AWC   ほんの偶然           久野


        
#714/3137 空中分解2
★タイトル (TPC     )  90/12/ 5  20:12  ( 28)
  ほんの偶然           久野
★内容



 太陽と同じくらいの質量の恒星が、これ以上にはなれないってくらい膨張
してゆらゆら黄昏を迎えている。
 この星は惑星を持っていなかったので、何の生物も育てられず お天道様
などとも呼ばれたこともない。
 だれにも眩しがられることの無く ただ満天の星空の中のひとつとして今
その灯を消そうとしていた。


 やがて時がきた。
 膨張が 瞬時に収縮に向い たくさんのいろんな重物質と渾身の力を 淒
まじい勢いで一気に開放した。
 超新星爆発。(新星!)
 銀河系の星々を集めたよりもさらに明るい光が宇宙を揺るがす。

 その光は、永い永い時をへて われわれの太陽系へもたどりつき。
 地球の夜を昼に変える。


 すべての人々が、眩しさに瞳をこらえながらその光を見つめ 涙し 十字
を切り あの人の存在を確信する。

       1990年12月24日24時00分

                            久野利乙





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