AWC 珍作劇場> あなざー  白雪姫(2)       COLOR


        
#876/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (BMD     )  88/ 3/ 2  11:16  (106)
珍作劇場> あなざー  白雪姫(2)       COLOR
★内容
*** これまでのあらすじ ***
 あぁ、悪魔のような継母にだまされ毒入りリンゴを食べさせられてしまった白雪姫。
彼女の白い肌はますますと白くなり生気を失っていってしまいました。
 さてこれからどうなるのでしょうか? はじまりはじまり

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1988年 2月28日

        珍作劇団公演 「あなざー 白雪姫」
          SCENE・2 「哀は不死鳥のごとく」
                              by COLOR

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『ひとつ山こしゃ へいほーへいほー』
 歌声高らかに現われたのは7人の小人達でした。それぞれがユニークで個性的な服と
帽子をしています。
 この小人達は白雪姫暗殺未遂事件の時に逃げてきた白雪姫に食事を取られたという仲
でありました。それから白雪姫と楽しく暮らしていたのです。

「あれ? あそこで寝ているのは白雪姫じゃないか?」
小人Aがいいました。
『そだね』
とはその他大勢の小人達。
「また寝てるんかい? あの方はよー寝なはるなぁ」
『んだんだ』

 勝手な事を言いながら7人の小人達は倒れている白雪姫のまわりに集まりました。
「おや? なんだかイヤに真っ白でねぇかい?」
 小人Gがいいました。
「馬鹿者がぁ〜 色が雪のように白いから【白雪姫】っていうんだべ」
「ば、ばっと いっつ すぺしゃる ほわいとっ!! おーばー?」
「雪より白いだぁ? そんだ事があるけ」
「どれどれ?」
小人Cが倒れている白雪姫の顔を覗きこみました。

「死、死んでんぞ!! 白雪姫は死んでるぞっ」
『な、なにィ?』

「「「「っ! 白雪姫が死んじゃったよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
小人達の悲痛な叫びは音速の早さで森の中を駆け巡りました。
 あぁついに悲劇のヒロイン白雪姫は死んでしまったのです。

*** お城より哀を込めて ***
「さぁ鏡よ、今一度真実を伝えておくれ・・・この世で一番美しいのは誰じゃ?」
城へ戻るなり真っ先に鏡に向かった継母は問い直しました。

*** 特別付録 継母の心中 ***
 やっと私の時代が来たのね。思い起こせば苦節ン十ン年。あの憎き白雪姫の前では
私は単なる引きたて役でしかなかった。そう私は噛ませ犬だったのよ。心のそこまで追い詰められた私は・・・買わなくてもいい高価な水晶玉を24回ゆうゆうローンまでして
手に入れた。ん? ま、まぁ支払状況はともかくとしても・・・とにかく!! もうこ
れで私の人生に悔いはないわ。
 そう私の辞書には【基本的人権の尊重】という言葉はないっ!!
あらヤダ。なに心の中で力説しているのかしら・・・

*** 続きをどうぞ ***
 鏡がキラリと光ると驚くべきことに(あ、もう2回目だっけ? まぁお付き合いで驚
いて下さい)鏡の中から声が聞こえてきた。

「お答いたします。この世で最も美しい人は・・・・・・・・」
 どうやらあまり性能がよくないらしく鏡は音信不通となってしまいました。
「く・・・く・・・・く・・・」
 声にならない怒りをこらえながら継母は懸命に鏡を修理しました。突然ですが、なん
と彼女の使っている魔術は自己流でないのです。ちゃんと魔検(魔法・魔術検定試験)
の2級免許を持っているのです。そしてその中には魔術道具の修理も単位に含まれてい
るのです。まぁ昔、昔、そのまた昔・・・失礼しました。とにかく昔とったキネズカ。
頭に血が昇っている割りには鮮やかに修理してみせました。
「さぁ答えなさい。この世で一番美しい人は誰?」
鏡は答えました。
「お答します。この世で一番美しい人それは・・・・」
「あ? また故障かぁぁぁぁっ!?」
「・・・それは白雪姫です」
「「「「「「「っ!!」
 なんと鏡は勿体ぶっただけでは飽き足らずに死んだ筈の白雪姫の名を上げたのです。
ついに切れてしまったのは継母です。鏡からの御指名を待っていたのというのにこんな
にも非道い仕打ちをうけてしまったのです。もう形容したら伏せ字の大軍でUP出来な
くなるほどの怒りようでした。死んだ筈だよ・・・どころの騒ぎじゃありません。

「「「「な、なぜ死んだ人間の名を上げるのじゃ!?」
継母は自分に「落ち着け落ち着け」と言い聞かせながら質問しました。
 すると鏡は平然と答えたのです。
「白雪姫は死によりその美しさを永遠に失うことがなくなったのです。そう、小人達が
作った硝子ケースので彼女は老いていくことなく・・・いつまでもいつまでも」

 ぼうぜん自失の継母はその場に立ちすくんでしまいました。そして目をギラリと光ら
せると空に向かってこう叫びました。
「こうなったら白雪姫をよみがえらせて私と同じ歳老いていく苦しみを味合わせてやろ
うじゃないかっ!」
 そして継母は【魔術の間】にこもり時には百日も及ぶといわれる瞑想状態に入ってし
まいました。もちろん【ただいま睡眠中につき静かに】のフダもちゃんと忘れずにドア
に掛けて・・・

*** 次回予告も含めて ***
「いくぞぉ!」
 継母の気持ちとは対照的に元気よく隣国の城から白馬が飛び出しました。乗っている
のはこの国の王子様です。
「ハイヨー!」
王子は進路を森へとると自慢の馬を走らせました。

 さぁ急げ王子よ! 白雪姫が蘇生する前に・・・

             <つ・づ・く>
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 小人さんは今回は単なるオマケにしてしまいました。どーしても7人に個性を付ける
というのはしたくなかったのです。まぁ読んでやってください。




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