AWC トゥウィンズ・2 二章 ( 7/11) (13/43)  あるてみす


        
#1225/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (VLE     )  88/11/ 5   9:49  ( 98)
トゥウィンズ・2 二章 ( 7/11) (13/43)  あるてみす
★内容
「やだったら。離せってば!」
 しかし、こうなると、どんなに暴れようが、がっちり押え込まれてるから
身動きすら取れない。
「ほう、なかなか元気なネーチャンだな。ま、その方が楽しめるってもんよ。」
 そして、そいつは、僕の両腕をいきなり後ろにねじり上げた。
「いてー!」
 僕は肩が外れそうな痛みを感じて、思わず悲鳴を上げる。
「ほらほら、静かにしなって。こんな痛みなんか忘れられるくらい気持ち良
くさせてやるからよ。」
 そして、僕の水着に手をかけて脱がせようとする。それも、砂浜のド真ん
中、公衆の面前で。
「わっ、バカ、やめろってば。いてっ!」
 体をよじって、それを防ごうとしたら、さらに腕をねじ上げられた。
「あんまし騒がない方がいいぜ。騒げば騒ぐほど痛い目を見るからな。」
 そして、人の首筋に顔を付けて臭い息を吹きかけながら、ゴツゴツした手
で胸をまさぐってくる。
「なかなか、でけえ胸してんじゃねえか。え? へへ、こりゃ楽しめそうだ
ぜ。」
「うわあーー! いてーーー!」
 得体の知れない恐怖感と、肩の痛みでパニックを起こしかけた僕は、自分
でも信じられないほどの悲鳴を上げて、また腕をねじ上げられ、さらに悲鳴
を上げ続ける。
 もう一人の男も由香ちゃんに同じようなことをしようとしている。そして、
「いやーっ!」
 由香ちゃんはすでに砂浜に押し倒されて、その貞操は風前の灯火。
 と、
「てめぇら、いい加減にしやがれ!」
 という声がして、バキッという音と共に、由香ちゃんの上にのしかかって
いた男が吹っ飛んだ。
 続けざまに、もう一度バキッという音がすると、今度は僕の胸と腕を掴ん
でいた手がスッと離れる。僕は、ガクッと力が抜けて、その場にうずくまり
ながら、両手で肩を押さえた。
「二人とも、大丈夫か?」
 その声に顔を上げると、健司だった。
 由香ちゃんは、今まさに天使が現われたかのような表情で健司を見た。そ
して、
「わーん。」
 泣きながら、いきなり健司に飛びついた。健司はちょっと困ったような顔
をして、由香ちゃんをなだめすかしながら僕の所に来る。
「危なかったな。でも、もう大丈夫だ。博美、肩、大丈夫か?」
 そう言いながら僕を立ち上がらせて由香ちゃんを押し付け、由香ちゃんと
僕の背中を軽く何度か叩く。
 僕は、すっかり落ち着いて、由香ちゃんの肩を抱いてやる。そして、由香
ちゃんの水着がメチャクチャになっていたので、
「水着、直した方がいいよ。」
 と言いながら、肩に羽織っていた上着を由香ちゃんの肩にかけてやる。
 由香ちゃんはショックと安堵の気持ちが交錯しているせいか、ひたすら泣
きながら、僕にしがみついてくる。
 と、そのとき、健司の後ろから、由香ちゃんに悪さをしようとしていた奴
が忍び寄ってくるのが見えた。
「わー、後ろ!」
 その瞬間、健司は振り向きもせずに、片足を後ろに蹴り上げ、きれいに回
し蹴りを決める。
 そいつは、絵に描いたように、見事に吹っ飛んだ。そのあと健司は、
「大丈夫だからさ、あとは俺に任せとけ。博美、由香を頼むな。」
 と言って、クルッと後ろを向く。そして、
「危ねえから、ちょっと下がってろ。」
 と言うと、すぐにファイティングポーズを取った。
「さあ来い!」
「野郎!」
 僕の腕をひねり上げてた奴が起きあがってきて、健司に殴りかかる。どう
やら、健司は相当強く殴ったらしく、顔に青いあざができてる。
 健司は相手のパンチを軽く受け流し、その腕を軽く叩いてやる。何しろ、
空手の有段者だから、この程度は、なんてことないんだろう。
「つっ!」
 そいつは、一瞬、顔をしかめると、さらにしつこく殴りかかっていこうと
する。
 健司は、また、それを軽くかわして、今度は足を払ってやる。相手は、も
ろにひっくり返る。
「くっそー!」
 健司を睨みながら体勢を立て直すと、今度は、近くに落ちていた棒切れを
手にして、健司に殴りかかる。健司は、その棒を真っ二つに折って弾き飛ば
し、続けざまに、そいつの腹に軽い突きを入れる。
「うっ!」
 そいつは、腹を押え込んで、その場所にうずくまった。
「っのやろう!」
 今度は、うずくまったところで懐からナイフを取り出し、そのまま健司に
切りかかる。
「キャー。」
 いつの間にか、周りには野次馬が集まっていて、その間から叫び声が上が
った。
 健司も、さすがにナイフ相手では危ないと思ったのか、そいつが切りかか
ってくるのを避けるだけで、なかなか攻撃ができないでいる。
 もちろん、素人がナイフを使っているのなら、切りかかってきたところを
避けながら、その腕を叩いて痺れさせてやれば済む話だから、たいしたこと
ないんだろうけど、こいつはかなりナイフを使うことに慣れているらしく、
さっきまでと違ってまったくスキがない。
 と、そのとき、もう一人の奴がやはりナイフを手にして健司に近づいてい
った。ところが健司は、最初の奴のナイフを避けるのが精一杯らしく、それ
に気付いていない。
「健司、危ない!」
 僕は思わず叫んだ。
 健司はハッと振り向き、そいつがナイフで切りかかっていったのを間一髪
で避けた。
 だが、やはりそいつもナイフ使うのには慣れているらしい。そういうのを
二人相手にしてたら、はたして健司でも勝てるかどうか。

−−− まだあるよ −−−




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