| 「氷梢」 由布子 |
#1350/3137 空中分解2
★タイトル (KPG ) 91/12/26 21: 4 ( 20)
「氷梢」 由布子
★内容
「それは、加納夫人のプライドだからだ。」
「そうかもしれない。けど、彼女は私が持っていないものを全て持って
いるわ。」
「全てを持っていても虚しい人間はいるものだ。」
「あなたは虚しい?」
「僕は彼女のような虚しさから起こる衝動の虚しさを知ってしまった。」
「彼女は虚しいから、異性を求めるの?」
「彼女にとって高伊達は、君が求めている異性であるべきだったんだ。」
「複雑ね。なんとなく加納夫人がかわいそうだわ。」
「そう思うのは早計なことだ。彼女の単なる配役の選定ミスだな。」
「私が彼女の虚しさを埋めるわき役に選ばれていたということ?」
「そうだな。朱鷺子がいなければ、高伊達と加納夫人の恋愛は成立しない。」
「恋愛には羨望の目が必要なの?」
「必要とする人間もいるということだ。」
「美しくないわ。」
「美しくないか。朱鷺子らしいな。じゃあ、それを開けてごらん。続きはその
後だ。」
つづく
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