AWC Pandora's box(1) A-Pierrot


        
#1250/3137 空中分解2
★タイトル (EFF     )  91/10/31  17:51  ( 78)
Pandora's box(1)   A-Pierrot
★内容


小さな詩の集い


(Number --)

少女は敵の陣地にいた


(Number 21)

どんな弾痕を
幾つ残そうとも
戦争は正義の為であり
戦士は英雄だった


(Number 22)

咲く花火を横切る戦闘機
御玉杓子の乗ることのない五線を引きながら
陸奥風に舞うファッションショーにさえ
喝采は止まない
隣でくすぶる火種を眺めながら


(Number 23)

その後、山河がどうなろうと
「名誉ある戦没者」は二度と立ち上がらず
「其の他大勢」も又歴史から消えるのみ


(Number 24)

名前さえない少女は盲目の父の手を引く
その瞳は肩に乗せられた手でのみ伝わる
遠い列の何千億もの手によって
ゆっくり ゆっくり


(Number 25)

右手を挙げる大統領
従う無数の軍衆
血糊を拭ったその手を狙う
小さなハンターたち


(Number 26)

古樽と麻袋に全身を預ける少女はファインダーの奥を捕らえていた
回りを囲む焦げた谷や平原に生える死者たちの中
見上げる空は爛れそして澄んでいた
少年を拭うことのできない軍服は両手で銃を握り胸を張り視界を細め
一点の虚空から動くことはなかった


(Number 27)

戦争を知っていた大人の戦争を知った子供に
それでもまだ
二十一世紀を託すのですか


(Number 28)

敷かれた一本のレールは幾つもの国を跨り
トロッコに繋がれた鉄製の腕輪は
たった一つの太陽に輝く


Zeus!

       [ No.21 - No.28 ]
           A-Pierrot





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