AWC 詩>ああ、筆がとまらない ひすい岳舟


        
#966/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (FEC     )  88/ 4/ 9  18:50  ( 35)
詩>ああ、筆がとまらない                    ひすい岳舟
★内容
  毎日が洪水のように過ぎ去る中で
  僕は  それに浮かぶうたかたか  それとも塵か
  激流の中で埋もれ
  しぶきとなって飛び散る
  さりとて  僕は
  見える範囲のものをそのまま把握する
  ああ、僕の右手は疲れをしらぬ
  ああ、筆が今、とまらない

  世の中長大である
  しかしその外側はもっと大きい
  僕は一体何ができるであろうか
  大きな服を食う虫のように
  まっすぐ食べているつもりでも上から見ればそうとうぐにゃぐにゃ
  とどのつまり
  変な統一性などよりも
  ただ一心に書き続けるべし
  ああ、インスピレイションが氾濫する
  ああ、筆が今、とまらない

  何故など考えるよりも
  書きなぐろう
  人間の一生にやれることはたかが知れている
  なら、より多く
  服に大きな穴を開けようではないか
  ちゃんとした正円にする必要はない
  楕円形だろうが四角だろうが三角だろうが
  大きく穴をあけることこそ大切なのだ
  変にこだわって食べることをちゅうちょしている虫は
  今すぐ食べなさい
  ああ、僕の右手はスパークする
  世の中というドデカイ服に穴を開けようと
  ああ、筆がとまろうはずがないではないか
                                                          Byひすい岳舟
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