#883/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (FXG ) 88/ 3/ 6 12:11 (100)
『秋本骨つぎ堂の逆襲』(ALOHAリポート1)88・3・6
★内容
「ストリート・ガール編」(AWC用)
土産は買わんが、話はただじゃ。というんで、土産話その(一)
ストリート・ガール物語。何といってもこれが一番の話題でありましょう。
聞きたい人が多い筈。万人向けの土産であります。
でも、あれですよ。秋本さんはだめですね。資格がない。ある人の指摘によりますと
胃潰瘍の薬タガメットの副作用ではないかと云われる精力減退。風吹けば五輪真弓と
なる昨今の頭髪事情もまた薬のせいか。歳のせいではありません。まだ若い!
でも、大丈夫。この旅行、会社の研修旅行なんですが、いらっしゃいましたね。研修
とは学ぶことにあり、或るものには経済、或るものには科学、或るものには軍事、そ
して我にとって、そは女なり、と豪語するお方。この方からのお話が今回のメインで
あります。
わたくし、こういう方は大好きでありますね。自分というものをしっかりと掴んでい
らっしゃる。生きる目的が明確であります。まあ、その点わたくしも明確ではありま
すね。生きてるだけで満足なのでありますからして。おっとそれに煙草のチェリーは
かかせませんが。この煙草が世になかりせば、おお考えるだにおぞましい。今頃はも
う死んでるかもしれません。
「人には誰でも首吊りの自由が許されている」こういう人生の結論に達したのが、二
十歳の時でありました。それから後は煙草が吸いたいためだけに生きてるような人生
でありますが。歯歯歯!の歯
まずはハワイ。ワイキキビーチ。前回も思ったのでありますが、さすがに白人女性の
後ろ姿は最高でありまして、あのヒップアップの見事さは、日本ではめったに拝めな
い至高の芸術でありまして。嗚呼!よかった。よかった。ハワイ万歳!前回、感涙に
むせんだ秋本君でありましたが今回も全く同様。もう帰ってもいい。そんな感慨を抱
かせるに充分なインパクトを与えてくれます。
ところがそのワイキキビーチに一つの異変が生じておりました。それが何を申しまし
ょうや。ストリートガール嬢の大量発生でありますのです。
「ASOBIMASIYO」
「SUMIMASEEEN・・」
「HI!」
彼の話だとニューヨークなど、本土からの大移動が原因のようでありました。
あれですね。あれ。エイズです。エイズ騒動による本国での大量失業の結果なのです。
ここまで来ているエイズ事情の深刻さ。肌身にしみて感じるのでありました。
よって、でありますよ。美人が多い。白人さんが多い。
この私の腕をとってしばらくは放そうとしなかった女性など、こんなにきれいな人が
ほんとうにそうなんだろうかとニワカには信じられなかったくらいでした。
もっとも顔はきれいでもFROM NEWYORK WITH AIDS(ニューヨークより愛をこめて)で
ありますからして、それなりの覚悟がいるわけです。なんせ私の生きる目的は永生き
することにあるわけですから、こんな事で死ぬるわけにはまいりませんです。
1999年まで生きてノストラダムスの予告の確認をするのを楽しみにしてるもんで
すからね。
2年前はそうなんです。全く声がかかりませんでした。ハワイにその手の方はいらっ
しゃらないんだろうか。これじゃアメリカの宮崎ではないかと新婚さんのメッカの面
目躍如たるところを少しさみしくも思ったものでしたが、こうも呼びとめられては歩
くのさえ苦痛になる程。
もっとも彼の方は全くといっていいくらい声が掛からなかったと申します。これがシ
ャクだったようで、私の、夜はしんどいから出歩きたくないという感想に、にがにが
しい表情をしておりました。歯歯歯!もてる男は世界共通と思えます。
(うん?何か云いたい?)
さて、100行で終わらせるために先を急ぎますが、以下彼がメインです。
彼ですが、そうですねY君とでもしておきましょうか。そのY君、なかなかの体格で
ありまして背こそ170ちょっとと草苅正雄に迫る秋本君には及びませんが、ボディ
ビルで鍛えた体は日本人離れしておりまして、今回も世界でも有名なハワイのワール
ドジムにいってバーベルをあげてきたという練習熱心な方であります。もっともあれ
は云わば中毒になるそうで練習を休むと不安になるそうですね。私の煙草と一緒であ
ります。そのY君、着いたその日からのアタックでありました。なんせこれが目的な
んですから。その自己中心的行動力。B型です。
わたしの場合は歩いてるだけで声がかかるからいいものの、彼の場合自分から近寄る
必要がありました。でも、しばらく見てるとわかるものです。まず大抵2人から3人
で止まっています。流れに乗らない人々ですからね。
しかし、Y君の場合、いきなり声をかけたりはいたしません。そこはセミプロであり
ますね。まず回りの様子を伺います。時によってはしばらく目指す彼女の行動を追う
そうでありまして、離れたところから得体の知れない男がその彼女の方を伺っている
場合がいくつかあったそうで、そういうパターンはやばいソウデス。
さて、目標が決まりましたら、決行です。でもここは簡単ですね。素人さん相手では
ありません。こちらはお客でありまして。近寄っていくだけでもいいわけです。
「Hi!」ーこれくらいの英語力があれば万全です。
先を急ごう。相場は30分で100ドルというところです。もっとも、不思議なもの
で現地の色の黄色い方の場合が高いそうで、最初の交渉の場がわたしの部屋でおこな
われたために聞くとはなしに聞いてしまったのですが、彼女「わたしカワイイ」を連
発いたします。何も人が寝ている時にやらんでもいいものを、途中で起きて彼女を驚
かせるのもどうかと思い、寝たふりをしていたもので、その自称カワイイお顔を拝む
ことかなわなかったのでありますが、どうやら顔でもランクがあるそうでして、結局
白、黒、抹茶、あずきトリマゼテも彼女が最高の値段だったそうです。Y君、でもね
ぎってましたね。なんせ交渉の場がこちらの勢力範囲ですから強い。「のー!100
どる、1時間。女まだたくさん、たくさんいる」「ダメ。サンチュップン」「のー1
時間」結局100ドルで40分ということで落着。ふたりして別の部屋に出ていきま
した。い、いかん行数がない。よっしゃ、ではわたしが通訳として呼ばれた白人女性
の時の話をして終わりにしましょう。改行はありません。夜の12時でしたか、わた
しが例のごとくベッドに横になってうつらうつらしておりますと、Y君が飛んできま
した。彼女をホテルの入口に待たせているのだが、一緒に入るのはやばい。うちの会
社の女の子に見られるおそれがあるというんです。要するに、自分と彼女は別々にホ
テルの部屋に入りたいとのこと。危ない!というのにデリンジャー!と叫んだY君の
こと。そのような複雑な会話ができるものではありません。相手の方も白人さんです
から、最低の実用日本語「それだめ」「すけべ」「たかくない」くらいしかおできに
ならない。着替えて一緒におりていきました。なるほど、いらっしゃいました。なか
なかの美形であります。でも見るからにそれらしい。わたしに声をかけてきた人達は
違ってましたね。やはり類は類を呼ぶのでありましょう。さて、彼女にY君の希望を
伝えますとOKが帰ってきました。ところがここからです。Y君、やにわに私にむか
って手を合わせるではありませんか。部屋を貸してくれというのです。
しかたござんせんね。人類は皆兄弟、こういう場合の男同士の結束は固いのでありま
す、神代の昔から。彼女はメモにルームナンバーとY君のうその名前とを控えて、5
分間の待機です。Y君は部屋にいきます。わたしは、そうわたしはどうしよ。結局、
近くのラーメン屋にいって1時間つぶすことにいたしました。あのラーメンはでも、
まずかった。それで午前1時にもどりますと、Y君が部屋でしょんぼりしているでは
ないですか。「来なかったです」「えっ?」「ロビーでセキュリティに捕まったみた
いです」ガーン!寝てたのを起こされて、不味いラーメンを一人食いにやらされた私
の友情は徒労に終わったのです。Y君の情けない顔。傑作でした。(おわり)