AWC ユミアウラ創生紀 第3話<炎の一族 カセイ> (3 舞火


        
#1356/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (CGF     )  89/ 1/16  17:50  ( 95)
ユミアウラ創生紀 第3話<炎の一族 カセイ> (3 舞火
★内容

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 緑の大地が広がっていた。
 心地良い風が頬をなぶる。風はほのかに水の匂いを運んでいた。
 大きな石がぽつんと忘れられたように、白く浮き出ていた。
「よっと」
 白い石の上に昇る。
 はるか彼方に海が見えた。白い波が寄せている。
「んー!」
 おもいっきり伸びをし、ごろんと仰向けに転がった。風が赤い髪をなびかせる。
 トン
 何かが側に降り立った。
「よ」
「やあ。どした何か用か?」
 白い髪をなびかせた長身の少年が立っていた。
「母様が呼んでるんだ」
「母様が?俺だけ?」
 半身を起こす。
「ううん。俺も。後『雷』もだよ」
「『風』と『雷』もか。変なの。何の用だろ」
「さあ」
 『風』は肩をすくめてみせた。
「でも、俺やだよ。何か嫌な予感がする」
 『炎』が怯えを見せた。肩を抱きかかえる。「嫌だよお。何か怖い」
「しっかりしろよ。ったく。その『力』の割には弱虫なんだから」
「好きで『炎』の『力』なんか持ったわけじゃないよお」
「いいから。さ、いこう」
 しぶしぶ『炎』は立ち上がり、『風』とともに。
 跳んだ。

「よく来ました」
 母なるアウラは少し厳しい表情で二人を迎えた。
 『炎』はぴんときた。ゆっくりと後ずさりする。
「どこへ行くのです。どこにも行かせませんよ」
 太陽母神アウラの瞳が『炎』を捕らえ、『炎』は動きを封じられた。
「『雷』参りました」
 紫の長髪をなびかせ、『雷』が現われた。
 アウラは諾き、そして。
「ユミナニがお呼びです」
 視界は一転した。

 ユミナニは姿は持っていない。意識だけの存在。
 そこに、大地母神ガイアと三人の子の『光』と『地』と『命』がいた。
 続いて技術母神イナミテがこれまた三人の子とともに現われた。『海』と『氷』と
『幻』。
 『炎』はこの状態を見て、一層強くあらがったが、無駄なこと。
 ただ『風』がそっと手を握ってくれ、それだけがより所だった。
 そして、ユミナニは『炎』が感じていたようなことを一瞬にして悟らした。
 『炎』にとり、ただ恐怖だけの命令を。
「嫌だっ!」
 『炎』は根限りに叫んだ。アウラの手から逃れようともがくが、力の差が違いすぎた。「『炎』よ。既に決定された事です」
 アウラの声にわずかな悲しみがあった。
「だって俺。俺、あんな奴と闘えない。ねえ、母様だって知ってるじゃない。俺、嫌だ
よお」
 泣き叫ぶ。
 見兼ねて『風』が声をかける。
「母様。『炎』は『力』は強いですけれど、なにせこの甘えん坊で泣き虫。闘いなどで
きるとは思えません」
「もう決まったことですっ!」
 激しい叱たの声と共に、『炎』の魂に激しい衝撃が与えられた。
「うわぁあっ!」
***************ΨΥΧΗ********************
「嫌……嫌だ……」
『カセイ』
 優しく暖かい声が脳裏に響く。
−−カセイ……。
 一瞬にして意識が戻った。
 はっきりしない視界が徐々に明確になってくる。若い、力強い光と共に見た事のある
顔が視界に広がっていた。
「ア、アポローン……」
 青年神アポローンは微笑みを浮かべ、諾いた。
『随分と無茶をしますね。怪我は随分とひどく、手当はしましたが二日は動かさない方
がよいでしょう』
「ここは?」
 白い柱が目についた。見事な彫刻群。
「神殿」
『そうです』
 アポローンはついと立ち上がると、扉へ近付く。
『いいですか。無茶はやめなさい』
 一言言い残して部屋を出ていった。
 入れ違いに村長や神官が入って来る。
「お加減はいかがですか?」
 もお、最敬礼せんばかりの態度である。
 カセイは軽くため息をつき、それでも笑って答えた。
「大丈夫です。それより村人の方は?」
「それはもう。カセイとアポローンのお陰で皆、無事で。まったくなんとお礼を言って
いいやら」
−−アポローンが何かやったんだろうか?
 疑問が沸き上がる。少なくともあの『力』の放出の時、アポローンはいなかった。
「広場は台無しでしょうね」
「おお、ごぞんじでしたか。しかし、それはアポローンの御力によるもの。なに、すぐ
元通りにしてみせます」
「?」
                                   <続き>




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