#1025/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (XKG ) 88/ 5/25 1:55 ( 80)
真リレーB>第7回 「オズマ計画」 クエスト
★内容
「とうちゃん、じゃなかった親父、どうしたんだ」父との意外な出会いに戸惑いながら
啓介は尋ねた。
「啓介、よくここへ来れたな。学生だった頃からお前の朝寝坊には手を焼いていたが、
社会人になって少しは自覚ができたようだな」にやりと笑って露木教授は答えた。
(ふっ、甘いぜ)と啓介は思いながらも次の言葉が口に出る。
「俺には一体何が何だかわからないんだ。一体東京はどうなったんだ。なぜ、このビル
だけが爆発しないんだ。なぜ親父がここにいるんだ。それに神田川って何者なんだ。作
者も困っているじゃないか。ええ!まあ、第7回で全ての伏線を解き明かす必要はない
と思うけど、この作者はなー、あんまり複雑なストーリーは書けないんだよー。イマジ
イマジネーション、たいしたことあらしまへん。あれ?どうして俺は大阪弁を喋ったり
しているんだろう。とにかくどういうことか親父、教えてくれよ」
「ふっふっふ、まったくクエストごときではこの謎は判るまい。まあ、はっきり言って
皆が好き放題に伏線をはりまくっているのだからな。だいたいあの男はワープロの操作
もろくにできず、オンラインで読むしか能のない奴だから、ディティールなんかはさっ
ぱり判っていないはず。こうやって馬鹿げた会話をだらだら書いてごまかす気のようだ
な。困った男だ」
「しかし、クエストはもうこれで17行もかせいでるぜ、親父。やばいよこれは。また
少しもストーリーが進まないで終わってしまうぞ」啓介は父親に訴えた。
「大丈夫だ。今回はなんとかするだろう。私が夢野によって唐突に登場したことを無視
はできまい。まったく、タイムレコーダーは重かった。ぶつぶつ...」
「それで?親父」
「啓介、なぜこのビルだけが残ったか教えてやろう。この木本商事という何の変哲もな
い商事会社がなぜ残ったかを。ほんま、なんでこんなしょーもない会社だけ残るんや、
ええかげんにせいよー。こら、クエスト、ほざくな。実はこの会社は私の研究室と深い
つながりがあってな、お前がここに入ったのも実は私のさしがね、まあそれはどうでも
よいが、私の研究室ではこの会社を通じて世界各国の研究所や企業と取引をしていたの
だ。したがって、この会社には国家レベルの重要な情報や機材がストックされている。
だから消してしまう訳にはいかなかったのだ。わかるか」
「クエストごときにしてはよく考えたな。いや、親父そういうことだったのか。すると
東京が消えてしまった訳も親父は知っているんだろう」
「これこれ、余り作者に期待してはいかん。うむ、知っておる。しかし、それを今お前
に喋るわけにはいかん」
「やっぱりそうか。クエストは何も考えていないんだ。そうだ、そうに決まっている」
「いや、そんなことはなかろう。いかに昨日届いたギャラン2000VZに心を奪われ
ていようと、あの男は仕事中でもこのリレーのことは...いや、残りの心は女のこと
で一杯のようだ。情け無い男だ」
「そうか...わかったよ親父。ともかく俺は減給にならなくて済んだし、話としては
一段落だ。これからどうなるかはどのみち次の光士が考えてくれるだろう」
啓介は父に連れられて、普段は入ったことのない奥の部屋へ行った。そこには父の言
ったとおり、見慣れない電子機器が設置され、部屋の大半を占めていた。多くの人が忙
しそうに立ち働いている。誰かが啓介の肩をポンとたたいた。啓介が振り替えると峯川
真紀がにっこりと微笑みかけた。
「お早う、露木くん。オズマ計画本部にようこそ」
「峯川さん!峯川さんがどうしてここに?」
「あら、露木くん、私こう見えてもね、MITを19で卒業してアメリカで露木教授の
研究をお手伝いしてたのよ。4月からこちらで働くようにスカウトされちゃったの。わ
かる?」露木教授に似た言い草である。
「そう、オズマ計画だ。我々は東京のこの事態をいち早く察知して、政府の協力も極秘
裏に取りつけ急遽この本部を設置したのだ。わかるか」露木教授が言った。
「そうか!神田川博士が親父のことをいっていた訳が少し判ってきたぞ。よし、早速俺
も協力するよ。皆の力でゴジラをやっつけるんだ」
ちゅどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。
露木教授、峯川真紀を始め、そこら中の人がのけ反りひっくり返り、電子機器は火を吹
き建物が揺れ動いた。
啓介は何とまだリポDと徹夜のもたらす幻覚から抜けきってはいなかったのだ。
「露木教授、あんたもどえらい息子を持ったもんだのう」神田川博士が腰をさすりなが
らゆっくりと起き上がった。
「神田川博士!」3人は声をハモらせて叫んだ。
−つづく−