遊遊遊


        
#1621/3137 空中分解2
★タイトル (PPB     )  92/ 4/25  22:52  ( 39)
Q星の科学調査団             遊遊遊遊
★内容

 「スベラーズ」なんていう商品があるが、これは、階段のスベリ止めであ
る。 街へ出ると、階段はいたるところにある。 一見、スベリ止めのよう
に見える新素材が使われている階段もあるが、実はそうではないのもある。

 駅の朝のラッシュアワーは、いつものとおりだ。 次々と到着する超満員
の電車から、勤め人や学生の大群が吐き出される。 狭い「階段」に、この
大群が殺到する。 大群衆も階段に来ると、「牛歩」になる。 人の波がゆ
っくりと階段を登っていく。

 これを狙って、足元のスベリ止めから宇宙光線が発射される。 宇宙光線
は、階段を上っていく一人ひとりの尻の穴から入り、胴体を通過し、脳天を
突き抜ける。 最新のファッションのお嬢さんも、背広姿の初老の紳士も、
だれ一人として、例外はない。 各個体を突き抜けたこの光線は、一直線に
上昇し、宇宙のある一点に集められる。

 Q星では、宇宙の田舎にある「天の川銀河」を調べていた。 その銀河の
中に屁のような小さな恒星があり、惑星をいくつか持っていることは分かっ
ていた。 その惑星のひとつに、二本足で歩く生物が異常繁殖して、爆発的
にその数を増やしていることも、分かっていた。 同じ星に棲息しながら、
他のすべての生物を圧迫し、同士討ちもやる、変な生物の大群がいる。
 この二本足で歩く生物は、自分たちが環境を破壊しながら、「地球にやさ
しく!」なんて、生意気なことを言っている。 これは、研究に値するとい
うことで、Q星の科学者の興味を引いたのだ。

 Q星の科学調査団は、地球にやってきた。 サンプルとして、日本を選び
、日本人のオスとメスを研究することとした。 彼らは駅改装のチャンスを
とらえて、階段に宇宙光線の発信源を埋め込んだ。 以後、この発信装置は
順調・正確に作動しており、宇宙光線を連日発射している。

 階段を上る全ての個体を通過し、情報を吸い取った宇宙光線は、宇宙の一
点に遊ぶUFOに集められ、そこから、××光年も離れたQ星に刻々と送ら
れている。 UFOの情報士官が、苦労している。 彼は、現在、データを
集積中で、分析はこれからであるが、「臭いデータ」に悩まされている。

 朝、済まさないで、出勤する固体の数が多いらしい。

            1992−04−25   遊遊遊遊(名古屋)





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