#1397/3137 空中分解2
★タイトル (DDM ) 92/ 1/19 21:38 ( 30)
月とドライブした話 ∞☆黒羊
★内容
雨降りの金曜日、ボクは独りでクーペを走らせた。仲間たちとのミーティングの
為に集合場所の港へ行くのだ。通りの少ない夜の国道を飛ばしていたが、ついに信
号に捕まった。
信号待ちで停まっていると、助手席の窓を叩くものがいる。そちらを見ると女が
独り。どうやらヒッチハイクらしいが、大して荷物ももっていない。少し変だとは
思ったけれど、可愛い娘だったし置いてきぼりを食ったらしいので乗せてあげた。
赤みがかった黄色のドレスに、星座をあしらった傘。セミロングの漆黒の髪、幼い
感じの可愛い顔。なんて言うか、いつもどこかで見ている顔、姿。でもどこで見た
のか思い出せない。
「どこまで行くの?」と聞くと、
「海が見たいの」と答えた。
「どこの海?」と聞けば、
「どこでもいいわ」という。
それならばとボクは集合場所の港に急いだ。どこの海でもいいのだから。
着いたとたん、ボクは散々冷やかされた。いつもは独りのボクが女を連れてるんだ
から当然だ。
雨はいつのまにかあがっていたが、晴れてもいなかった。その夜は一晩飲み明かし、
「そろそろ帰るか」と誰かが言ったのはいったい何時頃だったのか?
さっきまで居たと思った女は居なくなっていて、クルマのシートにメモが1枚。
『送ってくれてアリガトウ』の文字とちっちゃなピンクのkissマーク。
さよならくらい言ってくれたってと思いながら空を見ると、赤みがかった黄色い
満月が浮かんでいて、優しく微笑んでいるように見えた。きっと彼女は雨なのを
いいことに降りてきた月だったのだろう。
今日は(いつも)Lunaticな ∞☆黒羊でした