AWC 「怪獣」/Tink


        
#743/3137 空中分解2
★タイトル (DRH     )  91/ 1/ 9   5:19  ( 36)
「怪獣」/Tink
★内容

 静かな夜だった。
 作家志望であるあたしにとって、夜はとても貴重だった。

 買ったばかりのワープロに向かい、ぽつりぽつりとキーボードを打っていると、
突然夜の静寂は破られた。
 どしーんと言う、大きな音と共に物凄い振動が襲って来たのだ。
 あたしは一体何がおこったのかと慌てて家を飛び出すと。
 そこは怪獣がいた「「。

          ★

 まるでパニック物の映画を見ているみたい。
 ただ、映画にしては怪獣がちゃち過ぎると思うんだけど。
 だって、ビニールのおもちゃの怪獣なんてあっていいと思う?
 おもちゃやさんで売っている、ビニールおもちゃの怪獣をそのまま大きくした
ような、つるりとした怪獣の表面には緑色で鱗状の模様がかかれている。
 それでも、一応叫び声なんかあげちゃって、まるでおもちゃの家を踏みつぶすも
たいに辺りの家をなぎ倒して行く。
 口からは、火こそははかないものの(やっぱり溶けちゃうからかな?)白いガス
状の物をはき出している。
 人々はなす術も無く、呆然と成り行きを眺めていると、突然空が開いた「「。
                              ~~~~~~
          ★

 突然昼のような明るさになったかと思うと、空から巨大な手が延びて来て怪獣の
尻尾の所についているくぼみをつまんだ。
 すると、怪獣は空気が抜けたようにしぼむと、空から延びて来た手が持っていっ
てしまった。

『こらっ、今度からテラボックスの中にこんなものを入れたら駄目だぞ』
『はあい』

 どこからともなく、そんな会話が静まり返った夜の街へと響き渡った「「。

                                (おわり)




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