#1423/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (CGF ) 89/ 2/ 5 22:16 ( 95)
オリンポス物語(1 <幽霊パニック!>(12) 舞火
★内容
「しっかし、姉さんが聞くと驚くだろうな」
くすくす、笑いをこらえつつ言う。「だって、ヘラが選んだ人は不平を言った事がな
いって、ヘラの力を誉めてたのに。なのに、今ここにいるのは選ばれた人だろ。なのに、不平を言ってる」
「そうね、事実そうよ。大抵の人は不平を言わない。いえ、不平の原因に気付かない」
舞香が淡々と言う。「だけど不満が一個もないってのもおかしな訳で、なら、気付い
た人が直さなくっちゃ。オリンポスの気風を変えない様に、人の心にオリンポスのある
べき姿を植え付けるの」
「結局舞香が乗り出したのは、せいきに頼まれたからじゃなくそこが原因だったのか」
ぼそっとつぶやくユーキ。舞香は彼に笑いかける。
「それだけじゃない」
「えっ?」
「でもその話は全てが終わってからね、大尉に先をこされる」
「判った。ところで勝算は?」
「九十%」
ユーキが口笛を鳴らした。
「せいき相手に九十%たぁ、何か魂胆がある?」
「あたしは手段は大尉に教えたけど、どこにいるかまでは教えてないもの」
「判ってるの?どこなの?」
ジャミーが問う。舞香はあっさりと答えた。
「本当の幽霊がいる近く。GブロックИИパルテノン、もしくはその周辺」
「OK.行こう。時間がない」
<η>
Gブロックは、非常時においてAブロックの変わりになるように造られていた。
Gブロック勤務の隊員は小数で、そして、ここはパルテノンの名称とともに聖地であ
った。
ここがオリンポス(A)より大きいのは、オリンポス(A)にある施設の予備だけで
なく、パルテノンと呼ばれるのにふさわしい神殿ИИそれがここにはあった。見事なま
でのギリシャ風神殿が広々としたスペースに置かれていた。
故にここは聖地であって、パルテノンの名称が付けられた。
今、七人がここに到着した。
さすがにここまでまだ皆は来てないらしく静かだった。
ユーキはサブコントロールシステムを用い、造り上げた装置につなぐ。
「これは、通信回線を使って、システム異常を起こさせる電波を発生させる。幽霊発生
の装置も、光線操作の装置も、システムが異常を起こす」
「ちゃんと範囲を絞った」
「もちろん。そのためにわざわざ造ったんだ。こいつは特定電波のみ選択妨害できる」
「ありがと。ジャミー、カメラの操作をお願い。まず幽霊退治からやります」
「あら、カメラなんていらなくてよ」
ジャミーは舞香の肩に手を置いた。「あたしの力は幸か不幸か超A級。あまり知られ
てないんだけど、ヘラは宇宙五指に入ると言ってあたしをスカウトしたの」
「じゃ」
舞香の心に浮かんだ疑問を肯定するかのごとく諾いた。
「最高級と言われるオリンポスの超能力遮断システム。あたしはそれさえも破る事がで
きる」
静かに言うとじっと目を凝らした。宙に向いた視線はどこか遠くを眺めているみたい
だ。
「範囲絞れるかしら?」
「考えてみる」
舞香はいつものようにまずデータの整理を行なった。そして、データを組み立てる。
全ての要因。
全ての出来事。
全てのИИデータ。
そして、結論。わずか数秒後。
「やっぱり通信室の付近かなぁ。引っ掛かんの」「通信室?」
「あ、ジャミー!通信室見てくれ」突然ユーキが言う。「何か引っ掛かる事があるんだ
と思う」
「あ、はい」
再びジャミーの瞳が大きく見開かれた。
通信室は、ヘルメスの管理下。
スカイブルーの部屋。
ヘルメスのスカイブルーの部屋、
ただ一つ。
@見@付@け@た@!
「人がいる!」
「OK。行こう」
ユーキが先頭に立つ。舞香が続く。
「待って、たった一人よ」
ジャミーの声が追いかけてくる。「武器は?」
「あるっ!」
ユーキの手にあるのはアクアブルーの銃。
「サムスっ!」
元の位置から動いていなかったアメリアが顔色を変えて叫んだ。サムスがはっ
と振り向く。
「子供達がいたのっ!」
<θ>
アメリアは監視スクリーンの一つを指さした。
機能を回復していたスクリーンは、今や目で見た状態をそのまま映しだしていた。
「子供達がいたのよ。通信室にっ!」
背を向けた大人の後ろ、大きな机の下。椅子の影。息をこらし小さく屈みこんで。
「二人か?後の一人は?」
「判らない。見えない」
「よし、行こう。俺達は子供達を捜そう」
「はい」
アメリアは嬉しそうに返事をした。サムスの後ろについて行く。
何よりもサムスと共にいたいのだ。
<ι>
舞香は奇妙な不安に襲われていた。
<続く>