AWC 昼下がりの狂気          土巣と絵夫好き


        
#1066/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (JAD     )  88/ 7/ 5   1:50  ( 72)
昼下がりの狂気          土巣と絵夫好き
★内容

「ねえ!みんな遅すぎるわ!、まさか、また全滅したんじゃ・・・」
「少し落ち着くんだ、エマリア」
「でも、もう戻ってもいいはずよ!、なのにまだ一人も帰還しないじゃない!」
「ああ、だけど今は待つんだ、隊長のシバだけでも戻るかも知れない」
「無理よ!また、みんなやられたんだわ!、だから私があれほど止めたのに・・」
「泣くんじゃない、エマリア、これが僕たちの使命なんだ」
「いやよ!、どうしてみんなやられると解っているのに出動するの?」
「君も知ってるだろう、他に道は無いんだ・・・あっ!あれは!」
「ああ!あれはジョエル!!、シバの部下のジョエルよ、帰ってきたんだわ!」
「おいジョエル!どうした、無事か、シバは、他の仲間はどうした?」
「うぅ、キース指揮官、だめです、みんなやられました、うぅぅ・・・」
「そうか、またしても失敗か・・・」
「ああ、なんてことなの・・・みんな、みんな死んでいってしまう」
「よし、今度は僕が行く」
「なにを言うの!、キース!、やめて、行かないで!」
「おいジョエル、動けるか?」
「はい、キース指揮官」
「よし、それならすぐに第2隊と第3隊で中隊を編成し出動を待機しろ」
「解りました指揮官、直ちに中隊を組織し命令を待ちます」
「よし、行け」
「はっ」
「キース!!、ねえ、考え直して、もうあそこには行かないで!」
「エマリアよく聞くんだ、我々にはあの物質が必要なんだよ」
「そんなこと知ってるわ!、だけどあれが有るのはあそこだけじゃないはずよ!」
「ああ、だが、有ると解った以上、僕らは行かなけりゃいけないのさ」
「死ぬと分かっていても?」
「やられるとは限らないよ、うまく行けばあれが大量に手に入るかもしれない」
「でもシバは死んだわ、ジルもカイもリアもみんなそう言って戻らなかったわ!」
「それでも僕は行くよ、エマリア、それが僕らの生きる定めならね・・」
「あぁキース、キース・・・」
「エマリア・・・」

「キース指揮官!、出動の準備整いました!」
「そうか、では体型は一列縦隊、先頭は私が行く、配下の者どもは我の後に続け」
「はっ!」
「キース、キース待って!、私も行くわ!」
「なにを言うんだエマリア、君を連れて行けるわけないじゃないか」
「だって、だって、私あなたと離ればなれになるのはいやよ!」
「だめだエマリア、君を危険な目には合わせられないよ」
「でもあなた言ったじゃない、これが私たちの生きる定めだって」
「ああ、だけど君にはここに残ってやる仕事があるじゃないか」
「・・・」
「ねえそうだろ、あの幼い子供達の面倒は誰が見るんだ」
「だけど、だけど・・・」
「おい、ジョエル」
「はい、なんでしょうキース指揮官」
「君は怪我をしてる、いいか、君はここに残れ、そしてエマリアを頼む」
「はい、解りました、キース指揮官」
「よし、では出発だ!」
「まって、まってキース、おいていかないで、私も連れってって!」
「いけませんエマリアさん、行ってはなりません」
「いやよ!、放してジョエル!」
「だめです、指揮官の命令です」
「いや!いやよ!、キース、待って、行かないで!」
「エマリアさん!!」
「キース、キース、キーース!!、私を一人にしないでーーー!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




  ・・・ん、ああ、夢か。こんな昼間っから寝てちゃいけないな。
  おや?、ちっ、しょうがないな、またこいつらか。
  まったく、人の部屋に勝手に上がりこみやがって。
  まあ、お菓子の食べカスを片付けない俺も悪いんだけど。
  しかし、こりない奴らだねえ、後から後からぞろぞろ来やがる。
  これじゃあ、いくら退治してもきりがないや。

そう言って俺はライターを手に取ると火の量を一番大きくして、せっせとエサを巣に持ち帰る蟻の列めがけてライターの炎を近付けた・・・。





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