#981/3137 空中分解2
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ああ、カトマンズ KEKE
★内容
本当のこといって、私が世界で一番好きな都市はカトマンズであ
る。カトマンズには全てがある、といっても過言でない。
なぜカトマンズが好きかという理由のひとつにガンジャの存在があ
げられる。ガンジャとはマリファナのことである。現地ではマリフ
ァナのことをそうよんでいる。
ネパールにおいてもガンジャは禁止されているのであるが、事実
上野放しである。取り締まりはきわめてゆるい。
その理由のひとつに、ガンジャが庶民に密着していることがあげら
れると思う。人々はタバコのかわりにガンジャを吸うのである。な
ぜならタバコは工場生産物であり、一般庶民にとってきわめて高い
のである。それに対してガンジャすなわち大麻草はそこいらにいく
らでも生えているわけだから、自分で取ってくればタダである。
こういう事情でガンジャはタバコがわりによく吸われているので
ある。
もうひとつ理由をあげれば、ネパールにおいて1970年代前半
までガンジャは別に禁止されていなかったということがあるかと思
う。ガンジャを吸っても罪にはならなかったのである。つまり合法
だったわけである。
というようなわけがあって、余程のことをやらないかぎり、例え
ば警察の前で吸うとか、まずは大目に見られていたのである。
私がカトマンズにいたとき、率直にいってガンジャを吸いまくっ
た。朝起きて一服、昼ごはんを食べて一服、夜寝る前に一服、てな
調子で朝昼晩吸いまくったものだ。
ガンジャを吸うとどんな感じになるかというと、それはひとによ
っていろいろ違うのである。あるひとは、ただ眠くなるだけだった
りするし、あるひとは効きまくって飛びまくったりする。
私の場合は目と耳にくることが多かった。
目にくるとどうなるかというと、遠近感がおかしくなるのである。
自分がどんどん縮んでいって、回りのものがどんどん大きくなって
いく、という錯覚に陥ることが多かった。
部屋のなかにあるベッドや机が巨大化して、自分が蟻にでもなって
しまったような感じになる。
またあるときは、ふと自分の指先を見ると、それが何キロも先に
あるように思えたりするのである。
とにかく遠近感に狂いがくるのである。
これが耳にきた場合はどうなるかというと、音楽がきわめて美し
く聞こえてくるのである。ちょうどシャワーを浴びるように、音が
物理的に液体状になって頭上から降り注いでくるような感じだ。
また、聞いている音楽のギターの音に注意がいったとすると、そ
のギターの音だけがボンと他の音から分離して聞こえてくるのであ
る。
よくミュージシャンがマリファナをやって捕まっているが、吸い
たくなるのも無理なと思う。あれだけ音が美しく聞こえてくるのな
ら。
私は別にマリファナの進めをしようという訳ではないが、少なく
とも害があるとしてもそれは酒やタバコと同程度だということはい
いたい。麻薬は中毒するのが恐いというが、酒のほうが余程中毒す
るし、肺ガンはタバコのほうがなりやすいのである。
そういった意味でマリファナ、ガンジャは麻薬という不当な評価を
背負わされているといえる。
さて、カトマンズは別にガンジャだけが取柄の町というわけでは
ない。古くからの町並みは微細な彫刻がほどこされていて、思わず
はっとする美しさがある。市内には旧王宮や、猿のいるスワヤンブ
ナート寺院をはじめ観光名所ににはことかかない。古くから栄えた
インドラ・チョーク通りの雑踏を歩くと、道の両側にはさまざまな
物売りたちが塩辛声をあげて客を呼び込む。回りは群衆が渦を巻く
ように行きかっている。そんな人々の圧力を感じながら歩いている
と、ふと別の星のバザールを歩いているのではないかと思ったりす
る。ここは日本とは何もかも違う。人々の顔も言葉も衣装も風俗も
建物も町の空気さえ違っている。
カトマンズに一度行ってみても損はないと思いますよ。
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