#1426/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (CGF ) 89/ 2/ 5 22:35 ( 95)
オリンポス物語(1 <幽霊パニック!>(15) 舞火
★内容
オリンポスのあちこちを探索してたころの夢。
『月桂樹の部屋』は比較的早い時期に見付けた。見付けてすぐ、そこは舞香のお気に
入りの場所となった。
『ヘイパイトスのおもちゃ箱』で、ユーキに出会った。始めてあった時から息があっ
た。数少ない舞香の友達がまた増えた。
『食堂』でミラルカに会った。アメリアに会った。ジャミーに会った。たくさんのオ
リンポスの仲間に会った。
『ドドナの森』に入った時、偶然『ドドナの森の樫の木』の存在を知った。オリンポ
スの行く末を暗示して、オリンポスのあるべき姿を示唆してくれた。そして、反対側に
も、『デルフォイの泉』があることも教えてくれた。
『ドドナの森』と『デルフォイの泉』は対だった。
あの『石碑』の文の意味が、ここで判った。
……あの文は、ここで『神託』を伺え、と言っている……
『訓練センター』で森谷大尉と会った。オリンポスにきてから二ヶ月が経っていた。
大尉。あの時からずっとひかれていたの。
大尉に始めて会った時、あたしは既にあなたという存在がここにいることを知ってた
から。そして、あなたが予想通りの人だったから、あたしはね、ほんというとα作戦で
大尉の相手が出来た事、すっごくうれしかったんだ。
ね、せいき。
<ο>
「きさまぁっ!」
傷の痛みではんば気が遠くなりそうなのを必至でこらえていたユーキは目前で起こっ
た出来ごとをただ呆然と見ていた。
突然、角から飛び出して来たせいきが、スパイにつっかかっていった。
乱射される銃。
鬼神の様に全てをかわし、突進するせいき。
せいきのすさまじい形相に思わず手を離したのか、崩れおちる舞香。
ぶっ飛ばされるスパイ。
肩で息するせいき。
呆然とつっ立ったままのアメリア達。
そして。そして……
ユーキは崩れおちた。
<π>
きゃきゃ
くすくす
暗い闇の中、一筋の光が音を伴って割り込んで来た。あっと言う間に光が闇を支配し、音が意味を持って響きわたる。
「気がついたわ」
目を開けると、アフロディテのミラルカ・アルバーソン正看護婦が覗き込んでいた。
安堵感が顔に表われている。
「もう、大丈夫よ。森谷大尉が助けてくれたの」
「……」
舞香は無表情な顔をミラルカから、その周囲へと動かした。
アメリア、ジャミー、そして三人の子供達ИИまりあ・九龍(五歳)、アナン・レム
(六歳)、ミュウレミアン・神(六歳)ИИいずれも、恒星リュカオーン惑星リオヌル
のディオラ市、マチュピア孤児院の子。
子供達は無事で、元気そうにはしゃいでた。
「ユーキは?」
「あら、心配しないで。直撃じゃなかったから、すぐ直るわ。今治療を終えて隣の病室
で休んでるから」
始めて舞香の顔に表情が浮かぶ。
「よかった」が、その言葉はせいきの声にかき消された。
「舞香ぁっ!」
扉が開くのももどかしく、って感じで森谷せいきが病来た。
「おまえ、何だって俺を仲間外れにしてくれたんだ。俺みたいなの抜きにしてスパイな
んざ相手にするやつがあるかっ」
「ちょっと、大尉。ここは病室です。大声を出さないでください」
が、ミラルカの制止も何のその。
「だいたい、こいつら何者だ。何でここにいるんだ?」
子供達を指差す。
せいきは幽霊の正体はスパイだと思ってるし、ということで、当然子供達の存在には
説明がつかない。ましてや、せいきの思考回路は舞香ほど複雑でない。
「ミラルカ、ユーキは起きれるの?」
舞香はせいきを全く無視し、ミラルカに尋ねた。
「えっ、ええ。動かさなきゃ、後は何したっていいのよ」
ミラルカ、答えつつも驚く。
あの大尉の表情からして、かなり怒ってるのは事実。けど、そんな大尉にした原因は
舞香であるにもかかわらず、全く無視するなんて行動が取れるなんて……考えられない。「舞香、質問に答えろっ!」
当然せいきの口調が荒々しくなる。
舞香はゆっくりしゃべった。
「一時間後。パルテノンのテミスの神殿に来てください。全てはパルテノンで始まった
んです」
<ρ>
パルテノン、テミスの神殿。
集まったのは、舞香達七人。それに、せいき。
「スパイ退治を始めるのに食堂に集まってた時、あたし、ユーキにいったけど……」
舞香、やや口篭る。「えっと、あたしがこの件に乗り出したのは、大尉に頼まれたか
らじゃなく……オリンポスのあるべき姿を認識させるべきだからって……でもそれだけ
じゃないって」
「全てが終わったら話してくれるはずだったな」
ユーキは右腕を吊って、何か凄く痛々しい。
「ほんとは、大尉には話すつもりはなかったんですけど、でも、それじゃ納得しません
よね」
「当たり前だ」
腕組んで鼻息荒く諾いた。
「それじゃ、まず聞きますけど、皆さんの中でこの『テミスの神殿』に来た事がある人
は?」
誰も反応しない。 <続く>