AWC オリンポス物語(1 <幽霊パニック!>(6  舞火


        
#1417/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (CGF     )  89/ 2/ 5  21:34  ( 91)
オリンポス物語(1 <幽霊パニック!>(6  舞火
★内容
「ううん。さっきまで病室借りて寝てたの。気分壮快よ」
 ガッツポーズなんかとっちゃって、舌をだして言う。
「んで次は?」
 何もかも判ってるがごとくミラルカが問いかけてくる。ミラルカには聞きたいことが
あるとしか言っていないのに。
 あ、ああ、そうだった。彼女もまた勘がいいんだっけ。だから、優秀な看護婦なんだ。「アルテミスだ」

                  <Ο>

ИИ月桂樹の部屋ИИ
 八人の男女が集まっていた。
 八人の内、舞香とユーキ、そしてミラルカをおいといて、残り五人。
 アルテミス(電子管制班)の近距離レーダー員 ジャミリア・マクスウェル少尉。彼
女は紅い瞳を持つ、ミズーリン星生れのミュータントで二十三歳。
 ヘスチア(食物管理)のコンピューター科アメリア・リン曹長。彼女も二十三歳。コ
ンピュータープログラマーとしては特A級の資格保持者。エンジニアとしては、C級。
 ヘイパイトス(技術管理)のコンピューター科のチーフ、サムソン・ディア・サザン
クロス中尉。彼は二十九歳でプログラマー、エンジニア共に特Aの資格を持っていると
いう驚異の人。(この特Aというのはちょっとやそっとじゃとれない、全宇宙でも二桁
しかいないという資格なんです)
 アポロン(情報管理)の分析科、マサト・柳生少尉。彼は二十五歳。アポロンってい
うのは情報を科学的に、物理的に、自然的に、機械的に調査分析するとこ。
 データによるとESP波は険値されない、特殊能力(気流視認能力)を持っている。
 そしてもう一人飛入で参加してくれたのが彼女、アポロンのマサト・柳生少尉の姉で
ゼウスの知恵袋と言われるゼウスの秘書サキ・柳生少将。若干二十九にしての彼女の地
位はその記憶力と秘書としての天才的な能力が起因しИИオリンポスの気風がもろ反映
された結果でもある。つまり、才能があればどんどん地位は上るのだ。
 そして、今ここに集まってる連中だってその気風の結果なんだ。
 そう思っている舞香もまた一足飛びに少尉までいった口。
「さてと、幽霊騒ぎについてでしょう、少尉」
 ミラルカが口火を切った。

                  <Π>

十四日の土曜日、十三時五分。月桂樹の部屋
 異色な混合ミーティングが開催された。

                  <Ρ>

 ミラルカが司会者だった。
 舞香は、彼女の状況判断能力と、人の表情を読みとる力を信頼した。故に、このミ
ーティングは、彼女に任せたほうがスムーズに流れる。そう判断した。
 彼女の力は、普段は優秀な看護婦としての才能に寄与している。
 それに気付いたのは舞香とヘラ(生活管理)の人事科とそしてゼウス。
「まずあたしの知っていることから話すわね」
 そう言って各人を見回す。そして、「昨夜午後十一時三十分頃あたし達アフロスの元
に一つの連絡が入ったわ。ここにいる神野少尉からよ。」
 舞香の方に視線を向け同意を求める。舞香が諾くと、話を再開した。
「人が倒れているということで。ほぼ同時にアルテミスの方からも連絡がはいって、何
分か後に搬ばれてきたのが、森谷せいき大尉。医師の診断によるとかなりの電気ショッ
クで気絶してしまったんだろうということで、そのまま安静にさせていたんだけどИИ
実際はそれから一時間後には大尉は回復しててね、一度目が覚めたけどまたすぐ、今度
は眠っちゃったのよ、朝までぐっすり」
 その言葉にそこここから忍び笑いが漏れる。舞香ですら口許に微かな笑みを浮かべて
いる。
「この後の森谷大尉の取調べなんか聞いてたりすると、幽霊は何らかの方法で電気を放
っている、ということになるの」
 軽く首をかしげる。
 ふっと、ユーキが何かを思いついたように顔を上げた。がミラルカは微かに手を動か
して制止させ、「それじゃ、アルテミスのジャミリア。お願いします」
「ジャミーでよくってよ、ミラルカ」
 紅い瞳のジャミーはミズーリン星のミュータントで透視能力を持つ。(この時代全宇
宙におけるミュータントは十%にいたり、故にその存在は人類の進歩した姿と評価され
つつあった。ただ、各星によりその能力は異なり紅い不可視の霧の発生するミズーリン
星出身者は透視能力がついている)
 そして、だからこそ、<全てを見通すアルテミス>の一員なのだ。ジャミーの力は九
十%。これもまた特Aランクである。
「アルテミスで入手している情報によりますと、昨夜のビデオテープなどを、再チャッ
クした結果、まるでИИまさしく幽霊のようにИИせいきはこつぜんと二ストリート
に気絶状態で現れたと言うしか、全く言いようがないのです。そうね、それまで何もな
かったところに、ふってわいたんです、せいきは」
「それじゃ大尉はИИ森谷大尉は、どうやってそこまで来たんですか?」
「大尉の話をまた聞きしたんだけど、ちゃんと歩いていってたらしいわよ」
と、ミラルカ。「五ストリートから二ストリートにかけて、よ」
「そうなんです」
 ジャミーは、ミラルカにうなずき、そして、アメリアに視線を移した。
「五ストリートには大尉は映っている事は、ちゃんと確認されてるんです」
「じゃあ」
「ええ。これに気付いたアルテミスはアポロンにこの問題のテープを渡し、分析の依頼
をしています」
 ちらっと、アポロンのマサト・柳生少尉に同意を求める。
「そのテープは既に分析済みだよ。今頃はアルテミスの方に結果が届いている筈だけど」「その結果、報告してくれる」
「ああ、いいよ」
 ミラルカの言葉に気軽に答えると、マサトは持ってきたMD(メモリアルディスク)
を、月桂樹の端末機であるパソコンに挿入した。
 ディスクドライブが音を立ててMDから読み取ったデータをモニターする。スクリー
ンに図形と文字が映しだされた。
 マサトはそう言うと、キーボードのキーを押した。
                                   <続く>




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