AWC 「氷梢」                 由布子


        
#1352/3137 空中分解2
★タイトル (KPG     )  91/12/28  22: 2  ( 24)
「氷梢」                 由布子
★内容

  「しらを切るつもりか。」
  「はっきりおっしゃって下さい。高伊達さんのお話はまわりくどいし、自分
   勝手だから、頭の悪い私には理解できません。」
  「やっぱりお前が...。」
  「私がどうしたというんですか?」
  「お前が彼女を苦しめたんだな。」
  「彼女って、誰のことですか?」
  「ちょっと優しくすれば、つけ上がりやがって。なに様のつもりなんだ。」
  「どなたかと喧嘩でもなさったの?」
   朱鷺子は高伊達のワイシャツの血痕を目でなぞった。
  「その目はなんだ。俺を馬鹿にするつもりか。」
   高伊達の片腕が上がった。
  「二度と彼女には近づくな。分かったな。もし......。もし、その時
   は、俺はお前を殺すからな。」
   高伊達の酔いの赤い目に涙が浮かんだ。
  (不合理。けど、よくあること。)
   朱鷺子は打たれてもいいと思った。
  「私は嘘は言ってはいません。でも、高伊達さんが嘘だと思ってらっしゃる
   なら、それでも結構です。」
  「素直にあやまる気もないんだな。何の取り柄も無いくせに、生き方だけは
   したたかな....。」
   高伊達の腕が振りおろされた。
                                                           つづく




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