#1415/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (CGF ) 89/ 2/ 5 21:16 ( 94)
オリンポス物語(1 <幽霊パニック!>(4 舞火
★内容
「なんだ、じゃあの噂は本当だったのね」
と、ヘルメスのアスタリカ大佐。
アレスのせいきが、幽霊退治をするという話は、今更ジェルががなりたてなくても、
衆知の事実だったりする。
『ところでだ、わたくし、ジェラリオ・ルームヘイガー少尉は昨夜は夜勤番としてオリ
ンポス内を監視していた』
「ほぉー。墓穴を掘りましたね。ジェラリオ・ルームヘイガー少尉」
アスタリカ大佐があでやかに微笑む。
−−ヘルメス規則−−ニュースは前夜、夜勤をした者をアナウンサーとして使っては
ならない。これは、夜勤の最中起こったことを無闇にしゃべらせないため。当然昼間
の監視員が夜のアナウンサーとして出ることも禁止する。
「覚悟なさい、ジェル。トータル五回目さて罰則はなんでしょう」
くすくす、笑い続けるアスタリカ大佐。
そんなこと気付く訳もないジェルは、昨日の出来事をしゃべり続ける。
『わたくしは昨夜も真面目に監視を続けていた。が、ふと気がつくといつのまにかせい
きがみるも無残にぶっ倒れているではないか。わたくしは、すぐさま各監視員に確認の
合図を送り、担当部署をくまなく調べた』
「うそつけ」
当然これはジーン以下昨夜の監視員の言葉である。
『結果、異常は何も見出せない。ということはだ。せいきはやっぱり幽霊にやられたと
いう訳だ。ちなみにせいきが目を覚ましたのは明け方になってからだ。よっぽど、強烈
にやられたらしい』
<Θ>
本日未明オリンポスは笑いの渦に巻き込まれました。
<Ι>
「あんのやろー」
本日のニュースの主役ИИ森谷せいき大尉はというと、病院のベッドの上でうなって
いた。
医者の診断では何か強烈なショックを浴びたせいで失神したということで、その後は
ただ眠りこんでいただけ。
しかし、機嫌はすこぶるつきで悪い。
アレスの捜査科(警察)から事情聴取という物とられるし、アレスのリーダー・ザム
大佐からはさんざん努鳴られるし(何といっても残業ほっぽりだしてたのだ)、ラジオ
のニュースでは面白おかしく騒ぎたてるし……。
「ジェル!後でおもいしれぇっ!」
ちょうどドアにむかって怒鳴った途端、ドアが開いた。
現れたのはジェールИИ通常Dr.ジェルと呼ばれてる。
はっ、と口を閉ざしたが時既に遅し。「元気そうだねぇ。では、さっさと出ていって
もらおーか」
ドスの効いた台詞とともに、せいきは医務室を追んだされた。
「しゃーない、部屋行こ。また、どやされっちまう」
のそのそ。
たいぎそーに部屋に入り、どさっと所定の椅子に腰掛ける。と、瞬く間にアレスの戦
闘科員が周りによってきた。
「せいきぃ、幽霊ってどんなんだった?」
「実際に見た感想なんぞを」
「見たんだろ。どんな風だ?」
わいわい騒ぎたてる。
そんな奴らを、たいぎそうに一瞥すると、
「絶世の美女だった」
「おおっИИ」
どよめきが湧き起こる。
「んじゃ、てめぇ、美人見てぶっ倒れたんかぁ」
「へぇー、せいきがねぇ」
「せいきが女に弱かったとは」
「ち、ちがぁーうっ!」
せいきの慌てようったらなかった。
「女に触れたらもーれつな電撃ショック浴びちまったんだよっ!」
けれどもこれは逆効果だった。
「ほぉー。まーた、不用意に手を出されましたなぁ。せいきらしくもなく……」
「つい、ふらっとしたんだろぉなぁ、せいきぃ」
「うぐ」
当たってるだけに声が出ない。
「せいき、どーすんだ?」
「ん?」
「そーそー。お前さん、朝のニュースで有名人。一躍スター!」
「アホォっ!ぬぁにがスターだ。そうだっ。ジェルのやろうどこいったぁっ。あんのや
ろー、めたくそ言いやがってっ!」
「ジェル夜勤だろ。何でアナウンサーやったんだ?」
「あ、そういやそーだ」
「やけに元気じゃなかったか?」
みんなの話を聞いているうちにまたまたせいきの胸の内に新たな怒りが……。
「あんのやろーっ、寝てやがったくせに」
「うーむ、有り得る」
一人がもっともらしくうなずく。「ジーンがぼやいてたもんなぁ。ジェルとの夜勤は
絶対やりたくないとか……」
「へぇー、じゃ、昨日は最悪だったんだろーな。どーりで昨日は不機嫌だった」
「誰が?」
「ジーンだよ。昨日のアルテミスの夜勤番の一人」
「ジーン?」
それまで何か考え込んでいたせいき、はたっと顔を上げた。
「そーか。ジーンのやつに聞けば昨日の真相が判る。よーし」
と言った途端、ダッとのごとく部屋を飛びだす。
「はー、素早いこって」
「では皆さん。ジェルおよびジーンの冥福を祈って、はい」
「アーメン」
一瞬、部屋の中を見事なハーモニーが響き−−。
「ぎゃはははははははは」 <続く>