#802/3137 空中分解2
★タイトル (HHF ) 91/ 3/ 8 23:18 (154)
CAMPUS> 不屈の学園都市 (10) ■ 榊 ■ (11/75)
★内容
「綾さんが…………誘拐された」
「は?」
またしばらく沈黙が続く。
「綾さんが喜多川の奴らに誘拐された」
御影は綾を誘拐した二人組を思いだした。
一度、御影はあの二人に会ったことがある。
校長のライバルである喜多川の私兵である。
美那と菜緒は理解した。
「それで、その<喜多川>とか言う人の所に殴り込みに行くわけね」
御影はうなずいた。
部室前。
菜緒が鍵を差し込み、ドアを開けた。
御影はそれを見て、不思議な顔をした。
「たしか、ドアの鍵って、指紋照合だって聞いたけど……」
「ノブを触ったときに指紋照合。それがあって初めて鍵が開く仕組み!」
「私のアイデアなの」
菜緒はドアをカチャリと開けると、3人は中に入った。
中では割烹着姿の阿修伽が掃除をしていた。
6本の腕を巧みに使って掃除をしている。
「あっ、master。おはようございます」
「掃除できた?」
菜緒は阿修伽の方に行き、美那と御影は端にある小さなドアにむかった。
ドアを開けると御影が先に中にはいった。
美那は壁にあるスイッチを押し、明りをつける。
その部屋は、となりの研究上の3倍の広さがあった。
見渡す限り棚やラックがあり、制作部で作った物が置かれていた。
天井は高く、棚はそれぞれ3m近くあった。
例えれば、少し暗めの体育館と言った所だろう。
はじの方には、10mちかくあるロボットがひっそりと立っていた。
御影と美那は大体まん中にある通路に入り、15mほど行って止まった。
左側には武器類が、右側には弾薬類が山と言うほど置いてある。
右側の棚のガラス戸を開け、緑色の箱を2つほど取り出す。
「はいっ。これね」
「ありがとう」
御影は受け取ると、さっそくベルトやポケットにいれ始めた。
「それ速攻性だから……。1秒ほどで普通の人は寝てしまうわ……。効き目は大体3
時間ていど」
御影は残りの20発をMX−4のマガジンにつめ始めた。
「17、18、19、20。よし、用意完了」
御影はマガジンをMX−4に入れると、腰に着けた。
美那はその隣にある、服が陳列してあるところに行き、実験のときに先生が着るよう
な白いコートを取り出し、着た。
「何をしてる」
御影はおおよそ見当はついていたが、聞いてみた。
「人体実験の課外講習に行く用意」
「平たく言うと」
「手伝わして!」
美那がにじり寄ってきた。
予想した通りの答えが返って来る。
「お前が、こういうこと好きなのはよーく知っている」
こいつのせいで何度呼び出され、何個傷を作ったか……
御影は苦い経験を思い出していた。
しかし、御影はあきらめていた。
こいつには何を言っても無駄であることはよーく知っているからだ。
何があろうとも、暴れることならすぐ顔を出したがる。
御影はあきらめて、歩き出しながら後ろの美那に言った。
「好きなようにしろ。だけど、人は殺すようなまねは、するなよ」
それを聞くと、美那は喜んでどっかに行ってしまった。
やれやれと思いながら御影は上着を着た。
「あっ、植物人間っていう手もだめだぞ、」
御影は付け加えた。
その時、美那は、上着に入れようとしていた2本の試験管を名残りおしそうに
元の棚に戻した。(おいおい)
その棚には、1〜5と書いてあり、それぞれ試験管やら、箱がつまっていた。
上には“ドラッグ”と書いた板があり、それぞれ、
1には“廃人もしくは、地獄行き。”
2には“植物人間もしくは、意識不明行き。”
3には“細菌関係。”
4には“麻痺関係。”
5には“その他。”
と書いてあった。
美那は1と2はやめといて(おいおい3も……)色々な物を取り出し、上着の中にし
まった。
その時、ドアから出ようとしていた御影から神の声が放たれた。
「おい、美那。細菌類もだめだぞ」
こうして、世界が救われたことを誰も知らない。
2
さて、美那が行くと言えば絶対に菜緒もついてくる。
こいつら、仲がいいのか悪いのか知らないけれど、ともかくいつも一緒なのである。
そして菜緒がついて行くとなれば当弍阿修伽がついてくる。
こうして、4人になり、その4人は一路、綾救出に向かった。
ACT 12 榊
中国美里 < ナカグニ ミサト >
副会長をやっている、背の高い美少女。そんじょそこらの男より気が強く、主に命
令する事を仕事としている。
中条裕美 < ナカジョウ ユミ >
会計をやっている、背の低い、かわいい女の子。事務のいっさいを仕切っている切
れ者。
岡田由岐 < オカダ ユキ >
書記をやっている、ボーイッシュな女の子。コンピューターの扱いがうまく、すべ
ての情報をひきだす、情報係り。
情報部部室 −−−−
A:「あれ、御影さんじゃ……」
第二校舎 廊下 −−−
未杉:「御影が?」
生徒会室 −−−−
「暴走したか」
『目、真っ赤にしてたって』
男はいかにも楽しそうな顔で、時計と話していた。
顔が異様に整っている。
と言っても、女の様な顔でもない。
まして、いかつい顔でもない。
もしこの男に合ったのなら、男であろうと、ついて行きたくなるような、そんな顔を
していた。
この男が、この学園の生徒会長の榊健司である。
この男が動き出すことは、学園が動き出すことを意味する。
「そうさせた男に同情するよ……」
『まったく』
「さて、なぜそうなったか調べてくれないか? 未杉」
『よっしゃ。と言いたいところだが、もう解っている』
「ほー、相変わらず速いな」
『というか、証拠が転がり込んで来たらしい。いまから連れて行く』
と言って通信は切れた。
「証拠?」
榊はふかふかの大きな椅子に、どっしりと座り、未杉の言った意味を考えた。
1分で未杉はやってきた。
「これが、その証拠です」
未杉の言うその証拠は引きずられていた。
「ほら立て」
未杉は黒ずくめの男を無理やり立たした。
可哀相に、手を握られたまま、未杉に走られたのだろう。
100mを9秒で走る未杉である。男は半死半生であった。
「疲れてらっしゃるようだから、椅子にでも腰掛けさせてやって」
榊は冗談半分に言った。
「……お前……、人間か?」
息も途切れ途切れに言った。
榊は未杉を見る。
未杉は舌を出して、しらんぷりをした。
「さて、未杉。証拠ってどういう意味だ?」
榊は未杉に言ったが、未杉が答えるより速く男が言い出した。
「校長は……。いないのか?」
「今は、ニューヨークだ。用件は僕が代わりに聞こう」
榊がそう言うと、男は立ち上がり、にやっと笑った。
「おまえの姪の炎城綾はあずかった。取り返せるもんなら、3日以内に、取り返して
みろ」
男はにくらしげに言った。
榊は顎に手をあて、じっと男を見た。
「お前…………喜多川の所の者だろう」
男は少なからず驚いた。
なぜなら、一度もこの男には会ったこともない。
それに、第一、名前がばれないように新人を差し向けたのに、あっさり見破られてし
まったのである。